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part3.学校へ

 今日も朝日が照らされている。

ピンクになってしまった目覚まし時計で眼が覚めた爾那は寝たにもかかわらず眠たそうだった。


ちょっと隈も出来かけていたりして。




「さ、最悪な一日だった…」


とりあえず、爾那のお母さんは作法や言葉遣い

(まあもともと言葉が女の子っぽいからあまりきにすることはないが)

、歩き方や蟹股みたいにならないように内股にする練習など朝起きてから寝るまでやらされた。


お昼が終わった後には下着から私服、メイクのための道具の使い方もみっちり教わった。

元男としてどうしてこんなことするのかって疑問に思ったけどそんなこと言わせてくれなかった


何度もやり直しされてご飯はだいぶ遅くなってしまったけど。


「うん。完璧ね!」


拷問だぁ!


今度は僕が…いや私が訴えてやるぅ〜。


何故か昨日までは無かったはずの瑚海藤学園の制服が用意されていた。

ここの学校も制服は灰色のブレザーに赤や緑などのチェックのスカートだった。


(ちょっとスカート派手じゃないかな…)


ちなみに男子のブレザーは上下ともに灰色。




「ご飯できたわよ」


「分かったよ今行くから」


これからどんな高校生活が待ってるんだろう。私…今まで学校というのを知らないから

どうすれば良いのか不安で仕方が無いよ。怖いよ。ちゃんとやっていけるのかって。いじめられたりしないかな。

人と話すのはあんまり出来ないし。お父さんがアンナだったからちょっと男の人

を拒絶するようになっちゃったんだよね。本当に大丈夫かな。


「ねぇお母さん」


「な〜に?」



「あの、言いづらいんだけど私学校でちゃんとやってけるかな。」


「あら。どうしたの急に改まっちゃって」


いやいや元々勝手にあなたが学校に入学申し込んだんでしょうが。


「不安で仕方が無いんだ。男の人が怖いし学校なんて今まで行ったことなかったから」


「気にしなくて良いのよ。もしそんなことがあったら私がそんなことさせないように抗議してあげるから」


なんだかんだで私のお母さんは優しい。


こういう時、何時もお母さんは守ってくれた。あのお父さんからも。


「ありがとうお母さん。ちょっと勇気が出てきたよ」


「よかったわ。帰ってきたら親子の仲を深めましょうね〜」


っ。


まぁこういうのはちょっと引いちゃうけど。

あの拘束されていたときと比べればどうってことないよ。でも親子3人で楽しく暮らしたかったな。




AM7:20.


「爾那ちゃん。そろそろ出発したほうが良いんじゃない?隣街の学校だから時間がかかるし、校長先生の

ところにもいかなきゃいけないしね」


「ホントだ!

じゃあ行って来るねお母さん


屈託のない天使のような笑みで挨拶をした。


「(可愛い)い、いってらっしゃい」


勢いよく扉を閉めたので物凄い音を立てていった。


(頑張るのよ爾那ちゃん。これからはあなたが自立していく時期なのだから)




AM7:30. JR鎹駅。


(へぇ〜。お母さんには色々教えてもらったけど駅ってこんな風になってるんだね)


駅にも乗ったことの無い爾那でした。

ってドンだけ拘束されてたんだよ!!もはや拘束の域を超えてるよ。


(えっと180円を入れて、切符のボタンを押すっと)


指で画面を押した直後、したからオレンジ色の切符が出てきた。


(おぉ。凄いやこの機械。ノーベル賞物だね!)




ホームに着くとアナウンスが流れた。


『え〜、次は〜…1番線で〜お待ちください』


どうやら次にくるこの電車に乗るみたいだ。




電車が自分がいるホームにやってきて止まった。


(ほぇ〜。コレが噂の電車ですかぇ)


どっかのおばさんですか…。


中にいる人が少し出たと思って中に入ろうとしたら後ろからどんどん人が入ってきた。

自分が駅に着いたときにはこんなに人がいなかったのにいつの間にか誰がどこにいるのか

分からないほどの人がいた。


その中のほとんどは爾那に注目してたけど本人は全く気づかなかった。


(ここってそれほどの都市じゃないよね…。どっちかというと田舎だと思うんだけど)


いくら田舎といっても遠くへ出勤する人は多いのです。お分かり?


(はい。ってだれに返事してんだろう私)


気にしない気にしない。




なんとか電車に乗ることが出来た。


(うわ〜。なんかとってもむさ苦しい空間になってるよここ。毎日こんな風なんだ。

最初からこんなんじゃやる気が無くなっちゃうよ)


いすには座ることが出来なかったので仕方なく丸いわっか(名前忘れた)に捕まることにした。


出発した直後になんか背後でもぞもぞした感じがした。


(なんだろ。後ろでなんかやってるのかな。

こんな混雑した電車の中でご苦労様〜)


今の電車内の混雑率は120%。


あと少しで隣町の美濃浦市に着くというところで太もも辺りに違和感を感じた。

しかも4つも。


(うわっ。なんかとても気持ち悪いよぉ。誰かに触られてるよ絶対。

だ、誰か助けて!でも私には声を出す勇気なんか無いよ)


その四つの手がだんだんと上のほうへと上がってきた。


そんな様子を見ている男子が一人いた。彼は爾那と同じ学校の制服を着ていたので、

おそらく彼も電車通学なのだろう。




(あの娘、なんかジジイ二人組みに痴漢にあってる…。あまり面倒ごとには巻き込まれたくないが

あの制服は俺と同じ学校だな。ほっとくわけにはいかないな)




「おいそこのおじさん二人」


ジジイ二人組みは少し方が震えた気がした。


「な、なんだあんたは」


「あんたら、その娘を今痴漢してただろう。その手はなんだ。なんで今いきなり手を隠したんだ」


そういうと二人組みは慌てだした。

言い訳でも考えてるんだろうか。


周りの乗客も痴漢という言葉を聴いてざわざわしはじめた。


「痴漢されてる本人が認めれば即逮捕ということにもなるんだけど」


「え!?」


やったにもかかわらず二人はどんどん落ち着かなくなっていた。


「君…、今痴漢にあってたよね」


「……………うん…」


(認めたな。コレでこの二人は痴漢で逮捕決定だな)




私が誰かに手を入れられて、もう少しで危険な状態になるというところで誰かも分からない男の子に

助けてもらった。


同じ制服だから瑚海藤学園なんだ。


電車が美濃浦市に着いた瞬間、あの二人は警察に連行されていった。


「俺はそんなことやってないんだぁ!!!!!」


って言ってたけど自業自得だね。




「あの………助けてくれて…ありがとう…」



「いや、気にするな」


この娘可愛いな。


ん?なんか昔何処かであった気がするんだけど。気のせいか。


「あなたの名前は…なんていうんですか?」


「俺か?俺はって君から名乗るもんだろ普通」


ちょっと怒鳴っちまったけど大丈夫かな。


「あ、すいません。私の名前は東郷路爾那と申します」


「そうか。俺の名前は長谷川 康伊知っていうんだ」


東郷路爾那って


幼稚園のころよく遊んだり話したりしたアイツのことか!?


小学校に入っても仲良くしようと思ってたのにもかかわらず、いきなりこなくなってしまったはず。


それ以前に男の子じゃなかったか?


今の容姿は全く女の子って感じだぞ。




も、もしかしてコウちゃん!?


どうしよう。


こんな姿幼馴染(コレで良いのか分からないけど)にみられちゃったよ。

なんて言えば良いんだろう。


普通に言えば良いのかな。


仲良かったし信じてくれるよね。一人でも信じることが出来る男の人が欲しいし。




「「あの!!」」



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