親とは
「葵会長のバースデーパーティーですか?」
「そうなんです、音兄ちゃんが蓬栄祭の時に葵会長の家に泊めてもらったのでそのお礼もかねてやろうって言い出して、もちろん私も賛成なんですけど」
「なるほど、それで部室での食事ですか」
氷菓先生は納得したようだが立花はまだ説明を続ける、
「それだけではなくてですね、パルディアさんボーカルで葵会長のバースデーソングも歌うことになったんです」
「・・・」
立花の説明に氷菓先生は無表情、
「私も演奏をするという話しだったのですが」
立花の説明に葵が付け加える、
「許可が降りなかったのでこの話しはなかったこと」
「いいえ許可します」
葵が言い終わる前に氷菓先生は答えた、
「氷菓先生さっき部室で食事はどうかとって言ったばかりじゃないですか?」
いきなり手の平を返した氷菓先生に葵の当然の反論であるが、
「娘の誕生会を拒否する親はいませんよ」
「公私混同ですよ氷菓先生!、いつまでも子供扱いなんて」
「私が死ぬまであなたは子供です、親とはそういうものですから」
氷菓先生の言葉には迷いがない、
「はぁ分かりました、でも氷菓先生も同伴と言う形になりますからね」
「ええ分かっていますよ、何ももんだいありません」
葵ももはや観念したようである、
「じゃあ音兄ちゃんに知らせてきます、氷菓先生詳しい話しはまた後程」
「ええ、よろしくお願いします」
「本当にいいんですね?、氷菓先生、一応最後に確認しておきますけど」
立花は念のため最後の確認をしたが、
「仮に何か問題が起きたら全責任は私が取ります、なので心配なく葵会長の誕生会を進めてください」
「ありがとうございます、じゃあ行きましょう葵会長」
「はぁ、なんか最近ため息が多い気がしますが、失礼しました、氷菓先生」
立花と葵が先生教室から出ていくと、
「葵のバースデーパーティーか~、フフフ」
おそらく誰よりも楽しみであろうと思える[氷菓 神楽]の笑顔があった、