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転生するなら馬でしょ!  作者: 駄馬
第1章
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第4-6話

 ◎100日目

 いよいよ当日だ。別に負けたから旅立てないって訳じゃないけど、やはり区切りをつけたい気分だからな。

 前日に親父に挑戦の旨伝えてある。また、お世話になったブエナさんには挨拶をしてある。曰く『勝て』…流石ブエナさん。勝ってみせましょう!


『準備はいいか?』

『おう!』

 運動場位の広間で対峙する。親父ことアルハと若手四頭だ。ちなみに全員異母兄弟な。

 今回は本気度が伝わったのか審判役でブエナさんがいてる。


『始め!!』

 ブエナさんが嘶く。同時に走り出す四頭。まずは錯乱からだ。

 ジグザグ行動から交差して的を絞らせないようにする。

 対してアルハは動かない。迎え撃つつもりか?ならば好機!

『散れ!』

 指示と同時に四方に散る。ここからだ!

 セツラン、エルくんの方を見て視線で指示を出す。

『スキル【胞子拡散】(スポーリュレイト)タイプ【麻痺】(パラライズ)

『スキル【金剛】(コンゴウ)タイプ【鬣】(クレスト)

 セツランはわかり易く麻痺カビ菌をカビちゃんキノコからばら撒く。

 そういや以前カビちゃんからキノコとカビは同じ生態だと聞いた。どうでもいい。なんで思い出したんだ?まぁいいや。

 エルくんは(タテガミ)を利用出来るようになった。なんでも夢があってその為には鬣を使えなきゃダメらしい…恐らくアレ用だろうな…んんっ!集中集中。どうなった?アルハに効果あるか?


『フン…』

 カビ毒もあまり効かずか…


 ならばとエルくんが立ち向かう!巨体を利用したぶちかましだ。無論反撃を喰らっても大丈夫な様に【金剛(コンゴウ)】で体毛強化もしている…が、あっさり避けられる。それでも食らいつくエルくん。【(クレスト)】を発動させているので少しづつ鬣がアルハに絡み付いていく。

『良し!ペンペン!』

『了解!スキル【ペンギンフラッシュ!】』

 激しい閃光が辺りを照らす。無論初見のアルハには効果アリだ!

『スキル【妄像】(ディリューション)タイプユニコーン!行くぞ!チャンスだ!』

『『『『スキル【瞬脚】!』』』』

 四方向からの【瞬脚】による同時攻撃。駆け出したその刹那アルハが動いた。カビ麻痺毒、鬣の絡みによる拘束、閃光による目くらましを喰らってなお動くか…

『逃すかよ!』

 ブエナさんに鍛えられたストップ&ゴーが効く!急速転換で狙いを定め全員でぶちかます!!手応えあり!どうだ!?



 …土煙の舞う中悠然と立ちはだかるアルハ。


 マジか…これでもダメか。仕方ない不確定要素が盛りだくさんのプランBに移行しよう。


『一旦離れる!各自予定通り行動してくれ!』

『あい!』

『怖いよー』

『もういっちょやりますか!』


 プランAが聞かなかった場合の時を想定して、その後の行動を事前に決めていた。動揺はなさそうだな。後はオレ次第だな…


『…スキル【妄像】(ディリューション)タイプ【麒麟】(キリン)

 周辺のマソを感じ取り、体内に取り込む。更にマソを電気エネルギーとして変換し、角の部分に蓄電させるイメージ。変換イメージが上手くいかず中々完成できなかったんだ。でも、追い込まれた今なら出来るはず。よく言うでしょ?「アナタはやれば出来る子」ってね!


『ぬぐぐぅ…うががぁ…』

 イメージ変換に恐ろしく時間がかかる…集中を切らすとあっという間に霧散してしまうのだ。マソの扱いの技量(レベル)がまだ低いのが原因だろう。もっと経験値を貯めたかったか仕方がない。ピンチになると〇イヤ人の血が騒ぐ的な事に期待するしかアルハには勝てない。


 その間にも仲間達は攻撃を仕掛ける。だが、決め手にかけ逆にカウンターを食らいダメージを受けている。

『ダバさんまだれふか?そろそろやばいれふよ』

『ハァハァ、オトコは嫌だよ』

『ピカり過ぎて父さん慣れてきたよ』

 もうちょい持ってくれ。〇気玉じゃないけど発動できる量に達してない気がするんだ!


『フン…待ってみたがこの程度か。少し期待したんだがな。変な力と兄弟を使ってもこの有様。その程度の力でお前は何をしたいんだ?むざむざ死にたいのか?』

(うっせー!返答する余裕なんて無いんだよ!)


『返事もなしか…もういい。蹴散らして終わりだ。お前達の旅立ちは無しだ』

 終わらせようとするアルハ。仲間達も限界に近く動けそうにない。ならば…今しかない!

『待たせたな…親父よ』

 足りない気もするが大丈夫だろう。

【砲雷】(トニトゥルス)!』

 蓄電された角からアルハに絡み付いた鬣に向けて、主電撃が発現する!鬣を伝いアルハに直撃!


 辺りに漂う髪の焦げた匂い…雷速で迫る電気エネルギーを交わすことは不可能な為(多分)直撃の筈だ。電圧が弱い為死ぬ事はない筈。精々、火傷か痛みによるショックがある程度だと思う。だから追撃が必要なんだ…が、動けない。

『はぁ…はぁ…呼吸が…うまく…出来ない』

 緊張と集中によって過度のストレスを受け、さらには体内マソ迄も放電に使ったので一気に虚弱化したのだ。


 煙の中からアルハが出てくる。

『末恐ろしいヤツだな。天災すら操るか…』

 首周りに火傷らしき跡がある。ダメージは受けた様だが、ダメだ。

『終わりか?』

 ゆっくり歩いて近づくアルハ。

 《力…い…か?》

 意識が遠のく…

(なんでもいいから勝ちたい!あと少しなんだ!)

『まだお前らには早いってことだな』

 《俺に……せろ》


 オレはブラックアウトした。

読んでいただき感謝です。<(_ _)>

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