訓練場
イリスの後に続いて訓練場へと向かった。
「ただの広場みたいだが? これが未来の訓練場なのか?」
母親はライルから聞いたのとは違うなと思っていた
「いえ、これからが本番です。母上。イリス、お願い」
「かしこまりました」
イリスがタブレットを操作すると訓練場の中央に魔物が現れた
「魔物!!」
「大丈夫ですよ。母上」
皆を守ろうと、身に着けていた剣に手をかけた母親に声をかけた
「お兄ちゃん怖い」
末っ子のサラがライルの服を掴んでいた
「大丈夫だよ。サラ」
ライルはサラに微笑むと、頭をなでてあげた
「皆様驚かせて申し訳ありません。あれは偽物です」
イリスは皆にホログラムやコンピュター制御について、簡単に説明した。
「なるほど。本物の動きを模倣した、偽物と戦闘訓練が積めるというわけだな」
「そのとうりです。母上」
「なら、あの騎士の魔物と戦ってもいいか?」
母親はいいかと聞いてはいるが、やる気満々だった。
「ええ。どうぞ」
イリスが許可を出すと一目散に魔物へと向かっていった。数合打ち合ったのち、母親の剣が魔物の首を切り落とした。
魔物が消え去ると母親がライル達の所へ戻ってきた。
「すごいぞ!! ライル! 本当にそっくりだ」
母親は辺境伯の娘で、活発だったことから魔物討伐の経験があった。
「ライル。これを騎士達の訓練につかわせてくれ」
母親は騎士団が脆弱であり、強化の必要性は感じていたが、資金難でどうすることもできなかった。その解決策が目の前にあるのだから、なんとしても了承してもらおうと考えていた。