66.事件の連鎖
【「こちら中津興信所65」のあらすじ】
中津興信所は、当地に新しくオープンした際に「一見さんお断り」として、中津警部夫人になった本庄弁護士の紹介あるいは中津警部からの警視庁からの依頼以外は受けないことになっていたが、たまに「飛び込み依頼」を言ってくる人がいるので、『興信所地図』を渡して、遠くない距離の他の興信所を紹介していた。それで、先日も、ゴリ押しする男の依頼を断っていたのだが・・・。
【「特命機関夏目リサーチ27」のあらすじ】
秘密裏に、警視庁テロ対策室の依頼を受けた案件で、痴漢騒ぎがあり、痴漢がえん罪であることは、たまたま居合わせたも元鑑識課の井関民恵と元EITO隊員のあかりの証言で証明され、被疑者被害者共に解放された。しかし、CIAからのデータと照合すると、不審な被害者女は、ジュディー・オーランドという二重スパイだった。一方、えん罪被害者と思われたサラリーマンは偽名で、本物はその時議員会館にいた政務官だった。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。
中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。
中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。
泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。
高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※このエピソードは、「こちら中津興信所65」「特命機関夏目リサーチ27」のエピソードから続きます。
【「こちら中津興信所65」のあらすじ】
中津興信所は、当地に新しくオープンした際に「一見さんお断り」として、中津警部夫人になった本庄弁護士の紹介あるいは中津警部からの警視庁からの依頼以外は受けないことになっていたが、たまに「飛び込み依頼」を言ってくる人がいるので、『興信所地図』を渡して、遠くない距離の他の興信所を紹介していた。それで、先日も、ゴリ押しする男の依頼を断っていたのだが・・・。
【「特命機関夏目リサーチ27」のあらすじ】
秘密裏に、警視庁テロ対策室の依頼を受けた案件で、痴漢騒ぎがあり、痴漢がえん罪であることは、たまたま居合わせたも元鑑識課の井関民恵と元EITO隊員のあかりの証言で証明され、被疑者被害者共に解放された。しかし、CIAからのデータと照合すると、不審な被害者女は、ジュディー・オーランドという二重スパイだった。一方、えん罪被害者と思われたサラリーマンは偽名で、本物はその時議員会館にいた政務官だった。
午前9時。中津興信所。所長室兼会議室。
マルチディスプレイに中津警部が映っている。
「結論から言おう。先日興信所を訪れた男は、「振り」の客、「一見さん」じゃない。そこがEITO秘密基地の「縄張り」だって知ってるよな。」
中津の言葉に、「兄貴。縄張りって性格が出た言葉だな。EITO秘密基地が大家さん。俺達は、「店子」だろ?」と、健二所長は抗議した。
「すまん。要は、防犯カメラで守られている、と言いたかったんだ。その男のことだが、お前達が親切に渡した地図に載っている興信所の者は知らなかった。それは、実際は行かなかったからだ。その男は、どこでも引き受けてくれるものと思っていたから、腐っていた、本来の『依頼』は『遺産相続』に関してだが、夜、大阪・関西万博の件で障害事件を起こしてしまったが、酒場に行くまでに色々と立ち寄っている。そして、お前が提携した、他の興信所に共通の『依頼者』が浮かんできた。EITO秘密基地の防犯カメラによると、お前達が押し問答をしているのを観察している男がいた。不審だと思わないか?」
「ウチの様子を伺っていたのか。その男を通して。」中津は憤慨した。
「うん。他の興信所連中に、切り出した防犯カメラからの写真を見せたら、変装しているが似ている、と言うんだ。軽く口止めしておいたがね。」
「警察権力か?」
「まあ、そう言うな。今、観察男の『人相』を夏目リサーチに割り出して貰っている。
何故か?報せが行ったとは思うが、電車で痴漢騒ぎがあって、たまたま居合わせた井関さんの奥さんやあかりさんの証言で、えん罪は証明されたが、痴漢騒ぎは、明らかに『グル』でやったことだ。被害者のオンナは、夏目リサーチで調べると、錦糸町のネットカフェに入る所のデータを発見、CIAでお尋ね者の二重スパイだった。目下、指名手配中だ。一方、被害者である筈の男は偽物で、本物はその時議員会館にいた。本物は政務官だ。これは、俺のカンだが、『中津興信所』の秘密、日本の捜査能力の程度を探っていた、と考えられる。オンナが二重スパイってことは、『あぶりだし』のノウハウがあるのかも知れない。それと、観察男は偽痴漢被害者だ。駅の防犯カメラは一時的に撮影不能だった。」
「お義兄さん、私達危ないの?」公子が叫んだ。
「いや、今は心配ない。飽くまでも秘密捜査の進行中、ということだ。」
画面の中で、警部の頭を小突く者がいた。
「何、かっこつけてるのよ。いつものことだけど。皆は、いつも通りにすればいいのよ。」と本庄が言った。
「その通り。」
高崎や泊は、まだまだ、事件が連鎖していくのでは?と懸念した。
―完―
画面の中で、警部の頭を小突く者がいた。
「何、かっこつけてるのよ。いつものことだけど。皆は、いつも通りにすればいいのよ。」と本庄が言った。
「その通り。」




