正論!
容疑者の家から被害者の家まで、徒歩でおよそ30分。犯行後は走って23分で帰宅。
合計53分、犯人を撮影した防犯カメラの映像の全てを集める様、丹が指示する。
「この犯人と容疑者の家のちょうど中間にある八百屋の防犯カメラの映像、犯人が映ってるな?それなら隣の魚屋の防犯カメラにも映像は残ってるはずだ」
「ちょっと待ってよ!八百屋も魚屋も同じ並びになってるんだから映像なんて殆ど一緒でしょ?」
新田の疑問に丹は大きく溜息を吐く。
「はぁ〜…君は何年刑事をやってるんだ?」
「だから、まだ一ヶ月も経ってないけど…」
「先程も言ったのを忘れたのか?『無駄と分かっていても地道な作業を繰り返すのが警察の仕事』と。たかが一ヶ月とは言え刑事であるのらば、可能な限り証拠は集めるぐらいの事はして当然であろう?」
刑事を失職した男に言われたくもないのだが、言っている事は正論だから反論もできず。
その後、集められるだけ集めた防犯カメラの映像。のべ三時間近くに渡る証拠を集め直した。
パソコンに纏められた三時間分の映像、それを見て丹はほくそ笑む。
「…さて、0.2%の可能性とやらを使わせてもらいましょうかね♪」