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最終話 告白一つで変わった世界……?

「おい、莉愛! 起きろ、遅刻するぞ!」

「起きる、起きるからぁ、マコくんそんなに強く揺すらないでよぉ」

「莉愛が起きないのが悪いんだぞ」

「マコくんの意地悪……」


 不貞腐れたようにブーブーと文句を垂れながら莉愛はようやく起き上がった。

 いつの間にか抱き枕が一つ増えている。

 これまた半裸の美少女キャラ……。

 バイト代を無駄遣いしているようなら説教だな。


「ほら莉愛、早く出るぞ」

「待って、ちょっと待って」

「ほら3……2……1」

「はい! 準備できたから、置いてかないで?」

「まあ最初から先に行く気はないけどさ」


 俺たちは今日も並んで家を出る。

 いつも通りだ。


「結局……何も変わんないね。朝マコくんに起こされて……学校に行って……一緒に帰ってきて」

「本当だな。告白一つで世界を変えちまったどこかの主人公のようにはいかないもんだな」


 俺が勇気の告白をした文化祭の日から数日。

 俺たちは今日もまた、いつもと変わらぬ日常を送っている。

 勇気を出して、決断して、選んだ先にあったのは変わらぬ日常でしたってか。

 つくづく物語映えがしない。

 やっぱり俺は主人公じゃないんだ。


「でもさ……ちょっとずつ変えていこうよ。私たちは私たちでさ」

「そうだな……だったらさ」


 俺はそっぽを向きながら、スッと莉愛の方に手を差し出した。

 程なくして柔らかい感触が俺の手を包む。


「少しずつ……変えていこうか。まずは……こんな感じでさ」

「うん……そうだね」


 初々しく、手を繋いだまま俺たちは最寄り駅に向かって歩き始めた。


「ねえマコくん」

「何だ、莉愛」


 平静を装っているが、お互いに顔は見事に紅潮している。

 その色はいつか二人で行った海浜公園で見事に咲いていたコキアの色を連想した。

 あの公園ではもうすぐバラが見ごろになるらしい。

 また二人で行くのも悪くないな。


「これからもよろしくね」

「こちらこそ、よろしく頼むな」


 変えていこう。

 紡いでいこう。

 俺たちなりの物語を。


これにて完結です。

まずは初の長編、12万字……お付き合いいただきありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたら幸いです。


作者からのお願いです。

感想、ブクマ、広告の下にある★★★★★の評価等から、あなたがこの物語を読んでくれた足跡を残してもらえると今後の活動を続けていくモチベーションになりますので、どうかよろしくお願いします。


また、他にもいろいろ短編、中編などいろいろ書いてますので時間があれば下のリンクがご覧いただけると嬉しく思います。


改めて、ありがとうございました!


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