五話
「はぁ~、ようやく出れた」
廃坑から出て一番に深呼吸をする。開放的な場所の乾いた風を吸い込んで、本当に生きていると実感した。
「夜は魔物が湧きやすい。悠長なことを言っていると首を落とされるぞ」
「あ、はい。ってそういえば武器が‥‥‥」
腰を触って短剣を無くしたことを思い出す。廃坑の最深部でも見当たらなかったので純魔石を隠していた岩と一緒に消失したと考えているが、真相は不明である。
「‥‥‥これを貸そう。理由は聞かないでおくが、命が惜しければ気を付けることだな」
「返す言葉もありません。ありがたく使わせて貰います」
顔や口調には出ないがおそらく呆れているであろうリンドルさんから注意を受けつつ、感謝しながら短剣を借りる。
「さあ帰るぞ。と言っても、戦闘を避けては通れなさそうだが」
木一つ無い山塊の一角の斜面に作られた廃坑の入り口。そこから街に戻るには一度下って盆地を突っ切り、小さな山を越える必要があった。しかしリンドルさんは一見すると何も無いように見える盆地を眺めながら諦めたように呟く。
「‥‥‥リンドルさんは、魔力の流れを感じ取って来たんですよね?この廃坑に。今もまるで魔物を見つけたような言い方だったし‥‥‥どうすればそんな芸当が?」
「うーむ‥‥‥歳の功としか言えんな。若い頃は魔力を感じることも出来なかったが、老いてきた今ではまず不意打ちされない」
「えぇ‥‥‥」
返ってきた答えは自分でどうこう出来る方法ではなかったが、それで得られる能力の理不尽さはそれにしても過ぎる。
「まあそう残念に思うな。魔力を感じ取ること自体才能であろう」
「‥‥‥そう考えておきます」
彼の言う通り、魔力を感じ取れるだけでも才能なんだろう。後は時間が解決するというのなら、気長に待つしかない。
「よろしい。それはそうと、帰るという話だったが‥‥‥道中、白牙狼の群れと当たるだろう。奴らは体に魔力の鎧を纏っている。こちらも攻撃に魔力を乗せないと当てることすら不可能だ。気を付けろ」
「はい」
聞いたことの無い魔物だったがつい先程死にかけたせいか、不思議と死なない自信がある。勝つ自信はないが。
「先手必勝、最短距離で下るぞ」
「え?ちょ、待っ‥‥‥」
不意に腕を引っ張られ、体が宙を舞う。ちなみに廃坑の入り口があるのは砂も落ちるような急斜面で、来た時は歩ける傾斜の場所から延びた道を通ってきた。
(まずいまずいまずい!少しでも足が遅れたら死ぬっ!)
ほとんど自由落下の中で無我夢中に足を前に出し続け寿命を引き延ばし続ける。
「足元を気を付けるのも大事だが、そろそろ前も気にしないと無防備なまま突撃することになるぞ」
少し傾斜が緩くなってきたと思ったところに横から余裕のある声で忠告されて顔を上げると、降りる前には見えなかった白銀の狼の群れに突っ込もうとしていた。
(もうやるしかない!直線上の奴らを一発で斬って後は知らない!)
