92.見られていた『逃亡中』
中津興信所の一行は、警察の協力依頼で張り込みの帰りだった。
駅に向かおうとすると、高齢者の男性の悲鳴?が聞こえた。
「ナイフ持った男が逃げた。」
健二は、皆に手分けして住宅街を走った。
スマホで中継を受けていた中津警部が叫んだ。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。(今回は出番無し?)
中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。
中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。
泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。
高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。
新里[筒井]警視・・・警視庁テロ対策課勤務。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
午前10時。杉並区。
中津興信所の一行は、警察の協力依頼で張り込みの帰りだった。
駅に向かおうとすると、高齢者の男性の悲鳴?が聞こえた。
「ナイフ持った男が逃げた。」
健二は、皆に手分けして住宅街を走った。
スマホで中継を受けていた中津警部が叫んだ。
「公ちゃんの向かっている方向に走って行く男がいる。」
4人は合流したが、行く手に踏み切りがある。遮断機が下りて、逃亡する男が潜って、向こう側に行ってしまった。
長い列車通過の後、遮断機が上がった。
そこには、新里警視がいた。
「お疲れさま。取り調べが楽しみだわ。」
悠然と、新里がパトカーに向かった。
午後1時。中津興信所。会議室兼所長室。
「どういうことだよ、兄貴。」
「逃亡者は、あの近くのアパートの住人。家賃滞納で大家が立ち退き迫ったが、言うことを聞かない。こういう時は、どうなる?健二。」
「大家が陳情して『行政執行』、だな。」
「その通り。逆上した住人、通称トム・ヤンクンは大家と執行官を刺して逃亡。執行官の機転でGPSケータイを奴のポケットに入れた。それで、スピード逮捕。ご苦労様。大家さんは残念ながら、持病もあって死亡。自分は那珂国人だから無実だ、不起訴だ、って喚いているらしい。」
「甘いわよ。」
たった一言、本庄尚子が言うだけで凄みがあった。
「え、っと。お義姉さまが弁護人?」
「まさか。元夫の検事が検察官。まだ借りがあるでしょ、って言ったら、『絶対有罪』って言ってたわ。その大家さん、知り合いなの。判る?」
「あ・・・何となく。悪い奴は有罪です。決まってます。なあ、みんな。」
健二の言葉に皆、慌てて頷く。
「じゃ、午後からは休めよ。張り込みの件の報告書は急がないから。」
「了解。」
「じゃ、所長、お先でーす。」3人は、欠伸を殺して退室した。
「じゃ、俺達も寝ようか。」
「寝ようか?昼間っから?いいわよ。何ラウンドでも。」
電話が鳴り、健二は飛びついた。
「はい。こちら中津興信所。」
―完―




