93.ナイフは何の為に?
松本ひずるという男が浮かんだ。オンナみたいな名前だなと思ったら、元オンナだった。運転免許証データもお名前カードデータも性別はオンナだった。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。(今回は出番無し?)
中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。
中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。
泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。
高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。
新里[筒井]警視・・・警視庁テロ対策課勤務。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午前10時。中津興信所。所長室兼会議室。
スクリーンに中津警部と新里警視が映っている。
「一昨日、JRの車内でナイフを振り回している少年が捕まった。目撃者の一人が警察に提供してくれたスマホのSDデータを夏目リサーチでマッチングした所、埼玉県のネットカフェを利用していた、松本ひずるという男が浮かんだ。オンナみたいな名前だなと思ったら、元オンナだった。運転免許証データもお名前カードデータも性別はオンナだった。で、『落としのプロ』、鬼の新里警視によって落ちたが、共犯者が浮かんだ。藤町徹という同級生が『元カレ』の反社の構成員だった。立ち回りそうなヤサが、足立区の、2人の元『愛の巣』だ。古い商店街の裏手で、逃げ道は多い。そこでだ。」
「優秀な探偵が揃っているので、所轄に協力して、張り込みしろ。ってことね。」
「公ちゃん、嫌味が冴えてるね。」
「こういう性格なんだよ。俺は、もう慣れた。」
「夫婦じゃないか。」
「とにかく、捕まえたいの、『変だ似る』の売人みたいだし。四課にも連絡してあるけど。」
「了解した。待ち合わせ場所、メールして。」
午後4時。足立区の、とあるアパート。
藤町は、付近に警察官がいるとい勘づいて、ある家の雨樋から屋根に上り、逃走した。
100メートル先で下に降りると、背負い投げをかけられた。
高崎だった。泊が刑事に、根津が健二に連絡した。
「ワタシ、日本語分かりませーん。」と、彼はシラを切った。
「それ、立派な日本語だよ、自称藤町くん。」根津が股間をヒールで蹴った。
警察官が到着すると、藤町は警察官に縋って泣いた。
警察官達が逮捕連行した後、健二の指定する店に一行は入った。
山梨の郷土料理が自慢の店で、ほうとう鍋を注文した、と先に来ていた中津夫妻が言った。
「よく先周り出来たな。」と、健二が言うと、「屋根伝いに降りられる場所」は3箇所。でも、他の所は、工事中。」と、高崎が応えた。
「なんで、ほうとう?」「俺が麺類好きだから。」
兄弟の会話に皆、知らん顔した。
「そうだ。なんで、少年に藤町はナイフ渡したの?」という公子に、「『君は狙われている』と言って渡したそうよ。」と本庄はこともなげに言った。
「公ちゃん、『変だ似る』のタブレットを舐めて朦朧として、ナイフを見て、狙われている、と思ったら?」と警部が正解を出した。
―完―




