pork-poke-past
過去に向かって撃て!豚め!
ヒロシイザワを出てからも土地を幾つか回って領主たちに立場をわからせていった。
少しずつ北上しているのだが、山の多かったヒロシイザワと違って、雪深くともまだ比較的暖かい気候な土地ばかりで、米がやたら旨い土地ばかりだった。
癖歪み忍者ライ麦畑が米米うるさいのもわかろうと言うものだ。領主一族はもっとデリシャスだったがな。
戦力が低下するかもとも思ったのだが、高レベルオッサンより低レベルオジョウサンの方が体力的に役に立つ場面多いとの事で安心して彼らを搾っていった。
人材も若い血に置き換わっていって健全な国家運営が出来そうである。若い上に経験ほーふなのだからとても需要があるね。喋り方もなぜか古臭いので需要マシマシだ。
「納得いく跡継ぎが産まれるまで延々試行出来て良いかもねこれ。余ったのは優秀な冒険者としてダンジョンを開拓して貰えば良いし」
これに対して恐るべき邪聖少年ビューティーはそう宣った。人をまさしく財として見る恐るべき王様である。無闇に若返らせたり子供増やしたりするべきではなかったのだろうか。
「蜜蜂薄荷と楢の民の知識のおかげで食料には困らないから大丈夫。人口が今すぐ6倍に増えても余裕あるよ」
すげぇな。まあ、飢えなきゃ善いか。栄達したいだとか自己実現したいだとかは個々人に頑張って貰うとして。愛されたいとかだったら俺がいるから問題無いしな。
心身共に満たしてやる。ドロドロというか、白濁な感じのそれで。
「ピギィ。B-T氏。次の村が、約束の地です」
んあ、ソテー氏が旅に同行する理由だったなそういや。しかし、楢の民こと無食子の連中の知識ってなんだろね?ドングリの美味しい食べ方とかか?その可愛いどんぐり眼は確かにペロペロしゃぶりたいけどよ。
「肥料と農法ですね。畜産も少々」
ほぼ全部なんじゃねそれ。
「いえ、流通や工場何かは完全にリボルバー氏の分野ですし、我々の持ってるもので彼ら蜜蜂薄荷が持ってないものはほとんどありませんでした。所々、知識の歯抜けを埋めた程度です」
ふむ。知識の差し歯だと。それは鋭そうだな。知識で噛むのか。インテリジェンスにガブリと。インプラントで。実にインタレスティング。
「うふふ。B君兄様、頭は善いはずなのにビックリするくらい悪いですね」
そりゃ悪漢にして悪魔だからな。最近悪神にもなったし。この世の三悪を統べる男だぜ。
「義兄教父様、悪趣味も加えて四悪です。四悪趣」
「ぶふふぅ」
《死神》エリーゼの発言にマッドアルケミストグルメが吹いたので今日の晩御飯はこいつにしようと思う。発酵がお好きなようだから、なれ寿司にしよう。前に寄った土地の名物で、匂いは苦手だがあれなら美味くて俺も食えた。
「たっぷり漬け込んで乳酸発酵してやるよぉぉぉ」
「ヒィィィ!お米が炊きたてぇぇぇ!」
明日には着く、ダンジョン育ちのソテー氏の思い出の土地。ってことは、そりゃつまり元・郁子にして夏梅バライロ=デイズと附子ビアンカ夫妻の土地ってことだ。
どうにも、推しカプのハッピーエンドが観たくて堪らないタイプらしい。お宅も難儀な性格だねぇ。