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夢玖夜  作者: じじ
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生首




 こんな夢を見た。

 橋の袂で、女の生首を見つけた。

 濡れ羽色の髪をした細面の女だった。

 首を傾げるようにして、地面に転がっていた。女はこちらに気付くと、石榴(ザクロ)のように赤い唇に弧を描いて、にっと笑った。

 唇の隙間から真っ白な歯が覗いた。

 

 女の生首を抱えると、人通りの少ない路地を行き、家に帰った。部屋の箪笥の上に首をそっと置いた。そうして、自分はその前に座ると女を眺めた。

 女は、大きな黒い瞳をぐるぐると動かし、部屋の中を見回した。自分が乗っている箪笥に視線を落とすと、やがてこちらを向き、またにっこりと笑った。

 何か着せてやれば、さぞ映えるだろう、と思った。

 しかし、女には体がない。

 持ってきてやらねば。

 この女に見合う若い娘の体を。

 それから、娘を殺してはその体を持ち帰り、女にあてがった。合わないものは裏庭の井戸に捨てた。

 幾日も過ぎ去り、幾人もの娘の体を井戸に投げた。

 が、ついぞ女に見合う体は見つからなかった。





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