腹を括って短剣を大きく振りかぶり、魔力を指から刃にかけて集中させる。魔物の知能でもこの崖のような坂から敵性存在が迫ってくる訳がないと理解しているのか、身を隠さずとも逆に気付かれそうにない。
「うおおおおおお!」
衝突寸前の至近距離まで迫ったその瞬間、体ごと投げるように上体を捻り、腕の振りも乗せて短剣を上から真下に振り抜く。
一緒に解放した魔力は切っ先の軌道そのままに弧を描いて、かなりの速度が出ている筈の自分よりも速く狼の群れを真っ直ぐ突き抜けていった。
その後に己も開かれた道を通って群れを脱出し、砂埃を巻き上げながら足を止める。振り返ると胴体を真っ二つにされた狼が黒い砂のように消え始めていた。
(突破できた、それで次は‥‥‥)
「中々上手く勢いを乗せたな。面制圧力は少し物足りないが」
あの急斜面のどこで速度を落としたのか、いつ魔法を使ったのか、リンドルさんは一面を氷漬けにした道を歩きながら魔法の分析をしている。
「んなっ‥‥‥!」
背中に残した氷が溶けるとそこには魔石だけが地面に落ちて、全てが溶け切った跡地に狼はいなかった。全滅したのだと理解して、思わず声が溢れ顎が外れそうになる。
「驚くことは無い。貴様もいずれ出来るようになる。魔法におけるほとんどは経験が物を言うのだからな」
余裕のある声と涼しげな表情でそう話しているが、月光で無数の魔石が光るこの光景はそれで済ませていいものではない。
「うーむ、一体は残しておくべきだったな。白牙浪の特性を見せずに殲滅してしまったのは勿体無い」
(そんな繊細な使い方が出来る訳‥‥‥いや、出来るのか?)
リンドルさんは白い顎髭をさすりながら残念そうに呟く。規模の大きい魔法はその分細かい強さの調節がかなり難しい筈だが、この人を見ているとそれすらも簡単にやってのけそうだと感じる。
「やってしまったものは仕方あるまい、帰路に戻るぞ」
切り替えて帰路に戻るその背中の方向には、放置された魔石の群集が残っている。
「魔石は回収しないんですか?」
「この量を拾うのは骨が折れるからな。明日のことを考えれば、ここで時間を食うのは惜しい」
「そうですか‥‥‥」
さっさと帰ろうとする背中に尋ねると、まあその通りな答えが返ってくる。確かに、遠くまで散らばっている反射光の所まで行って拾い集めるのは大変だ。そもそもこの人はレニーの統治者なのだから、わざわざ真面目に拾う程お金に困っていないのもあるだろう。
「欲しければ拾ってもいいぞ?」
「いえ、魔石は倒した人の物なので」
人の手によって落ちた魔石を拾う程生活に困っている訳ではない。
「なら帰るぞ。貴様もいずれ面倒だと思う時が来るのだから、あまり勿体無いと思わないことだな」
「分かりました」
一瞬だけ本音が垣間見えたが、自分も同じように思っているので人に言える立場ではない。少し躊躇いはあるが、帰る選択に同意して後ろをついていった。
「これからは街の統治者の家の者となる。あまり厳しくは言わないが、相応しい立ち振る舞いを頼むぞ。これは信用の問題でもあるからな」
「‥‥‥頑張ります」
◇
翌朝、煉瓦造りの屋敷の三階、薄暗い部屋に淡い光が差し込んだ。やけに重い布団に阻まれつつも寝不足な体を起こす。
ぼやけた視界を擦ると、長く使われていなかったのか埃が取り切れてない部屋がはっきりと映り、窓の外では広い庭に風が吹いていた。
(ああそっか、昨日この街のお偉いさん‥‥‥リンドルさんに拾われて、こっちに住むことになったんだった)
質の良い服を纏った自分の身に視線を落とすと、昨日の記憶が掘り起こされてつい溜息を吐く。かなりの高待遇だったし、頭では受け入れているが、最近の二転三転と変化する生活に体がついていけていない節があったからだ。今日も村を出る前と比べて怠さが残っている。
(顔洗いたいけど‥‥‥どこに行けばいいのやら)
記憶が正しければ、実家は平屋とはいえ村の中でも大きい方だった。それが少なくとも十軒は窓の外の庭だけで建つだろう。
加えて三階建ての屋敷となると、案内無しで水場に辿り着くのは難しい。変に出歩いて迷子になるより、誰か来るのを待っていた方が良い。
(そんな丁度良く来る訳もないし、だからといって何か暇を潰せるものがある訳でもない。まあ、少しくらいのんびりしてよう)
寝起きの気怠さに連れ込まれるようにベッドに倒れ込み、木目の天井を眺め、無意識の赴くままにぼんやりとした時間を過ごす。
