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82.宮田先生の苦悩

「今回の依頼主は、おまえたちの後ろにいる。」

健二達が振り返ると、宮田元教授がいた。



======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。

中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。(今回は出番無し?)

中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。

中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。

泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。

泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。

高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。


新里[筒井]警視・・・警視庁テロ対策課勤務。

守谷哲夫・・・SAT隊長。

宮田孝之・・・元京都大学准教授。感染症学者。奸計に填まり、幽閉されていた。今も、命を狙われる可能性があるので、中津興信所の地下の宮田ラボで研究をしている。


================================================

==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==



午前9時。中津興信所。会議室兼所長室。

マルチディスプレイに、中津警部が映っている。

「今回の依頼主は、おまえたちの後ろにいる。」

健二達が振り返ると、宮田元教授がいた。

「実は、那珂国で新しいビールスを開発している。その危険性を訴える為のシンポジウムを企画していたんですが、久保田管理官から、普通の講演をすれば、間違い無く私が消される、と注意されました。池上先生からも今は危ないかも、と言って来られました。中津さん達の護衛付きでもダメですか?」

すると、公子が泣き出した。

「先生が死ぬなんて嫌ですぅ。」

そして、根津が泣き出した。

「折角、知り合いになれたのに・・・嫌ですぅ。」

「まあ、あれだ。会議しよう。何とかしようぜ。同じ『EITOの店子』なんだしさ。」

「こっちはこっちの会議がある。後は・・・何か決まったら、連絡頼む。」

マルチディスプレイから警部が消えた。


午後4時。LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

機関銃を持った一団が雪崩込んだ。

客席はまばら、演壇には大きなディスプレイがあるだけだった。

「手を上げろ、お前らみんな人質だ!!」

「おまいう。」守谷は笑って言った。

あっと言う間にSATに一団は取り押さえられた。SAT隊員達は、さっさと連行していった。

「悪いね。仕込みと後片付けを受け持って貰って。」と、守谷は中津警部に言った。

「この時間は、どの道『キャンセル待ち』で当たったクチでね。元から空っぽの予定だったんです。それと、先生のファンは、『アナログ人間』は殆どいない。ネット予約した観客に、Boomでの会議式にする代わり料金は返します、って呼びかけたら、簡単にリモート講演に変わりました。矢野に聞いたところによると、既に上陸してしまっている『変だ似る』の方が大変らしい。じゃ、ご苦労様でした。」

守谷と中津は、お互いに敬礼して別れた。

隠しカメラ以外はホール備品だったので、職員に化けていた健二達は簡単にホール職員に引き継ぎをし、クルマに戻った。

「所長。うどん屋は勘弁して下さいよ。」と高崎が言うと、「じゃ、ラーメン屋。」と、健二は返した。

「じゃ、釜飯屋。」と、いつの間にか乗っていた新里が言った。

「徹夜で取り調べだから。」と新里は笑った。

「合流するから、店教えて。」タブレットの中から本庄が言った。

「それにしても、アドリブで嘘泣きするなんて・・・。」と、泊が言うと、「それ、タブーよ。オンナは生まれ付き女優、だから。」と、新里は上機嫌で言った。


まるで、ピクニックに行くような雰囲気の一行だった。


―完―



「先生が死ぬなんて嫌ですぅ。」

そして、根津が泣き出した。

「折角、知り合いになれたのに・・・嫌ですぅ。」

「まあ、あれだ。会議しよう。何とかしようぜ。同じ『EITOの店子』なんだしさ。」


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