今日は楽しいひな祭り
私の大好きな ひな祭りがやってきます。
いよいよ春がきたー、楽しみ!なんて……思いきや、雪が降りました。
雪も名残惜しいけど、春も待ち遠しい、今日この頃です。
「わーい、わーい、お雛様!ママ、遊んでもいい?」
「ダメだよ、お雛様は遊ぶものじゃないの、見るものなのよ」
「えー、だってこの飾りも、このお洋服タンスも可愛いもん」
「お雛様はね、里真ちゃんが寝ているときに動くのよ、だ、か、ら、触ってぐちゃくちゃにしてたら怒って来ちゃうわよ」
「ぎゃ!恐いよ」((((;゜Д゜)))
「冗談よ、でも本当にだめよ、壊しちゃったらお雛様が可愛そうでしょ」
「はーい」
「それじゃあ、これ食べてくださいね」
そう言って里真ちゃんはお雛様の台に 綺麗なお菓子を置いてあげました。
「里真ちゃん、早くしないと幼稚園遅れちゃうわよ」
「はーい」
お雛様は 朝日をうけ キラキラ輝いていました。
「やれやれ、またぐちゃぐちゃになる所でしたね」
「まだ、大丈夫ね!昨年はね、私達が飾られた途端に 桜橘を引きちぎろうとしてね、みかん食べたい!なんてね。里真ちゃんが帰ってくるのが恐いわね」
「ほんとねぇ、私なんか いつも菱餅を口に押し込まれて 苦しいったらありゃしないですよ」
「私なんか、お殿様と御姫様のお祝いに注ぐ銚子を取りあげられて、はいどうぞ!なんて里真ちゃんの人形に持って行かれちゃたのよ」
「そうそう、御駕篭には 昨年は里真ちゃんのぬいぐるみが押し込まれていたわよ、お姫様が乗れなくなってね」
「他にもあるわよ、御所車にはお道具を押し込もうとして、もう少しで壊れる所だったのよ」
「あれもそうじゃない、長持に里真ちゃんの靴下が入っていたのよ」
「お殿様とお姫様のお三宝の梅の花を抜かれて、里真ちゃんの頭に飾られていたわよ」
「高杯には里真ちゃんのお菓子を乗せて、私達にくれるのかと思いきや、自分でむしゃむしゃ食べてましたよね」
「やれやれ、私もだよ……昨年は笑いなさい!怒ってばかりじゃ駄目でしょ!なんて体をぶんぶん振り回されてなぁ」
「いやいや、まだいいですよ、わたしなんか、男の子は泣かないの!なんてすっごく叱られましたよ」
「あっはっはー、なんぞ、なんぞ 笑ってる私ですら 声を出して笑いなさい!なんて口の所をぐいぐい……痛いったらなんの……」
「僕は笛を取られてしまい、何処に行ったかわからなくなってね、まあ 今年はちゃんと返ってきましたがね」
「僕の太鼓はいつも里真ちゃんの遊び道具だなぁ、この前なんか、トントン叩きすぎて破れそうになって……」
「そうそう、気をつけないと またお姫様の箪笥に 里真ちゃんの持ってるお人形の服をいっぱい詰め込まれちゃうわ」
「そうね、それに、火鉢に石ころなんかいれてくるわよ」
「まだまだ、鏡台の鏡で自分の顔をうつしてね、何処かへ持ってちゃうのよ」
「私達、三人官女で守らないとね」
「僕たち五人囃子は 里真ちゃんには太刀打ちできないなぁ」
「何言ってるの!しっかりして」
「あっはっはっー、まあ、無理もないだろう、相手は手強いからなぁ」
「まあ、わしたち 仕丁も里真ちゃんが見てくれるから こうして出して貰えるんだからなぁ」
「そうですね、いつも怒っている私に笑って!何て言われると 良く考えたら嬉しいことですねぇ」
「私達、随臣の刀もよく取られますけど、まあ、りまちゃんが言うには、あのね、刀は危ないからね、こっちによけときますねって、優しいじゃないですか」
「まあ、言われてみれば、私がお腹をすかせてると思い、口に大きな菱餅をいれようとするのでしょうね」
「箪笥も使った方がいいのですよ、それに、わたくしの桧扇で、ばたばた扇いでくれますが、とても寒くて……でも、里真ちゃんは優しい子ですよ」
「あら、お姫様、聞いていらしたのですか?」
「ええ、そんな大きな声で話してますと、嫌でも聞こえますよ」
「これは、これはお姫様、すみません」
「うぉっほん!皆のもの!何を騒がしくしておる」
「いえ、お殿様、なんでもございません」
「それならばよかろう」
お殿様の冠は 里真ちゃんが引っ張ったので斜めを向いていました。
「あらあら、お殿様、冠が……」
「冠がどうしたと……」
「ただいまー、みんな、待っててくれた!」
シーン
「そうなんだ、寂しかったんだよね、ごめんね 里真ね幼稚園に行ってたの、さあ、遊ぼうね」
「あれ?男雛様の冠が斜め向いてる、よっこらしょ、よっこらしょ」
里真ちゃんは高すぎて届かなかったので、椅子を持ってきました。
「ほら、これでよし!」
「あれ、姫雛様の扇がこんな所に落ちてるよ……よし、姫雛様、これで暑い時は仰いで下さいね」
「ここもだ、鏡台はこっち、箪笥もこっちに置いて、火鉢はここ、そして 長持は箪笥の横に……」
「ママー、またぁ?」
お母さんは 里真ちゃんが すくすく育ちますようにと願いを込めて お寿司を作ってくれていました。
「出来たわよ!はい 里真、お雛様に召し上がってもらってね」
「はーい!あっ、これも」
里真ちゃんは お母さんが作ってくれたお寿司と 幼稚園の帰りに摘んだ菜の花を 台の上に置きました。
「はい、みんなで食べてね。ママの作ったお寿司は美味しいよ」
里真ちゃんは お雛様をじっと眺めているだけでした。
夜になりました。
「今夜は私の結婚式、みなさん、里真ちゃんがくれたお寿司でお祝いしましょう」
「里真ちゃんは 成長したんだね」
「そうね、いい子に育ってますね」
「寂しいような……嬉しいようなかんじですなぁ」
「いつまで私達の事、覚えていてくれるのでしょうね」
「えっへん!忘れたとしても、きっと心には残るはずじゃろう」
「はい、お殿様、冠もきちんとなおしてくれてますよ、良かったですね」
お姫様がくすくす笑ながら言いました。
「皆で 里真ちゃんの末永い幸せをいのりましょうね」
次の日の朝がやってきました。
お母さんが お雛様の所にやってきました。
「里真ちゃん、また お雛様にあげたお寿司食べちゃったのね」
それを見ていたお雛様は そっと呟きました。
「お母さま……それは私達が食べたのですよ」
私の童話を読んでくださり ありがとうございました。
夜はまだ寒くて、外にいたら凍えそうでしたが、空を見たら、満天の星空でした。
星が降らないかなぁ?なんて観てましたが、寒さに勝てず 家の中に入りました。
星空は 本当に神秘に溢れていますね。
皆様、夜はまだ寒いので、どうか暖かくして、お過ごしくださいね。