―――コンコン
「‥‥‥はい」
どれくらいの時間が経ったのか、いや大して経っていないと思うが、扉を叩く音が聞こえて霧散していた意識が自分に戻ってくる。
非常に悪い反射神経で言葉を返し、扉を開けると使用人姿の女性と目が合った。
「旦那様の申し付けで参りました。朝食の時間ですので食堂まで案内致します」
「ああ‥‥‥ありがとうございます」
使用人の女性は金髪に黄金の瞳を持っているが、表情が固いせいなのか妙に濁っている気がする。何か嫌な事でもあったのだろうか。
とは言え初対面でいきなり尋ねるような失礼な真似は出来ないので、気付いてないふりをして後ろをついていく。
深夜に通った時は暗くて分からなかったが、床一面に赤のカーペットが敷かれており、所々の装飾もあまり詳しくないが豪華でお金がかかっているのを感じる。
そんなことを考えながら鑑賞気分で楽しんでいると、あっという間に食堂の前に着いてしまった。窓の景色の低さから見るに、一階らしい。
「こちらが食堂になります。朝食をお出ししますので、お好きな席に着いてお待ち下さい」
「はい、ありがとうございます」
使用人の女性は食堂の奥の厨房へ姿を消し、落ち着いてから一人で長い食堂を見渡す。
一本の長机が左右に伸びて、無数の椅子が綺麗に並べられている。使用人がいるとはいえ、個室やらとは別でこんなに広い場所を作って、そこで食事をとる必要はあるのかと考えてしまうのは、貧乏人の発想なのだろう。
(誰かいるかな?というかリンドルさんの申し付けって言ってたし、本人がいないことはないと思うんだけど‥‥‥)
そう思って食堂の中から今一度全席に目を通すが、やはり誰の姿もなく、厨房からの作業音だけが響いて聞こえた。寂しいような違うような、なんともいえない気持ちになりながらも近くの席に座り、朝日の差し込む方を無心で眺めて料理を待つ。
朝露の反射する庭の芝生から所々に小さな花が顔を出して、一色の草むらに小さな色を付けている。その色の数をなんとなく数えて時間を潰す。
(草、花‥‥‥懐かしいな。後で久しぶりに遊ぼうかな)
別にどこにでもある景色だ。けれど記憶が目の前の緑に二つの影を映した。それは未だに過去を拭えていないことの表れかもしれないが、今はまだそれでも良い気がする。取り敢えずは、思い出に浸りながらまた花冠を被ろうと決めた。
「お待たせ致しました。こちらが朝食になります」
「ありがとうございます。いただきます」
さっきまでよりも少し穏やかな気持ちで、何度目かのお礼をしてサンドイッチを口にする。少し、懐かしい美味しさを感じた気がした。
「‥‥‥お口に合いましたか?」
「はい、美味しいです」
「‥‥‥そうですか。良かったです」
素直な感想を穏やかな感情のままに答えると、相変わらずの無表情ではあるが、使用人の女性の雰囲気も少し柔らかく見えた。
「朝食後は旦那様が工房で待っておりますので、そちらに案内します」
「工房‥‥‥ですか?」
なぜ工房に呼ばれたのか、というかなぜ家に工房があって、何の工房なのか、聞きたいことが渋滞して一つの質問になってしまった。
「旦那様の趣味だそうです。私もそれ以上は分かりません」
「あ、そうなんですね。じゃあ本人に聞いてみます」
「お力添え出来ず申し訳ございません」
「え?あ、いや、そんな頭を下げるようなことじゃないので‥‥‥あっ、朝食ありがとうございました。ごちそうさまです!」
使用人としては謝るべきなのかもしれないが、そこまで気にしていないことに対して年上の女性に頭を下げられるのは居心地が悪い。どうしようかと思ってふと目に入った残り一欠片のサンドイッチを食べきって話をすり替え、顔を上げてもらった。
「食べ終わったのでリンドルさんの所に行きましょう。案内お願いします」
沈黙の時間を作らないように急いで立ち上がって出口に向かう。
「‥‥‥かしこまりました」
(あ、笑った)
そんなに可笑しかったのだろうか、ここまでほとんど表情が動かなかっただけに、ほんのり口角が上がっただけでも鮮明に見える。
先導するために前に出る時にはもう元の表情だったが、一度違う表情を見たために後ろ姿でもかなり印象が変わり、その背中は何か悪いものが取れたように軽やかだった。
(それはそうとして工房か。純魔石でもいじってるのかな?)
