『剣星衝突』
p15、剣星衝突
■概要
異世界魔法遊戯の種目の一つ。
第1回大会から行われている。
純粋な剣士同士の一対一。
魔法の使用は許可されているが、魔法の発動よりも速く剣での攻撃を行うため、大規模な魔法の使用は困難。
いかに、大規模な魔法を使う隙をつくるか。
または、剣術で勝負を決めるか。
当然のこととして、上位にランクインするメンバーは皆剣術に優れた者であり、魔法よりも剣術に重きを置いている者が多い。
そのため、この種目で上位をとるためには、極めて優れた剣術が必要不可欠。
互いに命をかけて殺し合うわけだが、事前に特殊な魔法が張られた結界内で戦うため、死後蘇生も可能。
■多用される魔法
【滑動】
一部分を一方向へスライドさせる魔法。
例えば足場に発動すれば、滑らかな動きで後ろへ動ける。
【衝撃】
相手を衝撃で後退させる魔法。
相手を後ろへ下げている隙に魔法発動の余裕ができるため、直撃は危険。
回避するためには、衝撃を上手く分散させた上で弾く技術が求められる。
【護盾】
盾を出現させる魔法。
大きな隙を見せてしまった際などに、相手の一撃を防ぐために盾を出現させ、ダメージを減らす。
【発光】
発光を引き起こす魔法。
目で剣を捉えるタイプの剣士に対しては有効だが、五感で相手の剣術を捉える上位の剣士に対しては微妙。
逆光を利用され、相手のつけ入る隙を生み出すことになってしまう。
【加速】
自身の動きを加速させる魔法。
■戦法
【香取剣術】
多用されるような魔法と剣術の併用を主とした剣術。魔法×剣術の開拓者、香取刀香が編み出した。
・落ち葉流し
相手が踏み込んだ足場に〈滑動〉を発動させ、相手を転ばせる。そこへ剣を振り下ろす。
・桜流し
体勢を崩してしまい、そこへ不可避の相手の一撃が来た際、自身の足場に〈滑動〉を発動させる。転倒することにより攻撃を回避。
・彗星流し
重量級の相手との戦闘時、相手の剣と自分の剣の接地面に〈滑動〉を発動させる。重量級の攻撃を受け流し、相手よりも素早く一撃をいれる。
・隼返し
刀の軌道の先に〈護盾〉を出現させることで、大振りで空振りした際でも、素早く刀を切り返せる。
【牛若剣術】
体術と剣術を両立させた剣術。
・弁慶殺し
剣での戦闘中、相手の意識が完全に剣へ向いているタイミングを見計らい、脛を蹴る。
【コキュートス剣術】
氷属性魔法を使った剣術。
・アイスウォーク
自身が踏んだ足もとを全てを凍らせ、動く度に地面が凍る。
・ヒルミリス
常に剣が冷気を纏っているため、一撃一撃がぶつかり合うごとに冷気が舞う。それにより相手の動きを鈍らせる。
【火凪死剣術】
火属性魔法を使った剣術。
・火喰
剣が炎を纏っているため、一撃一撃がぶつかり合うごとに熱気が散る。それにより相手に汗をかかせ、汗が目に落ちた瞬間を狙って攻める。
■歴代七番名勝負
過去の大会の中で、最も名勝負だった試合トップ7。
・香取刀香VS由良瀬揺
第6回大会決勝戦。
「刀と剣の新世界」代表香取刀香、「刀と剣の新世界」代表由良瀬揺の一戦。
香取剣術の師範と一番弟子の決勝戦。
序盤は由良瀬が、自身が扱う振動魔法を香取剣術に織り混ぜて戦っていたが、あらゆる振動を香取に全部上手く弾かれる。
そのまま香取が優勢になるかと思われたが、由良瀬も譲らず、振動魔法をやめて香取剣術同士でぶつかり合う。
それにより、両者拮抗した戦いを見せ始める。
互いの技が互いの胴体へ傷をつける。片腕と片目を失う由良瀬に対し、片足を失う香取。
激しく剣をぶつけ合う。
最後は両者相手の隙を見抜き、胸を突き刺し合い、引き分けで決着した──かに見えた。
だがわずか、最後の最後で香取の刀は折れ、わずかに由良瀬が生き残った。香取の刀は序盤の由良瀬の振動魔法により、じわじわとダメージが入っていた。それが最後、この場面で功を奏した。
・雷切VSキアラ
第17回大会準決勝。
「聖剣界」代表雷切、「魔剣界」代表キアラの一戦。
この二つの異世界はかつて日々戦争をしており、それぞれの世界の英雄がこの二人であった。
序盤から雷切が電光石火の如く速度で襲いかかるが、キアラはまるでスローモーションに見えているかのように対応する。
やがてキアラは攻勢に出る。雷切の片腕を切り落とし、すかさず連撃。雷切は全身に24の深い切り傷を負う。
出血多量の中、再度雷切が電光石火で駆け抜ける。
悠々と捌くキアラであったが、異変に気付く。キアラは自身が雷切の攻撃を軽く捌いていると思っていた。だが違った。
雷切の攻撃は全て、的確に、剣の一部分のみを狙って攻撃していた。その部分は短時間で多くの攻撃を受けたことにより、亀裂が走っていた。
魔剣は傷つかない。ただし、聖剣が相手でなければ。
キアラは早急に決着をつけようとするが、雷切は瀕死の中しぶとく動き続ける。
やがて一撃が魔剣を砕いた。
魔剣が舞う中、雷切は最後の疾走を開始する。その速さは、光さえも置き去りにするほど。
最後、キアラは両腕を広げ、「来い」と叫ぶ。
無防備に差し出されたキアラの心臓を、雷切の剣が貫いた。
〉p16、野球神話




