表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〜【異】世界の歩き方~  作者: スタジオ310
2/84

第2話 融通の利かないグリンゴン星人

 長期間親元を離れるのは、任務で惑星【異】へ行くことが初経験でした。

 そんなところが『世間知らず』と言われる所以だったのですよね。

 まぁ、それはさておき……

 以下、私の旅行記を纏めてみました。

 デジタル機器の使用が出来なかったので、画像は手書きのイラストとなりましたけど、まあ、下手でもその辺りは我慢をしてもらって……

 とにかく、興味のある方は目を通してみて、そして良かったら感想などを教えてもらえたら嬉しいかなぁと……



 宇宙世紀08✗✗年。

 惑星【異】への出発の日。

 惑星連邦本庁のあるネオステーションの出星ゲートに、意気揚々と降り立ちました。

 デザートブーツにショートヘアーと、それなりに恰好を付けてみたのですけど、背中のリュックは小さめで、冒険旅行……失礼、実地調査に行くというよりハイキングに行くといった感じになってしまったのは残念でした。

挿絵(By みてみん)

 でも、それも仕方がないことだったのです。

 惑星連邦に未加入の惑星【異】への入星でしたから、タブレットなどの電子機器を始め、腕時計、化粧品、電子ペン、全天候型衣服や温度調整機能下着までも、とにかく惑星【異】の文化に当てはまらないと判断された物品は持ち込めなかったのです。

 にしても未開惑星の現地調査なのですから、それなりの装備をと、それこそ当初は思って……

 失礼しました。

 ちょっとした愚痴です。


 では旅行記の前に、現地調査について少しだけ説明させてください。

 惑星連邦の実地調査規定では、出身母星の公転周期を基準にして1年間、調査対象惑星の調査を一人で実施するとなっています。

 私の調査目的は惑星災害に認定される可能性のある巨大生物の確認だったので、それが出来れば任期中でも調査終了となることがありました。

 出来ればゆっくりと調査をして期間いっぱい楽しみたいと思ったのですが……いえ、なんでもありません。

 体内に埋め込まれたバイタルデータ計測機とレコーダーで、調査対象惑星での調査員の行動が自動記録されます。

 それと併せて手書きで行動記録を毎日記載する必要もあります。

 手書きの行動記録から私の心情を、バイタルデータから身体の反応を、レコーダーから記録される客観的な行動とを照らし合わせ、調査対象惑星の現状を把握するということでした。

 で、その行動記録を今回の旅行記として纏めたのです。


 話を戻します。

 入庁から一週間で準備を整え、惑星【異】へ向けて出発することになりました。

 たった一週間の準備では不安が残りましたけど、それでもネオステーションを出発し、亜空間航行便を乗り継いでいると、これから始まる冒険……じゃなくて仕事に対する期待も大きくなってきました。

 ただ、亜空間航行便を4回も乗り継ぎ、やっとハブステーションでもあるルナティックステーションに到着した頃には、不安や期待より、疲労感しかありませんでしたけど。

挿絵(By みてみん)

 知っての通り、ルナティックステーションは辺境宇宙の惑星へ行くための転送ポッドステーションとなっています。

 いわば惑星【異】をはじめ辺境惑星への玄関口です。

 ルナティックステーションでは様々な辺境惑星に入るための入星審査を受けることになり、前述にあるように、デジタル機器を持っているようでしたらここで没収となります。


 なのですけど……


 どうしても持ち込みたかった電子機器が一つだけありました。

 私はそれをバックパックの奥の奥にこっそりと忍ばせておいたのです。

 けど、やはりと言うか、見つかってしまいました。


「電子機器が持ち込み禁止だとは分かっています。けど、翻訳機がないとコミュニケーションに困ります。なんとか見逃して下さい。お願いです」


 そう言って頭を下げてお願いしました。

 だけど、カニみたいな顔のグリンゴン星の審査官さんから、


「連邦外の惑星に行くのだから電子機器の地込み禁止は常識だ。渡星届にも注意事項で記載されている筈だ」


 なんて冷たく言われてしまいました。

挿絵(By みてみん)

 融通の効かないグリンゴン星人を審査官さんにするとは、流石に惑星連邦の宇宙軍と思いました。

 いや、そうではなくですね。

 惑星【異】には国が無数にあり言語もそれぞれに違いがあるのですよ。

 翻訳機は惑星【異】で任務を遂行するための必須コミュニケーションアイテムだったのです。

 惑星【異】で広く普及しているという、古代国家イギリス王国の公用語であるエイ語データだけは、直接脳にダウンロードしてありました。

 けどデータはあっても使い方までは熟知していなかったのです。

 なにせ準備期間が一週間でしたからね。。

 使うことで精度は上がりますけど、最初はカタコトぐらいしか話せない状態だったのです。

『その不便な状態で現地でコミュニケーションをし、身体かかるストレスとその困難性を鑑み云々……』なんて言われましたけど……知りませんよ、そんな理由。


 ちなみにですけど……


 連邦に所属していない未開の惑星【異】なので、こっそり入星する必要があることは皆さんの御存じの通りです。

 なので絶対に異星人ということがバレないようにしなければなりません。

 それって密入星ですよね。

 密入星して言葉がカタコトって、それ最悪じゃないですか?

 どう思います?

 ……いえ、愚痴じゃないですよ、ちょっとした不満というか不安というか、私だってそういった黒い部分を表にだしたりすることも……


今日中に第三話がアップできれば……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