1回目
俺はこの世界に何を求めるべきだ? 俺は誰にも勝てないぐらい雑魚でどうしようもなかった。
それこそ最弱と言えるぐらいには弱かった。 地獄とも言えれば天国とも言えるこの場所で俺は弱者として生きていた。
だがそんな時、一人の人間が落ちてきた。 俺も勝てるのでは無いか。 と、戦うもののソイツは俺を越えていた。
ぽっと出の人間に俺は負けてしまうのか? 黒髪黒目の男は俺と同じように死に物狂いで戦っていた。 けど、それでも俺にはここでの経験があった。
なのに、なのにどうして負けてしまうのだろうか? 俺が弱いから? 才能が無いから? だったらなんだってんだ。
才能がどうこうとか弱いからとか、正直に言ってしまえばそんなの甘えでしかない。 才能があるからそれを飛び抜けて出来る? んな訳がない。
誰もがソレを習得することが出来る。 種族がどうこうとか関係無く誰もがどんな生物でもその強大な力をゲット出来るってのに、何故そうしないのか。
それを言うならばネガティブな感情──つまりは劣等感を感じているからだ。 自分を越えてしまうような奴が居たらそうなるのも頷ける。
けど、だけど……こんな人間に俺は殺されるなんてあんまりだ……。
死にたくなんて無い。 死ぬのが怖い……けど、今この場所で俺は殺される。
そして、人の形をした化け物である俺は人間に殺された。 何回も何回も岩で殴られ続け、悲惨な末路を辿った。
これで俺の物語は終わりを迎えた。 迎えたくない最期を迎えてしまったのだ。
気に食わないと言えばそうなるし、諦めたくもない。 それでも俺はここで死んだのに変わりは無かった。
素直に受け入れた方が得策だろう。 だから、そうして俺は目を瞑る。
『死亡を確認しました』
『強い意思を確認』
あ? なんだよこんな時に。 こんな時ぐらい静かな状態で眠らせてくれよ。 頼むから……。
『スキル:新たなる人生を獲得』
そのメッセージと共に俺は目を覚ました。 目を覚ました先にはいつもと代わりの無い光景が広がっていたのだった。
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