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アイアイ

妙高(みょうこう)、その小説な〈その小説〉じゃピンとこないからタイトルつけようぜ。タイトルを忘れた責任を取れ。」

 周治は妙高(たえたか)妙高(みょうこう)と呼ぶ。 名前の由来は妙高(たえたか)の祖父が旧日本海軍の重巡洋艦妙高(みょうこう)に乗っていたからだ。

「お前の名前はかっこいいよな。俺は連合艦隊の(ふね)の中じゃ妙高・那智・足柄・羽黒が好きなんだ。俺の名前なんか偶々(たまたま)中国古代王朝〈周〉の頁が開いていて、閉じようとしたら日本の明治時代になったかららしい。滅茶苦茶いい加減だろ。」

 周治は自分の名前が嫌いではない。名前の付けられ方が気に入らなかった。

「俺は偶然つけられた名前っていうのは好きだな。偶然が名前として残る、記録に残るなんて滅多にない面白いことじゃないか。タイトルは『愛なき世界』、サブタイトルが『AI(あい)の世界』でどうだ。」

 妙高は記憶の中にある小説に表題と副題をつけた。

「 それでサブタイトルの〈あい〉は漢字の愛なのかアルファベットのAI(エーアイ)なのか、どっちの〈あい〉だ。」

AI(エーアイ)だよ。」

 周治の問いに妙高は答えた。

「略すときは『愛なき…』か 『愛AI(アイアイ)』か、こっちはどうなんだ。」

 周治がそう言うと妙高は

「〈アイアイ〉でいいんじゃないか。」

と真面目な顔で答えた。

 それを見た周治はブハッと大笑いをして、

「それで行こうぜ。」

と言った。

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