裁判!
裁判が始まると、丹の予想通りの展開となった。
疑わしきは罰せずが刑事裁判の鉄則だが、この双子のどちらかが犯人である可能性が90%以上、尚且つ兄の一郎と二郎との比率が5:1なら疑う余地はない。
国選弁護人の冴えない男が必死で「二人は0.2%の差なのだから、犯行はどちらでもあり得る!」と訴えたところで、三万コマ以上による統計が一郎を犯人と示しているのだから、無駄な足掻きにしかならない。
証拠の三万コマによる一郎と二郎との誤差。その差は殆どが1.5%以下の誤差であり、本来であればどちらが犯人でもあり得るのだ。
しかし、僅かばかりの誤差が、統計によって犯人を一郎と決定づける。
完全犯罪はこうして脆くも崩れ去るのであった。
自身の容疑が確定と判断した一郎は、態度を一変して二郎は関係無いと主張。
一郎が実行犯で二郎が共犯なら、遺産はどちらも受け取れない。だから、せめて二郎が遺産を受け取るようにしようと試みるが、それは後の祭り。
余りにも正確にオジャマンガ㌦美の内容を、実行犯の一郎が話した証拠がある時点で共犯は明白。
二人とも相続権は剥奪され、有罪判決が言い渡されるのであった。