ドル!
捜査報告書を読み終えた丹は、ヤマさんに質問を開始した。
「犯行動機は遺産目的…と、怨恨の両方で?」
「ああ。被害者は総資産二億円は有していたが、息子の二人は貧乏な借家暮らし。親子の仲が悪くて金銭的援助は無く、怨恨と遺産目的で間違い無いだろう」
「被害者の遺言書は残されていませんでしたか?」
「いや、無い。犯人が部屋の中を物色した形跡もなく、我々の捜査でも見つからなかったから、元より遺言書は作成してなかったのだろう」
「遺言書があり、そこに子供には遺産を残したくないと書かれていても、遺留分減殺請求で双子には確実に遺産は受け取れる権利が発生する。親への虐待があったなら、廃除によって相続権を消失できますがね。しかし、仲が悪い程度では廃除はできないはず。だから遺言書を探す必要は無かった」
丹は一息ついて、再び話を続ける。
「しかし、親を殺したのならその時点で相続権は消失。でも、今回の様に実行犯が兄弟のどちらか判別できなければ、どちらにも相続権は有する。二人が共謀している証拠はあるにも関わらず、だ。そう、その証拠が事件解決の糸口となるかも知れません」
「共謀の証拠…あのナントカってアニメの証言か?」
「オジャマンガ㌦美です。国民的ロリッ娘魔法少女アニメを知らないのですか?ふぅ…これだからロリの素晴らしさを理解しない愚かな捜査官はダメなんです!イイですか、そもそもロリとは穢れなき天使であり、至高!特に『第57話 空飛ぶ箒にローションを!』などは神回の中の神回!あれ程の名作アニメを知らずして…」
嫌がるヤマさんにロリの素晴らしさを力説する丹。それを横から見ていた新田 舞は理解した。
うん、これが名探偵を呼びたく無かった理由なのだと。
マトモな推理小説だと思って読んでくれた読者の方々、すみませんが名探偵は変人ですのでこんな展開になってしまいますσ(^_^;)