第17話
俺が見ていない間にマキは着替え終わった。確かに着替え終わったのだか………
「なんなんだ、これはー!」
つい、大声で突っ込んでしまった。しかし、今の状況が分かれば誰だって突っ込んでしまうはずだ。
だってそれは、
「なんで下に何も着てないんだよ!」
言葉の通りだ。
ただ、なんで下に何も着てないか分かるか、それは単純明快であった。
さっきのマキの服装から予想すると、あの痴女コスプレは下に何も着てないように見える。となると、素肌にあの格好ということになる。
俺がマキに渡したのは布1枚だ。
おそらくこの部屋はこの家に仕えてるメイドさんの一室だろう。その証拠にクローゼットにはメイド服らしきものがあったからな。今は休みを貰っているのだろう。
渡したのは布1枚なんだから、あのコスプレの上に着ればいいのに、何故かマキは布一枚だけにしやがった。
だから、この部屋のベッドにはマキの着ていた服が無造作に置かれてあった。
そしてそれを見た俺は、マキが下に何も着ていない事が分かった。
「何だ、別に私がどんな格好しようか私の勝手だろ?」
「そ、そうだけど、だけどTPOを考えろ!」
「何だ、そのTPOって。そんなことよりバレずにマリアのところまで行くよ。」
もう駄目だ、突っ込みが追いつきそうにない。つーか、マキってキャラが多すぎじゃねえか。
それについてこれなくて、ついついTPOなんて言ってしまったけど、TPOなんてこの世界にあるはずないよなあ。
こっちの世界にも慣れようと頑張っているけど、話す奴がこんなんだから難しいし。
色々考えるのはあとにしよう。今はただマリアを救うことだけを考えよう。
マキが足音をさせずに部屋を出ていこうとしたので俺もそれに付いていった。