第2話『レイダースと少年』
当てなんかない。ただがむしゃらに歩くだけ。
荷物のたくさん入ったバッグ。
それと、アリアの愛用のロッドを持ち、彼女は馬車に乗っていた。
とりあえず情報収集をするため、ファリス国の北に向かった。北にはこのファリス国などの隣国のヴィット国があるマラングムア大陸最大の都市、レイダースがあり、その都市は情報が盛んに飛び交っている。
彼女はそこで情報収集をしようと試みたのだ。
*
「ふわぁ、すごい・・っ。」
馬車を降りての第一声。
アリアの言った通り、本当にすごい都市だ。
ちょっとでも油断すると人ごみに流されてしまいそうだ。それに、
「ねぇねぇ、いっしょに遊ばない?」
とか
「ちょっとそこの彼女!このネックレス、どう?絶対似合うよ!!」
「何言ってるんだ!彼女にはこのブレスレットが似合うに決まってる!!ね、君はどっちをほしい?」
とか言って、10万Gの商品売りつけられそうになったり・・。
とにかくアリアはこの人ごみを抜けて、早く情報の飛び交っている酒場へ行きたかった。
やっとの事で酒場の前に来れた。
ガチャッとドアを開ける。
あんな人ごみが嘘のよう。酒場はまだ昼間と言う事もあり、人はせいぜい20人ほどだった。
アリアはマスターに聞いてみた。
「あの〜、魔王ってどこにいるんですかね?」
単刀直入な質問にマスターは一瞬戸惑ったが、
「魔王・・ってモンスターの母体の事かい?」
と聞き返した。
「ええ、そう。あたし、魔王を倒したいの。」
「そうかい、あぁ・・そういえばそんな事を言っている少年がさっき君と同じように来たよ。」
「本当?」
「ああ。確かそこの木のいすに腰掛けてるあの子だよ。」
「あ、ありがとうございました!」
「いえいえ。」
店員は軽くにっこりと笑った。アリアも笑い返しながら例の少年の方へと向かった。
少年に近づくと、彼はアリアを不思議そうに見た。
「何?」
彼はいじわるっぽい瞳で笑いながらアリアに聞いた。
「あの・・さ、魔王を倒したがってるって本当?
アリアはおそるおそる聞いた。すると少年は立ちあがった。
「お前、魔王を倒したいわけ?」
「ぅ・・っ、うん!」
「けど仲間が必要なんだろ?」
「うん・・・。」
アリアはうつむきながら言った。どうすればいいか分からなかったからだ。
すると、以外にも少年は、自信に満ちたような笑顔でこう言った。
「それなら俺と一緒に行こうぜ。俺はセシル・シャイン。よろしくな。」
「へぁ?」
すっとぼけたような声、アリアは突然のことにびっくりしてしまった。
「な・・なな、なんで??」
アリアは舌がもつれそうになりながらもそう聞いた。
セシルはまたもいたずらっぽく笑い、こう言った。
「だってお前、カワィィし。俺の好みだもん。だってさー、ブスなヤツとかよりもやっぱカワィィ子の方がいいだろ?それにさぁ――――――」
延々と続けるセシルを、アリアはただぼーっと見るだけしかなかった。
はぁ・・眠い。