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47.総理の不倫

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。

 中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。

 中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。

 中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。

 泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。

 泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。



 ================================================

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==


 午前9時。中津興信所。所長室兼会議室。

「不倫?でも、本人は、あっさり認めちゃったって言うぜ。日本民族党の玉田さんだろ?」

「そっちは、もう終ったんだよ。問題は、市橋総理。そんな暇ないと思うけどね。」

 マルチディスプレイの中津警部の横から、「総理に脅迫状が来たらしいのよ。」と、悩ましいネグリジェの中津尚子、詰まり、本庄尚子が言った。

「ん。んんん。先生、風邪引きますよ。何か羽織ったら?」

「あら、やだ。さっきまでセックスしてましたって、ばればれね。」そう言って、引っ込んだ。

「最近、先生、変ね。」と公子が言うと、根津が「公子さんの影響ですよ。」と言った。

「何、それ?」「まあまあ。じゃ、脅迫状の主に心辺りがあるんだな、兄貴。」と、中津健二は間に入った。

「そういうこと。ちょっと、張り込んでくれ。事件が起らないと警察は動けない。テロでもないとSPは出せない。無論、EITOもだ。該当者は、『つばくろの党』だ。総理が、New tubeで、「妨害の為の政治団体は愚劣だ。断じて政党交付金は払うべきでない、と言った途端に、人海戦術で『ラブレター』を送って来た。不倫の事実はないそうだ。ご主人も政治家だが、お互いに政治家になる前からの付き合いだそうだ。」

「何か証拠があれば、法廷で争えるわ。お願いね。」着替えた尚子が言った。

「根津。住所を調べてくれ。交替で張り込むことにしよう。」

 午後2時。葛飾区四ツ木。あるテナントビル。

 泊達が郵便受けを見ると、3階事務所に『二暴露の党』と書いてあった。

 少し離れた位置に陣取った泊は、「いつも平仮名だから知らなかった。『名は体を表す』とはこのことだ。政治団体の名前がもう『けだもの』だ。」

「けだもの?」「ジャッカルだよ、あき。」「そうね。いやらしさが臭ってくる。」

 午後4時。

 中津と公子がやって来た。泊が郵便受けのことを話すと、「成程な。どこと『つるんでいる』かが問題だな。総理は、バリバリの正統派保守だ。巨産系だけでなく、移民党内にも敵が大勢いると聞く。全日本保守党を虐めただけでなく、何でも請け負うだろう、政治ゴロだ。政治団体が政党になる為には、『国会議員』が必要だ。選挙で勝つか既存の政党の『裏切り者』を取り込むしかない。政党に格上げ出来なければ、政党助成金は貰えない。でも、政治団体としてのパフォーマンスは出来る。まあ、全日本保守党は実験台にされたと言える。詰まり、『正当お邪魔団体』誕生だ。鼻から政党も国会議員も狙っていない。新手の半グレだ。」と、中津は、言った。

「午後7時になったら、交替に来てくれ。」中津の指示に、「了解。」と言って去ろうとした泊達だったが、人の出入りがあった。

「根津。撮影だ。」「了解。」と、根津は中津に応えた。

「どうやら、反社と『お友達登録』しているようだな。」

 午後7時。

 総理官邸とシネコンを結んだ『定例記者会見』が行われていた。

 そつなく、質疑応答をしていた総理だったが、『下町新報』を名乗る記者が、『噂ジャーナル』によると、総理は、不倫をされているとか。」と、畳みかけた。

「合成された『不倫の相手』って、この方かしら?『つばくろの党』『噂ジャーナル』と仲良くお話されているけど。何なら、当該時間の会話を、New tubeで発表しましょうか?脅迫状と一緒にね。」

 記者は黙り込んだ。

 MCが気を利かせた。「それでは、次の方。CATVマメさん。」

 午後7時。中津家。

「関西風のおでんもいいね。公子。どこで習ったの?」

「決まってるでしょ。藤井料理教室よ。先生、教え方、上手いわあ。これなら、再婚しても男性は褒めてくれるわって。」

「さ、再婚?お前、初婚じゃなかったの?」「初婚よ、あなたとはね。」

 中津は、絶句した。頭の中で、公子が欲しがっていたハンドバッグが、どこか『質流れ』で手に入らないかな、と思った。

 昔、先輩に言われたことがあった。結婚は高くつく。

 ―完―







このエピソードは、既に他のサイトで公開した作品ですが、よろしければ、お読み下さい。

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