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転生するなら馬でしょ!  作者: 駄馬
第1章
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第3-6話

『は?…………なんでやねん』


 理解が追いつかない。セツランがカビちゃん食べたらキノコが生えていた。


 丁度耳と耳の間にだ。


 なんで?なんでもありなのか?いや、そういった現象がこの世界にはあるのか?そういやどっかの海賊王は一度生えていたな。いや違う、現実逃避しちゃダメだ!男なら生えてていいのか。。。


 よし、冷静になろう



『セツラン!キノコが生えたが大丈夫なのか?頭はおかしくないか?』

 聞き方が悪いが他に言いようがない。身体からキノコを生やした生物なんて冬虫夏草しか知らん。むしろアレは寄生されてるしな。

 セツランは表情からは平気そうだが、普段の切ない感じがなくなりなんだか嬉しそうだ。


『大丈夫っすよ〜。ちょっと共生させてもらったっす』

『!?…その間の抜けた話し方はカビちゃんか!?』

『間の抜けたって…ひどいっすね!』

 カビちゃんだ…


『カビちゃん、セツランの脳を乗っ取ったのか?だとしたら…』

 事故とはいえ仲間を乗っ取られるのは捨てていい事では無い。ヤられるならヤるしかない。


『物騒な物言いはやめて欲しいっす。食べられちゃったんで仕方なく共生してるんすよ』


 先に手を出したと言うか食べたのはセツランだしな。セツランの意識が残っているだけマシか。


『…仲間が申し訳ない事をした。代わりに謝るよ。すまなかった…しかし、綿毛からキノコに変体出来るんだな…カビだからか?』

『そうっす。オイラはある意味無敵の存在っす。この世界のあらゆる所に居てるっすからね。老いもなく、死ぬ事もないっす。全ての菌の除菌は不可能っすよ。でもまぁ出来ることは少ないっすけどね。群体で行動した時に寄生が可能な事ぐらいっす』


 カビちゃん最強説浮上だ。


『そ、そうか…さすがカビちゃんだな…』

 エッヘン!とそんな感じを醸し出すカビちゃん。


 寄生されたセツランはニコニコしている。友達が出来た感覚なのかな?

『セツラン、何でもかんでも食べるなよ?そのうち腹痛起こすぞ?』

『うん、わかった』

『お?セツラン話せるようになったか?』

『何となくわかる気がした』

 カビちゃん効果かな?寄生されて知能が上がるもんなのか…まぁいいや。そういう事にしておこう。


 話してるとリーヴァとブエナさんが寄ってきた。

『ブハッ!!!アハハハハハッ!』

 リーヴァ、セツランを見て爆笑。

 ブエナさんは頭を傾げて、なんだこれ?的な表情だ。気持ちはわかる。


『ぷぷぷっ。なんなのコレ?なんで頭にキノコ?あはははっ!お腹痛くなるよ!』

 ツボった様だ。めんどくさいからキノコ食べたらキノコ生えたにしておこう。


『はぁ〜、変なキノコもあるんだね。触らないようにしよっと。さて、私は郷に帰るわね。ダバが独り立ちするのはいつかしら?』

『少なくともまだ数ヶ月はかかると思う。身体の成長と、ある程度の生存力がないとオレ自身が不安だ。親父に教えてもらいたい事も増えたし』


 親であるアルハはこの界隈では名が知られていると言う。ならば師事するのは当然だ。鍛えてもらおう。その上で許可を貰い、世界に旅立つのが当面の目標だな。


『それに、今後の目標も決めたんだ。リーヴァから世界の話を聞いて見て回りたいと思ったんだ。その旅に付き合ってくれるか?リーヴァ』

『世界を回るの?うーん…』

少し悩む様子を見せるリーヴァ。


『成長するまで返事はいいよ。一人前の馬になって挨拶に行く。その時に答えを教えてくれ。パートナーとして一緒に世界を回ってくれるのかを』

『私から声掛けたんだけどな…強引なんだから。背伸びしちゃって…フフッ。良いわよ。そこまで熱烈にアプローチ掛けたんだからいい馬になってよ?』

 少し頬を赤らめながら応えるリーヴァ。

『任しとけ!!』

 気合い十分で嘶くダバ。つられて嘶くエル、ペンペン、セツラン。

『え?お前ら付いてくんの?』

『もちろん』

 セツランが応える。ほかの二頭も同様に頷く。


『あはっ!楽しくなりそうじゃない』

 コチラもいい笑顔のリーヴァ。馬が増えても問題なさそうだ。


(コイツらには負けられないな…よし、刷り込み(魔改造)するか)

 ナビのカビちゃんがいる以上わからない事は少ないはず。ならば全力で強化をする。主に好み的(フェチ)な意味で。


 碌でもない事を誓うダバ。魔改造の結果どうなるかなんてこの時点では理解出来るわけもなく、後々後悔することになる。


『じゃあまたね』

 バイバイ〜と、手を振りながら森に消えていくリーヴァ。


『こっちも帰るわよ』

 ブエナさんが帰ろうと言ってくる。

 しかし会話が出来すぎるのがバレてしまった。今後の対応をどうすればいいか…

『アルハと話しなさい』

 悩んでいるとそう言ってくれた。さすが頼りになる大人馬だ。

『わかった。ブエナさんそうするよ』


 目標が決まった。仲間が出来た。

 あとはやるだけだ!


『みんな帰ろう!』

『うん!』



『…巻き込まれたっす』

 強制参加になったカビちゃん。

 色々酷使されそうな予感しかない。

キリのいいとこまで連続投稿です|ω`)

読んでいただき感謝です。<(_ _)>

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