新しい友情
「それでは私たちも氷菓先生に許可をお願いしに行きましょうか」
気を取り直し葵は本来の目的を言う、
「はい、許可ってやっぱり部室での飲食のことですよね?」
ある程度の予想をしていたことを言う立花だが、
「その通りです、飲み物やお菓子程度ならともかく音頭君がやろうとしているのは明らかに違いますからね」
「氷菓先生の許可をもらえば大丈夫何ですか?」
「同伴と言う形になりますが・・・」
歯切れが悪い葵だが、
「分かります葵会長、親同伴のコスプレ誕生パーティーなんて恥ずかしいですよね!」
「分かってくれますか!、立花さん!」
立花の手を握る葵、新しい友情が芽生えた瞬間であった、
「音兄ちゃんも最初私がやらないって言ったら父さん母さんに蓬栄祭で演奏してもらおうとしましたから」
「なるほどそこで立花さんが折れたわけなんですね」
「さすがに自分の両親が学園祭で演奏なんて」
「立花さんの両親が断るとは思わなかったんですか?」
自分の息子と学園祭で演奏となると恥ずかしいとは思うが、
「う~ん、父さんはともかく母さんは結構ノリノリでやると思うんですよ、下手したら蓬栄学園高等部の制服まで着て」
その姿が立花には容易に想像できた、
「素敵なご両親なのですね」
「素敵と言うか学生気分が抜けてないと言うか」
「さて私も自分の母に頼みに行きましょうか、許可が取れなかったらそこまでと言うことで」
立花の話を聞いて気が楽になったのだろうか、葵の足取りが軽くなったように立花は思った、