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期待と裏切り〜中編〜

中へ入ると修道女が受付けをしていた。

僕たちは受付けを終えると聖堂の中へと入った。


「おい、見ろよ。ゴミクズ野郎が来やがったぞ」

「なんであんな無能があの二人と一緒に歩いてんのよ」

「消えちゃえばいいのに」

相変わらず僕への当たりが強いなー。

世間的には、リュゲルはイケメンの部類であり180cmを超える恵まれた体を持ち行動力があってユーモアがある。

マイアにしても金糸で出来たような輝く髪に赤い眼を持った絶世の美女であり、幼い頃には魔術と神聖術を自然と扱えるようになった稀代の天才、神童と数々の異名で呼ばれている。

だからこそ僕に対する怒りの視線の訳は理解できる。彼らに比べて自分は何も持っていないから。恵まれた体を持つわけでもなく頭が良い訳でもない。さりとてユーモアがある訳でもない。

憂鬱だ。この明らかに敵意が感じられる目線は。

世界から孤立してしまったようだ。

自己嫌悪があふれてとめられない。

そして、脳裏を9年前の記憶がよぎる。

ーーーーーーーーーーーー

「痛いよ!父さん!なんで殴るの!?」

「うるせぇ!この愚鈍が!てめぇがいるせいでこっちは迷惑してるんだぞ!」

「痛いよ!母さん、、たすけてよ、、、」

ーーーーーーーーーーーー

本当に嫌な記憶だ。

消し去りたいくらいに。消えてしまいたくなるくらいに。


「なんなのよ、あいつら。自分もたいしたことないくせに。お前らの方が消え失せやがれってはなしよ」

「まったくだ。よし、あいつらは今後つるまない奴ら枠決定だな!」

はっ、となって振り返る。彼らがいた。

僕に対する誹謗中傷に対して彼らは怒ってくれる。庇ってくれる。

僕の周りがこんなにも心強いことを思うと今の鬱屈とした気分は晴れ、だんだんと元気になってきた。

「うん、そうだね。今が僕なんだから。」

そう小声で呟くとまた指定の席へと歩いていく。

その姿に二人は安堵したのか僕の後ろを付いてきた。

いよいよ選定の儀が執り行われる。

お読みいただきありがとうございます。

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