第4話
誰に言われずとも俺は抵抗をした。
しかし、相手が女の子ということもあって力強く抵抗することは出来ないし、かといって抵抗しないと襲われてしまう。
なんでこうなったのか。それは簡単。俺のせいだった。
改めて言おう、俺は世界一キスが上手い男であった。そして上手い男である。
これは過去の話なのだが、中学生の時俺に彼女ができた。この時とても嬉しくて、彼女を一生大切にしていこうと思った。
俺はそうではなかったのだが、彼女は学年の中でも結構スキンシップが激しめの女の子で、よく女友達の体を触っていた。
それでも彼女は学年でも結構人気な子で俺たちにとっては見慣れた光景だった。
ある日俺が彼女の家に勉強をしに行くと彼女は俺をベッドに押し倒してキスをした。
この時が俺の初めてのキスであった。しかしそれは望んではいない終わり方をしてしまった。
キスをし終わった彼女は、発情期のメス猫にオス猫を見せた時ぐらい興奮していて、目の奥はハート型になっているように俺は見えた。
ベッドに押し倒されたまま彼女は俺のズボンを脱がそうとして………
しかし、精一杯抵抗したからか彼女は正気に戻りそのまま勉強は続行された。
いや、別に一線を越えたくなかったとかそういう訳ではなくてだな。俺だってキスされた時、爆発しそうな何かを抑えていて……いや、それはいい。
とにかく今はこの状況をどうにかしなければならない。
一応、正気に戻す方法はあるっちゃある。これは最初のキスの時に薄々感づいて、しかも確かめたので確実だ。ただ、あまり気が進まないというか、ぶっちゃけやりたくない。
ただ、このまま抵抗を続けていると誤って怪我を負わせてしまいそうだし、この女の子がズボンを下ろそうとしている時点で、噴火を直前で止められている火山のような感じになっているし。
やっぱりやらなきゃいけないのか………
「自分の為」と、自分に言い聞かせながら俺は彼女の頭を痛いと思われない程度に鷲掴みにして…………
自分の唇と相手の唇を触れさせた。そう、キスをした。
キスをし終わった後、彼女は膝から崩れ落ち倒れこんだ。眠ってしまったようだ。
ふぅ、やつてやったと言わんばかりに俺は彼女を見て、自分のやった事は後悔しなかった。
彼女の家の中の様子を軽くまわって見てから、ベッドのある寝室に彼女をお姫様抱っこして、ベッドにそっと降ろした。