第11話
後先も考えずに行動するとどんな目に遭うかは中学生で全部分かっていた。そのはずだったのに。
「さあ、グダグダしてないでさっさと歩け!」
命令口調に従うようにして進む人物は間違いなく俺であった。
もう少し言葉遣いを気を付けなければならなかった。
「マクベスは何処だ………!?」
この一言で俺は不審者とみなされ、すぐに捕えられた。1人を相手にしていたのだが、もう1人に羽交い締めにされてしまった。そのまま両手の自由を奪われ捕まってしまったって感じだ。
対一で戦う分には十二分に勝機があったが二対一では無理があった。
結構力には自信がある方だが多勢に無勢の状態では力の発揮もできない。
「ほら、入れ。1日後になったら外に出してやる。」
そうこうしていると留置所と言われる場所まで連れいかれ、投げられるようにして入れられた。留置所というよりかは牢屋だけどな。
さて、どうしたもんか。これからどうやってマリアを助け出すんだ?
もう、自分から助けに行くことはほぼ不可能で、どうしようもない。助けを待とうにも助けを呼べる人はいない。
完全に袋のネズミ状態である。
留置所、といわれたのでどんな場所かと思っていたが結構きれいな場所なんだなぁ。地下に行った時は、とりあえず岩を掘りましたみたいなもんだと思ったけど。
けど檻が壁一面にあって、やっぱり牢屋なんだよなぁ。
寝る用のベッド、洗面所、洋風のタンスがあり、ある豪邸の一室に何ら変わりないように見える。てゆうか豪邸の一室なんだけど。
こんな豪華な留置所に連れてこられてソワソワするのは仕方ないとは思うが、それにしても人が居なさすぎやしませんかねぇ。
あいつらからしたら俺は怪しい奴な訳なんだから普通は見張りは一人はいるはず。なんだけど、檻の外を見ても人らしき影は見えない。
これはただの手抜きなのか、それとも宣戦布告なのか。手抜きっていうのはないだろう。
なら、宣戦布告なんだろうか?
いや、それにしては目的がない。俺の身元がまだ、あの門番2人にしか知られてないはず。口でマクベスに言ったって分かるはずがない。
でも脱獄を図らなければならないのは変わりない。逃げれそうな場所なんてないしそんな隙間は檻には無い。
取り敢えずなにか調べてみるか…………
牢屋及び留置所の檻から角度をつけて色々な場所を見ていたんだけど、なんかこっちを見てる人がいた。目を凝らしてよく見ると、
「う、うわああああぁぁぁ」
人ではなくて、人のようで。
そう、それは何かというと…………