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「犯人は女なんだな!? ほかに特徴は! 服装、顔、癖なんでもいい!」
「えっと......あ!」
「なんだ! 何を思い出した!?」
「私が医者だと言ったらどこかへ連れて行こうとしてました。突然叫んでどこかへ行ってしまいましたが」
「そうか……分かった。犯人に少しでも近づけただけ行幸だ。詩乃と、そっちのも第一発見者か?」
八凪田は僕を訝しげな目で見た。
「そうです。私と億利さんが第一発見者ですね」
「……知り合いなんだな。分かった。なら顔の似顔絵を描くために署まで来てもらえるか?」
「もちろんです。事件について教えて貰えるのであれば」
「……ったく面倒事が増えちまったな」
停まったままのパトカーの窓をコツコツと叩く。
「はい、どうしました?」
窓が開き青年が返事をした。
「増援と鑑識を呼んでくれ」
「分かりました。そちらの2人はどうしますか?」
「署で詳しく調べる。一旦ここは任せても大丈夫か?」
「了解です」
青年がパトカーから降り、運転席に八凪田が座った。
「2人ともさっさと乗ってくれ。時間は有限なんだ」
僕達は言われるがまま詩乃が助手席に、僕が後部座席に座った。
「連続無差別爆破殺人事件。被害者はこれまでに7人。今回のを合わせたら8人目だ。被害者の性別、年齢、出自、その他関係性は一切無い。唯一の共通点は左手を残して他の全てが爆散したように肉片と血飛沫になっている事だ」
パトカーが発進したのと同時に柳田は話し始めた。
「ここまでなら異能事件の中ではまだ楽なんだが、それに加えて厄介な事にいくら鑑識しても監視カメラを見ても、聞き込み調査をしようにも一切情報が出ないんだ」
「異能事件?」
「そう。八凪田くんは異能が使われた事件を専門に捜査しているんだ」
「異能課とかいう厄介な仕事と人員しか来ない最悪の部署さ。なまじ異能を表に出せない分。心労も一入さ」
「大変そうですね」
「お前もその一旦を担ってることを忘れるなよ?
という訳で現状唯一の手がかりがお前ら2人な訳だ。さぁ着いたぞ。ここまで話したんだ。簡単に帰れると思うなよ?」
「脅さないの」
到着しパトカーから降りると同時に僕達を脅す八凪田を後ろから引っ叩く制服姿の女性。
「いてっ冗談ですってリーダー」
「そちらの方は?」
どうやら詩乃も初対面らしい。
「どうも初めまして。私は異能課のリーダー天下 昼目。気軽に昼さんでも昼ちゃんでもなんて呼んでも良いわよ」
キャリアウーマンといった風貌の割に気さくそうな性格は鹿奈に似ていて少し緊張が解れた。
「初めまして、私は精神科医の詩乃と申します」
詩乃は笑顔で天下に手を差し出した。
「八凪田からよく聞いてるわ。異能を持つ方専門の精神科医なんですってね。一度会って話して見たかったのよ……話通り本当に探偵服なのね」
天下は差し出された手を取り笑った。




