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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

今日から学校と仕事、始まります。②莞

斬新過ぎるテスト改革

作者: 孤独
掲載日:2020/03/13

テストどころではないし、仕事どころではない。

現実的に人が足りてて成り立つ法律、制度。それを無理矢理不可能なのに、遣り繰りするとどうなるかって。そりゃあ、言わなくても分かるものだ。


「近頃ね。働き方改革とかできているんでね。学校でも実践しようと思います」


伊賀先生はそういって、明日からの期末テストの制度を大改革。

三日間、生徒達はなんちゃってブラック企業を体験するのであった。



◇        ◇


「それでは、テストを始めます!」



ガララララララ


その放送は学校内、学校外にも伝わった。そして、正門と後門が同時に開くと生徒達は雪崩れ込んできた。ある者は自転車を押して、ある者は教科書を読みながら、ある者は全力疾走で教室に向かう。

一同



「もうテストが始まってんのかよ!?」

「まだ、教室にも入ってないんですけど!!」


一時限目のテストは体育なんだろうと、勘違いしたくなるスタートダッシュ。ほぼ全校生徒の全員が、一気に学校に入っていくだけで危険過ぎるのに、もうテストは始まっているという地獄。

その上


「なんの科目のテストかも分かんないなんて、聞いてない!」

「準備もクソもねぇ!!」



クラスでなんのテストがされるのかも分かっていない。そんな生徒達に、伊賀先生は放送で


『あのね。仕事というのは予測できない事にも、冷静に対応しなきゃいけません。範囲の分かっている問題なんて、暗記すりゃいい簡単なことです』

「仕事と学校を一緒にすんなよ!!」

『このやり方の方がもっと勉強しなきゃ、良い点とれないでしょ?』


ドタバタしながら、生徒達はそれぞれの教室、それぞれの席につく。

1限目のテストは一体なんだ?机にテストが置いてあるかと思いきや、一切、何もない。時計は進んでいるというのに……



「クラスのみんなが着席しないと、テスト用紙は配りません!」

「いや、テストもう始めてんのに!?時間だけ流れてんのに」

「どーいうこと!?」

「カンニング、不正防止です!!」

「このテスト方法事態、インチキだろうが!!」


時間は進んでいる。


「学校での生活には、チームワークが不可欠です!!これからのテストはお互いに協力する意思を高めないといけない。協調性も求めようと思います!塾や通信教育する人達が有利過ぎるし」

「チームワークなんて言葉は、足引っ張ってる奴を助ける意味だろうが!!」

「こんなことで協力なんてできないでしょ!!」


朝からギャーギャーとテンヤワンヤ。時間だけ過ぎているのに、テストが配られたのは開始から20分後。残り25分でどうやってテストと向き合えって……


「淡々とテストを解いてください!」


生徒達の多くはキレながらも、黙ってテストに向かう。確かにテストにかける集中力は増えたが、肝心の時間が足りなすぎる。または全力疾走に疲れて、一限目から寝ている生徒もチラホラ。もう、このテストは諦めようとする者もいる。

何が、淡々とだ。淡々とやる時間をよこせや。



「はい、テスト終了!」


はぁ~~っと、……慌ただしい、テストが終わった。結果の多くは残念だったが。休憩、休憩


「次のテストを始めるよ」

「へぁっ!?」

「ちょっと!?」


5分休憩もクソもなく。次の科目のテストを配り始める伊賀先生。曰く


「教師の残業多いんで、休憩なしでテスト!教師はいつも休みなんてないんだよ」

「いやいやいや!!」

「お前等の残業と俺達のテスト関係ねぇだろ!」

「じゃあ、いいよ。でも、テストはもう始めちゃうからね」

「”学力”が落ちますよ!」


そういう言葉を待っていたかのように、伊賀先生は言った。


「学力?そんな力を活かした仕事なんて、数えられるほどですよ。仕事ってのは、環境が第一であり、我々人間の身体が資本。例えば、受験のために365日勉強しても、受験日にインフルエンザになって受けれなかった人間はホントに有能でしょうか?」


たられば理論


「甲子園の土を踏めずに、3年間頑張った高校球児を讃えますか?結果を出せないのに努力する者を、君達は褒めて金を出しますか?環境に適した生物が時代を生き抜いた歴史が語るように、君達はこれからの未来に適応しなきゃいけない」


んなこと言われて


「うるせぇーー!やってられっか!!」


激怒の声が上がるのも、当然。


「構いませんよ。テスト時間だけが過ぎていきます。いつものテストシーズンよりも、1時間は早く学校は終わるでしょう。今帰って、明日の勉強をするも、良しです」


生徒の自主性も尊重。尊重だけして、成績は普通につける。

こんなテスト方法にしたんだから、全体的に学力は低下したのは事実。

ただし、生徒達が未来の社畜としての適性が高まったと言える成果を伊賀先生は成し遂げたのだった。


働き方改革の実施はいいんですけどね。できたら理想って事。


仕事のミスが全体的に大幅に増え、前以上に残業とお客に迷惑を出している事実に。

普通の仕事をしろって言う、上からの指示。

普通の仕事量じゃねぇーんだよ。っていう現場。


今までサービス残業で守ってきた、安全や信頼、昼飯を、法律一つでぶち壊すのはどうなんでしょうかね。人員が足りていないのに、法律がー……ですからねぇ。仕事内容を見直すなり、人の配置と補充を考えてからにして欲しいもんです。



業務効率化を考えると、どうしても確認作業を省くんですよね。その確認作業。車の運転で言えば安全確認や運転に関わるところになります。それは運転手自身や、周りの運転手、住民にも危険が及びます。法律を護らなきゃいけないのは事実なんですが、言ってる連中は現場の作業をあんまりしないんで、ずるいなぁって。それ以外の業務でも当然、確認作業を省くんで、仕事のミスに繋がって危ないんですよね。


妥協案として、労働時間の変更をお願いしているんですけど。経営的には、そんなことできないっていう。軽い交通事故やよくあるミスの補償の方がマシという発想なのも、ヤバイんでない?って思います。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ほほえましい光景ですねぇ。(笑) この程度で音を上げている様では、宇宙飛行士選抜試験には合格できやしませんからね。(笑) 「宇宙兄弟」とか「ふたつのスピカ」みたいなアニメでも見せて、「…
2020/03/13 21:49 退会済み
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