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第十七話

 朝、裸でむくりとベッドから起きる。

冷えていてとても寒い。そして隣では涼子が寝ている。

うーん、あまり記憶はないのだが………少し思い出してみる。

まず、今の状況整理として間違いなく久しぶりに交えたと思う。

気持ちよかった、という味気ない感想しか出てこない。

別にフミちゃんにちょっとちょっかいをかけたのは単なる気まぐれであって、決して涼子とのセックスが

つまらないものであるわけではない。むしろうるさくないくらいに、でも感じてるのがとてもわかる

良い喘ぎ声を出したりどんな体位にも対応したりとその方面に関しては完璧な女なのだ。

脱力感からそんな良い女性を危うく手放そうとした自分に叱咤して両手で頬をパァンと打ってみる。

うむ、目が覚めた。

で、だ。あの森の中で強制シャットアウトを食らってからはどうなっていただろうか。

俺はまだ起きていない涼子の目を覚まさせないようにこっそりとベッドから離れ

シャワー室へと向かう。

シャワーを出す、そして水に浴びる。

うう、冷たい。

でもこれが一番体に目ざまさせるいい方法なのだ。

意識が覚醒していても体が気だるげな、というときはいつも俺はこうしている。

現に脳みそも働いてきて昨夜の事も思い出してきたようだ。


 まぁ涼子とのセックスの話はもういいとしてだ。

あの森の中で眠らされてから目覚めてどんな会話をしたか。

周りの状況まで考えると忘れそうな気がするので

とりあえず会話だけ声に出していってみた。

なんか涼子は優しい口調だった気がする。

まぁこれからセックスする相手になにもきつく当たることなないからだろうともいえるが。

「あのね、さっきはびっくりさせちゃってごめんだけど。頭を締めるってやつ、あれはね

精神的なショックを与えるってだけでそういう細い糸で頭を締めたりするとかいうのはないから。

だから安心して。でも急に使っちゃってごめんね。私、短気なとこがあって。

本当にごめんね」

「いや、いいよ。俺も悪かった。で、するのか?」

「う、うん。あんなにどなっちゃってでもセックスはしたいって、なんかわがままだよね………

翔太がいいならしたいんだけど、ダメ?」

「だーかーら、俺も悪かったって言ってるだろ。今回のはイーブン。

俺もたまってたし、いいよやろう」

「ほんとに!?よかったぁ………じゃあ」

といって一旦キス。その後数回会話をして本番に入ったな、たしか。

「ンはぁ………翔太とのキス、久しぶり。」

「そんなこともないだろ。でもそうか。ほんとに最近構ってなかったな。ごめん」

「いいのよ。私も仕事で忙しくて、ごめんね。あ、この話も嫌ならいいんだけど

さっき話してたけどその翔太の友達で仕事紹介してくれるってほんとなの?」

「ん?あー、いやあの時は売り言葉に買い言葉で虚勢を張ってたんだ。実はそんなあてなんてない」

「うーん、そっか。うーん………あっ!じゃあこんなのはどう?」

「なんだ?」

「ホスト!翔太かっこいいし!!」

「………あのなぁ………俺、そんな酒強くないぞ」

「あー、そっか。じゃあ………うーん………」

「いや、もういいよ。自分のことくらい自分でできる。任せとけ。

じゃあ、さっさとやるぞ」

「あっ///………」

ここからはもう完全にセックスのフェードに入っている。


 さてさて、仕事を探さなくちゃな。かといって窓口に行ったりして

「あなたはいったいこれまで何をしてきたんですか?」

なんて詰められるのも嫌だ。そんな嫌味を聞きに行くくらいなら仕事なんてしない。

なら、どうすればいいのだ。

涼子は働く習慣を付けろという。

ならばアニメーターにでもなろうか。

別に金には困ってないのだ。

しかもあこがれの職業でもある。

俺はシャワーを浴びた後、洗顔も歯磨きも済ませた。朝の身支度は完璧である。

生活習慣病にはかからないと自負しているんだがな。

涼子はそれがダメという。

自分ができてないから他人を巻き込んでるだけじゃないか、とも思うがそれは喧嘩の種になる。

まかないで捨てた方がいいだろう。

俺はラブホ備え付けのパソコンを開きアニメ会社の求人募集を開く。

お、バイトなら結構あるな。

うーむ、しかしブラックだ。

でも絵を描いて金がもらえるならいいのかもしれない。

よし、このZ社に応募してみるか。

なんか給料もやけに他と比べて高いし、ブラックの一歩手前という感じだし。

うん、ここがいいな。

俺は応募の項目にいろいろと個人情報を打ち込んでいく。

そして、完了して送信っと。

エンターキーを押した数秒後、すぐに通知が来た。

俺はコーヒーでも沸かしながら待っていようか、としていたんだがな。

どれどれ、なに!?すぐ下記に掲載されている住所に来いだって!?

