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君の為なら死ねるとか(笑)

作者: もん・えな

君の為なら死ねるとか(笑)

そんなことをいったこともあったっけ。

遠い昔のお話しさ。


死ぬのが怖いわけじゃない。

僕たちはまだ若いんだ。

そんな漠然としたものに恐怖なんてしないよ。


僕が怖いのは、僕が死んだ後の君のことさ。

深い愛情を僕に注いでくれていることは承知しているよ。

だからこそ、僕のいない世界の君が不安で仕方ないんだ。


その愛を別の誰かに向けることができるだろうか。

君はそれを、何か歪なもののように感じてしまって、

一人で抱え込みはしないだろうか。


愛は移ろうものさ。

そこに留まり続けることなんて不可能だよ。

そんなことも分からずに、

一人苦しむようなヒトだから、

僕は君を置いてはいけないんだ。


僕たちに終わりが来るとして、

それは自分たちの手でピリオドを打たなければならない。

そうしないと君は前に進めないから。


君の為なら死ねるといった言葉は、

未だに僕の胸の中に残り続けている。

だからこそ、僕は君の為に死ねない。

何よりも君を愛しているから。


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