切られた右手
今、かばんの中に妻の右手が入っている。手首まで切断されていたその手からは赤い血が流れていて、指にキラキラ輝く僕が妻に買ったマッチングの結婚指輪がまだつけてある。
家へ向かう僕は周囲の人が僕のことを全然気づかないとわかった。
「なぜだ。皆は気づかないふりをしているのか?」
歩けば歩くほど、周りの人々が僕をまるで幽霊を見たかのように驚き始めた。僕は段々と緊張してきた。
そう思っていたら、いつの間にか家の前に着いた。家に入ろうと思い戸を開けようとした瞬間、誰かが開けた。開けた人は妻だった。黒いビニール袋を持た彼女はもう一度確認するかのように袋を開けた。その中には死体があった。右手がない僕の死体。
作者の二番ちゃんです。話に書いていなかったこと、詳し書いていなかったと思う人はいると思いますが、そこは読者の皆様に想像してほしかったからです。
よろしくお願いします。