第4-4話
『来やがれ!!!!クソゴブリン共!』
振り向き叫んだ瞬間!後方から黒い影が三体飛び出してくる!
『へ?』
見慣れた三体の馬。セツラン、エルくん、ペンペンの仲間だ。
『お前ら!どうしてここに?』
『そんな事はあとれふ!まだ闘えますよね?』
『さっさと立って!萎えてたらダメ!』
『ししょー!さっさと立たせる!男が廃るよ!』
(何言ってんだこいつら……くっっはははっ、なんか笑える)
こんな状況なのに若干下ネタを含ましてくるのはオレの洗脳のせいだ。なのに力が湧いてくる!
『馬鹿野郎!立つに決まってんだろが!ヤってやるよ!』
『真ん中の奴は任せまふよ?』
『ボク達は他の組を片付けるね!』
『ししょーの見せ場は置いておく!』
『オメーら、空気読めるな…流石や!任しとけ!』
他の9体はセツラン達に任せてオレはリーダーに集中だ。タイマンならこの状態でも負ける気がしない!好き放題やってくれたお返ししなきゃな!
笑みを浮かべながら指示を出す。
『中央リーダー格はオレがやる。右翼はセツラン、左翼二組をエルくんとペンペンで対応。相手はゴブリン三体の一組だ。注意すれば問題ない、ただ合流されると厄介な事になって、オレみたいになるから各個撃破で頼む』
『『『応!!』』』
第二ラウンドスタートだ!!!!!
~セツラン戦〜
『よくもダバさんを…殺るれふよ!スキル【胞子拡散】』
説明しよう。スキル【胞子拡散】とは、カビちゃんと共生しているセツランならではの固有スキル。カビちゃんキノコを媒体とし、胞子を拡散させるキノコならではのスキルだ。まだまだ毒性の強い胞子は造れないが、可能性の高い事が伺える。
胞子が拡散しゴブリン達にまとわりつく。
『****!』
呼吸器系から体内に混入し呼吸困難にしていく。
『動きが鈍ったれふね?とどめれふ!!』
間合いを詰め苦しんでる三体に致命傷を与えるセツラン。完勝だ。
『良し!いい感じれふ♪』
〜エルくん戦〜
『全くダバ兄は一人で抱え込んで問題起こすんだから…ボク達が居ないとね!さて、殺るよ!スキル【金剛】』
説明しよう。スキル【金剛】とは体毛の硬化だ。元々他の馬より体躯が大きいエルは体毛を強化し、圧倒的な防御力を手に入れた。
ゴブリン達が攻撃してくるが全く効果がない。逆に武器が壊れる始末。
『うっし!サクッと踏み潰してあげよう。いたぶるのは好きじゃないからね』
巨体を利用し、問答無用で踏みつけるエルくん。
『ペンちゃん大丈夫かな?』
〜ペンペン戦〜
『ししょーらしくないなぁ。あんなヤツらに手こずるなんて。弟子の成長を見せ付けてやる!スキル【ペンギンフラッシュ!】』
説明しよう。スキル【ペンギンフラッシュ!】とは、周辺のマソを胸元に集め一気に発光させる技。ペンギンに意味は無い。ただ好きなんだ…現状ここからの派生に悩んでおり、成長が止まる可能性高い。だが、お気楽なペンペンは気にせず、『なんとかなるっしょ』とポジティブに進む。
強烈な光がゴブリン達の視覚を潰す。単純なだけに効果的だ。
『ピヨったな?前脚の一撃を喰らいやがれ!』
前脚での前蹴りだ。ヤクザキックとも言う。吹っ飛ぶゴブリン。
『フン!こんなもんだろ?』
自分の役割を果たし、周辺を確認するとピヨってるエルくんがいた。
『左目がぁ〜左目がぁ〜…ぺんちゃんひどい!倒したあとだからいいけど、最中だったら被害者だよ!もう!』
『ごめんごめん、張り切りすぎた。てへっ』
『ったくもう』
〜ダバ戦〜
『…………アイツらオレより強くね?いつの間にあんなスキルを習得したんだ?』
置いてきぼりのダバ。どうやら秘密の訓練をしてた仲間達。
『フッ、ちくしょう!負けてられっかよ!』
自然と笑が浮かび、やってやると気合一閃!しかし身体はズタボロのまま。戦えても一撃だろうと理解した上でゴブリンのリーダーに向かう。
『ここで使えなきゃダメだろオレ!スキル【妄像】』
説明しよう。スキル【妄想】とは、前世の記憶を持つダバだけの固有スキルだ。妄想の内容によって結果が変わるが、まだ使いこなせず結果を表す事が出来ない。結果(妄想)が強すぎ、過程(変換)が追い付かない。ならばと今回は一部分のみに集中。
『タイプユニコーン!』
頭部が変化していき角が生えてくる!
他の三頭に比べて若干地味に見えるが、妄想次第で大きく変わるスキル。いずれ狙うのはアイツだ。MH〇で狩りまくったアイツになる事が現在の目標。しかし簡単になれる訳がなく苦戦し不貞腐れていたのが隠された真実。そんな事は忘れたかの如く吠える。
(良し!出来た!アイツにもさっさと成れる様にならないと、仲間に置いていかれるからな!とりあえず奴は殺す!)
『スキル【瞬脚】』
状況の変化が読めず狼狽えていたゴブリンリーダー。先程迄の余裕は消え次々倒される仲間達。逃げるべきかを逡巡した瞬間を狙われた。
ダバの乾坤一擲!重傷を負った脚を無理矢理動かしての一撃。見事リーダーの胸元に突き刺さり一撃を持って屠る。
『殺ったか…』
疲れと安堵のあまり意識が遠のく…
『…ちょっ…限…界…』
倒れ込むその顔は安堵しきった表情であった。
キリのいいとこまで連続投稿です|ω`)
読んでいただき感謝です。<(_ _)>