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80.敬老の日窃盗未遂事件

「健二。後ろ後ろ。」

中津健二所長の後ろには、恐ろしい兄嫁が立っていた。

「今、殴られたって言ったよね?」

「言いました。」「言いました。」公子と根津が言った。

「失言です。撤回して謝罪します。」

「いつも、そんなこと言ってるの?」

「言ってます。」「言ってます。」

「以後、反省します。」


 

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。

 中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。(今回は出番無し?)

 中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。

 中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。

 泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。

 泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。

 高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。


 新里[筒井]警視・・・警視庁テロ対策課勤務。


 ================================================

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==



 午後1時。中津興信所。会議室兼所長室。

 マルチディスプレイに、肩肘ついた中津警部が映っている。

「何だよ、兄貴。映るそうそう溜息かよ。また、奥さんに殴られた?不倫もしていない品行方正な夫に。」

「健二。後ろ後ろ。」

 中津健二所長の後ろには、恐ろしい兄嫁が立っていた。

「今、殴られたって言ったよね?」

「言いました。」「言いました。」公子と根津が言った。

「失言です。撤回して謝罪します。」

「いつも、そんなこと言ってるの?」

「言ってます。」「言ってます。」

「以後、反省します。」


 彼らのやり取りに泊と高崎は、固まっていた。

「昨日は、何の日だっけ?」「9月15日、ですね。」

「敬老の日、ですね。警部はまだ・・・。」高崎が言いかけると、「まだ、敬老でもない。で、昨日、デパートで置き引き3人組に出くわした、って話。」と、本庄は言った。

「ひょっとしたら、ランドセルの?」と高崎が改めて尋ねた。

「ニュースになったからな。俺達が取り押さえたのは2人。3人目は逃げられた。逃げられた方は夏目リサーチに調査を依頼した。取り押さえた内の一人が連行中に暴れ、滑って転んで大怪我。今、病院だ。で、怪我した奴から『変だ似る』の成分が体から出た。つまり、ただの置き引き犯人じゃない。奪おうとしたランドセルからも『変だ似る』が出た。臭うだろ?」

「麻薬だけに?・・・ごめんなさい。緊迫場面だった。」と健二は素直に謝った。

「病院に行って。警護のカバー。半グレか反社かマフィアかが絡んでいる。奴らはね、ケビィちゃんのストラップで間違えたの。置き引きだーって叫んだ声に気づいて行ったんだけど、そこのお祖母ちゃんが孫に買ったランドセルは、まだ現場にあったの。同じストラップがランドセルに付いてた。」

 本庄の説明に、「詰まり、そのストラップを目印に、『ヤク』の取引が行われていたんですね。」と、泊が言った。


 ある、都内の病院。

 外国人らしき集団が、病室に押し寄せてきた。

 中津警部、中津健二、泊、高崎、根津は容赦なく応戦した。

 新里警視がやってきて、片っ端から投げ飛ばした。

「ニッポンの警察を舐めるな!!」

 "Don't underestimate the Japanese police"

 新里は、日本語と英語で彼らを『平定』した。


「ここにいる訳ないのにね。」と、中津警部は言った。


 午後5時。中津興信所。会議室兼所長室。

「どうやら、仲間割れらしい。隣国人だ。後は夏目リサーチの結果次第だな、3人目は。」

「しかし、なんで敬老の日なのに、孫にランドセル買う日になったんですかあ?」と、泊が言うと、「マスコミの商戦よ。下らない。なんで、右にならえするのか。」と、画面の本庄は言った。そして、マルチディスプレイから消えた。


「民衆は踊らされやすい、か。難民と嘘ついて『陣取り』するような民族を『可哀想』扱いするからな。不法移民は犯罪だよ。」と、高崎は言った。

「じゃ、これから子作りするから、店終いね。」と、公子は、さらっと言った。

 3人は、黙って、トイレの通用口から帰った。


「お前、露骨なこと・・・。」

 振り向いた健二は、露骨なことを言った意味が分かった。

 公子は、バニーガール姿だった。

「飯は?」「あと。」「はい。」

 兄弟揃って恐妻家だった。


 ―完―




「昨日は、何の日だっけ?」「9月15日、ですね。」

「敬老の日、ですね。警部はまだ・・・。」高崎が言いかけると、「まだ、敬老でもない。で、昨日、デパートで置き引き3人組に出くわした、って話。」と、本庄は言った。


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