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2.男2人想い募る

 魔王ヴォルデウスが襲来し、王都が大騒ぎになるも数時間後には魔王の姿も無く燃え広がっていた建物は元に戻っている。

 その現状に、勇者アレスが魔王を追い払い、勇者の秘術で街を元通りにしたと世間や王に貴族までもが信じ切っていた。

 真実を誰に言っても、誰も信じない。勇者アレスは引け目を感じつつも、魔王を言葉だけで退けたあの女性シーナのことを思っている。

 引け目を感じてた時は、苦悩に心を締め付けられていたが、シーナの姿を思い出すと――――比べてはいけないのを承知で、聖女よりも劣るも平民としたら少し可愛いし、なによりあの安心感を彷彿させる雰囲気がアレスの心に染み渡る。

 正直、あの時の話は誰にもしていない。

 

 「3日後シーナの手料理ハンバーグをもてなしてくれる」

 

 女性の手料理といえば母親以外――――旅で聖女が一度だけ作ったことがあったな。クソ不味くて仲間全員一口含んで吐いたな。それを除けばシーナが初。すこし、いやものすごく心躍っている俺がいるのがわかる。

 

 「誰にも言うわけが無い。シーナに会えるんだからな」

 

 勇者アレスは、自室で3日後のことを心待ちで療養している。アレスの自室の前に不穏が動きをする影があることをアレス自身は知らない。

 

 ――――――――

 

 時同じくして魔王城。

 足早に歩く魔王ヴォルデウスを取り囲むように四天王の2人竜王ドラゴノヴァと死王リッチそしてその配下数名。

 竜王ドラゴノヴァの姿は、整った顔立ちに白い髪に龍の角を生やし、筋骨隆々の肉体には所々竜鱗があり、背中には竜の翼に、尻尾がある。

 死王リッチは禍々しい真っ黒のローブの下には骸骨が見えるも、スケルトンとは違い強大な魔力を保有する。

 

 「魔王様。 どうして撤退など?」

 「撤退? お前らはそう捉えてしまったのか?」

 「違うので?」

 

 ため息を吐きながら魔王ヴォルデウスは玉座に腰を落とす。竜王ドラゴノヴァと死王リッチはひざまずく。

 

 「お前らは、あの王都に入れたか?」

 

 魔王ヴォルデウス問いに2人は顔を下げる。

 

 「このオレがいったのはあの王都を手に入れるためだ」

 「なんと!?」

 「勇者アレスに勝つのは何時でもできるが、王都とその住民を手に入れる為」

 「人間を」

 「あぁ、人間を支配下にし――――いや、もうそれも遅い」

 

 竜王ドラゴノヴァと死王リッチは、魔王ヴォルデウスの『遅い』という発言に困惑している.それもそのはず魔族としては人間は邪魔な存在。必要ならば家畜同等の扱いしか考えられないのだ。

 

 「お前らにもお前らの部下にも家族がいるだろ?」

 「あ、はい」

 「命を軽視する時代では無くなった。 これからは無用な争いはひかえる」

 「で、ですが」

 

 意味不明な発言に竜王ドラゴノヴァと死王リッチが問い直すと、魔王ヴォルデウスの赤い瞳が光る。

 

 「だまれっ。 さがれ」

 

 苦悩する竜王ドラゴノヴァと死王リッチはそのまま玉座の間から出て行く。

 ゆるせドラゴノヴァとリッチ。オレはたのしみが増えた。

 今までは勇者であるアレスをどう倒すかを考えていたが、あの女シーナに出会った。オレを目の前にして逃げない、どころか恐怖の顔をしない。それに、不思議と安らぎを感じる雰囲気。いままでで感じたことの無いその雰囲気にアレスよりもシーナに興味津々だ。

 3日後ハンバーグとやらにも興味があるが、3日後シーナに会えるのが楽しみだ。

読んでいただきありがとうございます。


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