ローション!
取り調べが終わった。それはもう、歴史に刻まれる程の、見事なまでの取り調べが。そう、黒歴史として。
「ううう…なんで私が…こんなしょうもない取り調べを…」
女刑事としての誇りだか何だか、今回の取り調べによって失った者が若干名いたが、それはさて置き…。
「うん、実行犯は兄の一郎だな」
「はあっ!?何であの取り調べで犯人が特定できるのよ!」
取り調べの様子をマジックミラーで確認していた丹。それによって犯人の特定を成し得たのだ。
新田は実行犯を断定した丹に問いただすが、その答えは何とも論理的な回答であった。
「あのローションをステッキに塗ったくるシーンの話をした時の兄の反応と弟の反応、あれを見比べれば一目瞭然であろう?あのシーンは五人のロリでローションを塗るわけだが、全員が頬を染めている中…そう、一番人気の高いアンプちゃんだけが一筋のヨダレを垂らしているのだ!そのシーンを観た者と口頭で聞いただけの者、その反応が同じな訳が無かろうが!オジャマンガ㌦美ファンを舐めるなよ!」
力説、ドヤ顔の丹とは対照的に、新田の顔色は宜しくない。
「…貴方の言いたい事はよく分かったわ。でも、これって…」
「まあ、裁判では使われない証拠だがな」
「だったら意味が無いじゃない!何で私が意味をなさないオタトークを、取り調べでしなくちゃならなかったのよ!」
「無駄と分かっていても地道な作業を繰り返すのが警察の仕事ではないのか?鑑識の結果然り、刑事の聞き込みも然り、最終的に必要なかった事であっても、その地道な作業が犯人を追い詰める…ヤマさんの名言だ」
「そうは言っても犯人の決め手が無かったら、結局不起訴になるんだし…」
「ふむ。確かに取り調べでは裁判で使える有力な証拠を得られなかったが…他の手もまだある」
「他の手?」
「ああ、簡単な話だ。証拠を勝手に捏造して、兄が犯人だと仕立て上げる」
「捏造なんか許されるわけ無いでしょうが!」
「何を言ってる?捏造なんかは警察の専売特許だろう?実際に昔、ロリを助ける為に証拠を捏造した刑事がいたが…まあ、失職に追い込まれたがな」
「それ、あんたの事でしょ!?私は失職なんかしたく無いから!ちゃんとした証拠を集めなさいよ!」
怒鳴り散らす新田に仕方なく、丹は別の案を提案するのであった。
そろそろ完全犯罪を瓦解に突入!果たして丹と同じ推理をできた人は…?
誘導尋問も証拠の捏造もダメ。それでも犯人を特定できたら名探偵!