私有の工房で取り扱っているなら流出のしようがないし、万が一に流出しても原因を突き止めやすい。使用人が趣味としか聞いていないのにも説明がつく。
「工房はこちらから外に出てすぐ右に曲がって歩けば見えるとのことです。私はここまでの案内と命じられているので失礼致します」
「ありがとうございました」
示されたのは裏口の重そうな鉄の扉。ここまで案内してくれた使用人の女性に軽くお辞儀を交わして、彼女が立ち去るのを確認してから全身の体重で扉を押し開けると、そこは広い庭が左に見える森の入口だった。
ここから言われた通り右に進むと森の中、使用人の女性に扉をくぐらせなかったことも加味して、工房で純魔石を扱っているのを確信する。
そうと分かると気持ちが昂ってきて、自然と足が早く前に出る。石造りの建物が見えてからは、より拍車がかかった。
(ここが工房‥‥‥工房というより秘密基地みたいだな)
むしろ特別感が出て良いなと思いながら、木製の扉を叩く。先から強い魔力を感じるので、中で何かやっているのは分かっている。
『‥‥‥誰だ?』
「リグです。呼ばれたので来ました」
『すぐ開ける。少し待ってくれ』
リンドルさんの声が聞こえて応答すると、作業中なのか待つように言われて、次の瞬間に中から溢れていた強い魔力が引いていった。それと同時に扉が開かれ、リンドルさんが顔を出した。
「よく来たな、早速だが呼び出した理由を見せる。入りなさい」
手招きされて工房の中に入る。端材が軽く散らかっているそこには多種多様な武器防具の他にも採掘された純魔石や木炭など、この工房で消費する物と生産される物が並べられていた。
「もう気づいているだろうが、純魔石の取り扱いはここで私自身が行っている。そして今日はこれを渡すために呼んだ」
リンドルさんはそう言うと数ある武器の中から二本の短剣を渡してきた。
「普通の双剣では重過ぎるだろうからと少し短くして軽くしたが‥‥‥どうだ?」
「丁度良いです。‥‥‥ん?」
重さやと握った感覚は良い。鞘から抜いて銀色の刀身を見ると、ひび割れのような白い模様があるのだが、実際に割れている訳ではないし、知識がないのでこれが悪いものだと断言出来ずに首を傾げる。
「ああ、それは製作過程で魔石を混ぜると現れる特殊な模様だ。強度に影響は無いから安心して振り回すといい」
「振り回すって‥‥‥」
そんな乱暴な使い方はしない。
「早速だが実践での使用感を確認しに行こう。丁度良く盗賊の被害報告が入っているしな」
「えぇ‥‥‥」
そんな都合の良い話がある訳ないと言いたいところだが、リンドルさんは機敏な動きで後片付けをしており、聞く耳を持ってはくれなさそうだ。
「‥‥‥分かりました。じゃあどこに行くのかだけでも教えて下さい」
「アグルメリア王国辺境都市アラクシスまでの街道、ここから南に向かう唯一の道だな。それ故に迅速に対処してくれとの話だ。私個人としては、内乱真っ最中の国との道など封鎖してしまいたいのだがな」
「一応、理由を聞いても?」
「賊でなくとも、戦火から逃れてきた者がちょくちょく問題を起こすのだよ。その度に民との間に軋轢を生むだから、対処が面倒でならない。加えて今回のように、内乱で忙しいからと盗賊の対処を押し付けられたりもする」
