第3-5話
『私のパートナーになって』
真顔で聞いてくるリーヴァ。
『ちょっ、いきなり過ぎやしないか?』
困惑気味のダバ。少女に押され気味だ。
『そう?いい提案だと思うんだけど?それとも私に不満でもあるの?』
胸を張りドヤ顔のリーヴァ。
敢えて言うならそのむ…ゲフンゲフン。。
『あってその日にそれはないだろ?パートナー契約ってのは、それなりに時間をかけるものなんじゃないのか?』
前世での記憶を思い出しながら答えるダバ。
(リーヴァは肉食系か?)
それなりにモテてた自信のあるダバは今後の対応策を考える。
ダバにとってリーヴァはパートナーとして良かった。女性であることはもちろんの事、会話もできるし、転生の事を話しても受け止めてくれている。ただ、自身の成長もまだなのに、さすがにパートナー契約は早すぎる判断だ。
(主導権を握られるのも困りもんだしな)
『話は嬉しいがオレ自身まだ子供だ。これから成長もし、巣立ちもするだろう。その時で良いんじゃ無いか?』
『まぁ確かにまだお子様だもんね。うーん…でも誰かに取られるのは勿体ないよね。うん、約束してよダバ。独り立ちする時にエルフの郷に来る事を』
『それでいい。郷の場所は親に聞くよ。親なら知ってるんだろ?』
『アルハでしょ?この辺りでは有名な馬よ。彼なら郷にも来るから大丈夫よ』
(さすが親父!)
『あ、仲間が来たわよ』
『ん?来たか』
振り向くとそこには巨大な馬がコチラを見下ろしていた。
『何してた!!!!!』
『ゴメンなさい!』
ブエナさんがめっちゃ怒ってる…
めっちゃ怖い!!!!
『独りになるな!』
『はい!!!!』
ビビりながら頭を下げる。
それを見て二タニタしているのがリーヴァ。
『ブエナって言うの?私が見てたから大丈夫よ』
『ありがとう、すまない』
『良いのよ。知らない中じゃないからね。アルハによろしく言っといて』
『わかった』
他の三頭が寄ってくる。エル、ペンペン、セツランだ。
大丈夫か?と顔をすり寄せてくる。
『ありがとな、お前ら』
その時、ふよふよとたんぽぽの綿毛の様な物が飛んできた。
(あれ?もしかしてカビちゃん?)
ふよふよ〜と俺の鼻先へ止まる。
『カビちゃん?』
綿毛に呼びかけてみる。
『ダバさんっすよね?カビっす』
『おー、夢だけど夢じゃなかったんだ!』
言ってみたかっただけだ。
ふよ〜と鼻先で浮かんでるカビちゃん。
『様子を見に来たっす。エルフをいきなりゲットとはやるっすね』
嬉しそうな雰囲気を醸し出しながら漂うカビちゃん。
その時事件は起こった
《パクッ》
『あっ…』
『えっ…』
セツランがカビちゃんを食べたのだ。
唖然とするダバ。なにかあった?といった顔の残りのの二頭。
『カビちゃん!吐き出すんだセツラン!!!』
『?』
良くわかってないセツラン。そのままモグモグと食べてしまう。
『あぁ…カビちゃん…大事なナビゲーターが…この!なんでも食べるんじゃない!子供か!子供だよ!』
『???』
セツランを怒ろうとするダバ。だがセツランの様子が変だ。
激しく頭を上下させ苦しんでる様子に見える。
『不味くて疝痛(腹痛)でも始まったか?カビ食ったせいにしては早すぎないか?』
頭を上下させ、激しく前掻きをするセツラン。苦しそうだ。更に頭をダバに擦り付けてくる。
(くそっ、どうすりゃいい?)
強く嘶き頭を上げるセツラン。
しばらくそのままの姿勢のままいてたが、ポコっと音がなりセツランが頭を下げる。
そこには…
キノコが生えていた。
読んでいただき感謝です。<(_ _)>