笥祇波(すぎなみ)の謎
「笥祇波さん、能力って言ってもどんな感じに説明したらいいかな?」
「あら、そんな事で悩んでたの?適当でいいわよ。それと私はあなた達と同じ2年生よ」
「え…………?」
少し時間が止まった、気がした。外見からして1つ上の学年だとばかり思っていたが実は同じ学年だという事にかなりのショックを受けた。
それとさっきから気になってたんだが笥祇波って喋り方がちょくちょく変わってるような気がする。気のせいかな?
「叉滾君!」
「はい!?」
「ぼっーとしてる暇があるならあなたの超能力を説明してくれない?」
「ご、ごめん」
そう言われ少し慌て気味に自分の能力について話す。終始、時塚は頭にはてなマークを浮かばせながら話を聞いていた。
そして俺の話が終わると笥祇波は少し笑顔になり俺に右手を差し出してきた。
「…………なに、これ?」
「叉滾君、入部おめでとう♪」
「………………はぁぁ!?」
笥祇波はそう言って部屋を出て行った。
色んな過程をすっ飛ばして勉強部に強制入部させられたという絶望感を抱えていると、横にいた時塚が急に部屋の扉を開けた。
「待って笥祇波ちゃん!私も勉強部入るよー!」
そう言ってダッシュで笥祇波を追っていく時塚を見て入部は免れないと諦めて部屋、もとい勉強部の部室の椅子に腰を下ろす。
「まぁ………能力について知っている知り合いが出来たって事で」
友達作りに一歩前進と、心の中で意気込む。
その後は特に何もなく家に帰ることが出来た。家に着くと弟の祟が玄関まで来てくれた。
「おかえり」
「ただいま………」
「兄ちゃん元気無いけど何かあった?」
「あり過ぎた」
「?」
そのまま俺は自分の部屋に戻りベットに倒れ込んだ。とりあえずわかっている事は勉強部という部活に入らされた事、それと……
「笥祇波ももしかして変な能力持ってんのか?」
その疑問が頭に浮かぶが、疲れているせいか思考はその疑問を手放した。
そして俺はそのまま眠りに落ちた。