ため息交じりに話すリンドルさんの態度を見るに、本当に気に病んでいるのが分かる。身分が高いと、高いなりの悩みもあるようだ。
「先に言っておくが、相手の出方次第では殺し合いになる。私がいる限り死ぬことはないが、殺す覚悟は決めておきなさい」
「‥‥‥はい」
当たり前だが、気乗りはしない。魔物や他の動物ならまだしも、自分と同じ人間を手にかけるのは正直怖い。相手にもそれまでの人生があって、望んで盗賊になった訳じゃないのかもしれないと考えたら尚更だ。
「貴様は頭が良いから、考え感じるものも多いだろう。だが殺しは思考を放棄した方が良い最たる例だ。何かを考えているのか普段から表情が暗いのだから、今くらいは考えることをやめろ。なに、そこらの大人だって大して何も考えていないのだから、少しくらい問題無い」
「そういうものなんですかね」
「そういうものだ。所詮は自分の知っている世界でしか物を測れん愚かな生き物、使用人にあそこまで丁寧に接するのは大人を含めても貴様くらいだ」
過去に何かあったのか、元から口が悪いところに拍車をかけるように毒を吐きまくる。
しかし、分からなくもない。躊躇なく処刑が決められたあの時に、うっすらと今言われた通りのことを感じていた。
「さあこの話は終わりだ。外に出るぞ」
「軽装過ぎませんか?もっとこう、防具とかは‥‥‥」
リンドルさんはローブ片手に工房を出ようとするが、工房内には色々な大きさの防具が並べられている。それらを一つも身に着けずに戦うというのは理解し難かった。
「まあ見てなさい」
そう言うとナイフを取り出し、ローブに突き刺された。しかしナイフが貫通することはなく、ローブ越しに刃の部分を握られても切れる様子はない。
「このローブは特殊加工を施している。ゆえに強力な魔法でもない限り傷一つ付かない」
「なるほど‥‥‥確かにこれなら重い防具を着る必要はないですね」
「そういうことだ。分かったら行くぞ。貴様の分は後で渡す」
「あ、ちょっ、待っ‥‥‥」
まだ他にも聞きたいことがあったが、止めるよりも先にリンドルさんは外に出てしまった。自分も急ぎ後にする。
「ここに用があったらいつでも申し出なさい。私同伴でないと使用できないからな」
石壁に手を付けると、そこから広がるように分厚い霜が工房を白く染める。放たれる魔力と冷気は不意に触れれば瞬間的に火傷する確信がある。
「後は入ろうとした者から皮膚がボロボロになる。私が死なない限り溶けることもないから気にせず遠出できる」
(怖‥‥‥)
「もうじき出発準備も終わるだろう。表に出るぞ」
淡々と容赦ないことを言ってそのまま話を切り替える様は、感情があるのか心配になる。勿論、あると分かっている上での話だが。
そんなリンドルさんの後ろを追って屋敷の正面門に辿り着くと、十数名の使用人が馬車周りで荷物の運搬をしていた。どうりであの広い屋敷の中で人とすれ違わなかったのに清掃が行き届いていたわけだ。
「おかえりなさいませ旦那様、丁度出発の準備が整いました」
「ご苦労。留守の間も任せたぞ」
「かしこまりました。お気を付けて」
「ああ、行ってくる」
「リグ様も、お気を付けて」
「え、あ、はい。行ってきます」
いつの間に聞いたのだろうか、俺の名前を知っている使用人の老婆と少しだけ言葉を交えて荷台に乗り込み、馬車はゆっくりと動き出した。