転移後世界の諸々
・迷い人
異世界人や大陸の外から来た者を指す。
・魔眼
遺伝性・先天性の強い異能の一種。
魔力が見えるのみの【無垢】。対象を操る【魅了】や【支配】。見た対象を石にする【石化】。全ての魔眼の始まりとされる【原初】など多様な魔眼が存在する。
類似の異能として、【魔耳】や【魔手】などが存在するが、魔眼に比べて保有例が少ない。
・生物
魂が存在するもの。魔物も生物に該当する。
たとえアンデッドやゴーレムであっても魂が存在する場合、生物とされる。
・魔物
ヒトに害をなすもの。
一般的にはその程度の認識だが、魔物には生殖器官が存在しない。彼らの生殖行動とは他者の殺傷、ないし自身の死亡である。
そのため、彼らの多くは生物の殺傷を目的とし、自分の死を厭わない。
この異様な生態は、魔物が【死の神】の祝福を強く受けているため、という説がある。
バルトリースがある現世とは別に、魔物が暮らす世界、【魔界】があるとされているが、【魔界】について詳しいことは知られていない。
通常の生物と魔物の生態には大きな差異があるが、先述の一般認識により、厳密には動物に分類されるものが魔物と称されることも少なくない。
なお、これはロディ転移後の世界の魔物についての話である。転移前の世界において、【大進行】で出現した魔物は生殖器を有していた。
――ちなみにロディくんはトット村事変までゴブリンやオークに嫌悪感を抱いていたのですが、それは転移前の世界で魔物がSENKAしている様を見聞きしていたためです。
・魔導生物=魔導生命体
魔力を動力源とする生物であり、魔法によって作り出すことが可能。ゴーレムやスライム、アンデッドなどが該当する。
魔導生物をヒトが生み出すことは禁忌とされているが、魂のないゴーレムやアンデッドを生み出すことは許可されており、熟達した魔導士が教会に伺いを立てたうえでそれらを使役することはままある。
・魔素
魔力や魂のような非物質、生物や鉱物のような物質問わず、この世のありとあらゆるものの素。
その蓄積度合いにより、レベルアップ、レベルダウンが起こる。
魔素は食事や睡眠といった日常生活の中で増減するが、生物を殺すことで魔素を多量に取り込むことが可能であり、逆に死ぬことで多量に失う。
年を取ることで日常生活の中で消費する魔素の量が徐々に多くなり、一度に取り込める量は逆に少なくなっていく。
その過程で魔素が魂や肉体を維持できなくなることにより、寿命による永遠の死が起こる。
寿命により死を迎えた魂は一度天界へと昇り、ローレアンの祝福によって新しい命へと転生するとされている。
・ヒト=人間=人類
平人、獣人、エルフ、ドワーフ、ハーフリングなどの総称。
・平人
大陸内で最も多いヒト種族。
耳の形や動物的特徴など、これといった種族特徴を持たないもの達が分類される。
角や尾が無いため身体が平たい。ヒト種族において身長や能力が平均的、などが名の由来になったとされ、その語源は蔑称であったとする説もある。
――要するに我々現実の人間に近い人たちのこと、と捉えてください。
・○○最強
平人最強など、○○には種族の名前が入る。
最も栄誉ある称号であり、故に最も扱いが慎重にされてきた。
冒険者で言うところのS級相当の実力があること、同種族の中で比類なき強さを持つこと、素行や実績など、様々な規定があり、現代において最強が認定されているのは平人と竜人のみである。
歴史上においてただ一人、人類最強に認定された人物が存在する。
・生の神=ローレアン
バルトリースで最も信仰されている女神。
生命を司り、生物の蘇生もローレアンの祝福とされている。
・死の神
現代ではあまり知る者のいない女神。
いつからか、死の神の祝福は呪いと称されるようになった。
・ローレアン教
バルトリースにおいての最大宗教であり、単に教会とも呼ばれる。
聖属性魔導は聖職者のみが行使できるとされ、聖職者以外に聖属性魔導を教えることは戒律で強く禁じられている。
稀に誰からも教わらず自発的に聖属性魔導を使えるようになる者も存在するが、そのような人物は聖人/聖女として認定されることになる。
・消失
何らかの理由によりローレアンの祝福を受けることができず、蘇生・転生が出来なくなることを指す。
禁忌の抵触、呪われた武器、【四災厄】によってもたらされる、最悪の終わり。
・四災厄
バルトリースにおいて最も恐れられる怪物。
災厄により特殊な条件下で殺害された場合、【消失】する。
>雷霆の獣
雷路を敷き狩りをする、雷を纏った獣。
>大海の巨人
渡航を阻む、水で形作られた巨人達。
>残骸の城
進路のあらゆるものから魔素を奪う、残骸で出来た動く城。
>紫煙の龍
二百年ほど出現例が無く、消失したとされている。