うむ、怪しいといえば怪しいが………

まぁアニメ会社だし、人に困っているのかもな。

すぐに形だけの面接をして採用、とかかもしれない。

俺は途中でスーツを買うことを予定しながら、身支度もほどほどに。

そして未だに寝ている涼子の頬にキスをかまして

「すぐに吉報を持ってくるからな。期待して待ってろよ!」

と言い残し、ついでに紙にも書き起こして(行く場所の住所も書いておいた)

俺はこっそりと部屋を出た。



 朝、目覚めると翔太はいなかった。

まーたどこかをうろついて女の子でもあさってるのだろうか。

でもなんかキスをされた感じが頬に残っているので、まぁ勝手に出ていったのは許すことにする。

全く、しょうがない人だ。今度からは朝も一緒にいたいと伝えよう。

なんか残された気持ちがしてちょっと悲しいのだ。

性行為をしたらすぐおしまい、あっちがそう思ってなくてもそう思ってしまう。

私はキスをされた感じのする頬を撫でながらベッドを出てシャワーを浴びに行こうとすると

なにやら翔太が書き残したメモが目に入った。

「次会うときには必ずや吉報を伝えに来る、マイハニー。

黙って出ていった点は本当に済まない。次に埋め合わせをするよ。

では面接へ行ってくる。」

私はマイハニーという言葉に反応しくすぐったくも感じつつ、ちょっぴり気分も腫れた感じがした。

やっぱり私はこんな書置きも残してくれるなんて愛されている………

なんてみだしなくもあんなに怒鳴ってしまったのだろう………

私は朝のナーバスな気分で自己嫌悪に陥ってしまう。

しかし翔太は私服のはずだったけどスーツなんて持ってたかしら?

と私はちょっぴりと気になった。そしてもう一度書置きに目を落とすと

まだ続きがあったことに気づく。

朝のぼんやりとした目には厳しい文字の羅列がそこにはあった。

………なんだろう?あ、住所?

私は住所の名目をたどっていくうちになんだか不安な気持ちになった。

どこかで見たような………あっ!?

私は全裸のままパソコンへと向かう。

翔太が電源を付けていったまま出て行ったのですぐに開けた。

私は一度覆歴をみる。

手紙と照らし合わせてみる予定だったが、検索した数は少なく

すぐに翔太は住所の番号も検索せずに行ってしまったことに気づく。

いや、携帯でも調べたのかもしれないが………どうだろう。

ちょっと電話でもかけてみようか。

私は翔太に電話をかけた。プルルルルルル、プルルルル。………出ない。

ブー、ブー。?、なんだろう。後ろでバイブの音がする。

私は音のする方向へと歩いてみる。しかしどこにもない。私はしゃがんで見渡してみると

「あっ!?」

見つけたのは翔太のスマホだった。

しかも昨日の乱れた行いで吹っ飛んで行っていたのかベッドの下にそれは鎮座していた。

置き忘れていったのだ!

なんて不用心な!!だが、これで翔太はおそらくスマホを使って調べてないことがわかる。

わざわざあそこに戻す必要もない。

というかこれでは連絡が取れない!!私は焦る気持ちを抑えることができずに

パソコンへと急いで向き直る。

私の記憶が間違っていなければ、あの住所は私が昔すんでた所!

つまり………

私は抑えきれない不安感から度々キーボードを打ち間違え

ようやく書置きの住所と同じ文字列を打つと出たのは

「高島組、総本部~」

という検索結果であった。

もちろん、その組というのは建設会社の使っている方でもなく

極道が使う「そっち」の方だった。

そしてその住所の家は涼子の記憶に違いなく、涼子の実家でもありそして高島組の総本部でもあった。

私はその検索結果が出た瞬間思わずお漏らしをしてしまった。

そして泣いた。

「ばかぁ!!なんで住所も見ずに行っちゃうのよぅ!!

うわああああああん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

SM専門でもないラブホテルに孤独な少女の悲鳴が響いた。

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