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20.飛んで火に入る

6月中旬からは早咲きで濃い紫が特徴的なイングリッシュ系ラベンダーが見頃を迎え、遅咲きで甘く強い香りが特徴のラバンジン系ラベンダーは7月上旬から見頃を迎える。会場ではラベンダーの摘み取りや、ラベンダー入りのソフトクリーム、ラベンダースティック作りなどのワークショップなど、ラベンダーにちなんださまざまなイベントが実施される、と本庄弁護士が持って来たパンフレットに書いてある。

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。

 中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。

 中津(西園寺)公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。

 高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。

 泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。

 泊(根津)あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。

 中津(本庄)尚子・・・本庄病院院長の姪。弁護士。中津警部と先頃、結婚した。


 ================================================

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 午前8時。長野県。夢農場。

 中津様ご一行は、『ラベンダー祭り』と称するイベントに参加する為にやって来た。

 このイベントは、ラベンダーの見頃に合わせて開催される。6月中旬からは早咲きで濃い紫が特徴的なイングリッシュ系ラベンダーが見頃を迎え、遅咲きで甘く強い香りが特徴のラバンジン系ラベンダーは7月上旬から見頃を迎える。会場ではラベンダーの摘み取りや、ラベンダー入りのソフトクリーム、ラベンダースティック作りなどのワークショップなど、ラベンダーにちなんださまざまなイベントが実施される、と本庄弁護士が持って来たパンフレットに書いてある。

 新婚旅行の代わり、という名目だが、結婚式同様、『囮』を兼ねている。

 EITOの敵組織に、どの程度情報漏洩されたかは、未知数だ。何しろ、前のダークレインボーの『幹』は、警視庁プロファイリング課の課長に成り済ましていたのだ。

 昨日は、大文字伝子の策戦で、EITO東京本部のエマージェンシーガールズは、見事に敵をおびき出し、殲滅した。

 中津興信所所員唯一の高崎が同行しているのも、その為だ。

 全員が、DDバッジや所在追跡用のガラケーを持っている。

 DDバッジとは、元々は陸自が災害救助用に作られたバッジをEITOが改造したもので、以前はエリア単位でしか捕捉出来なかったが、今は米軍の協力の下、GPSを使ってリアルタイムで所在確認が出来る。

 今回、彼らがチャーターした、【キャブコン】というキャンピングカーにも追跡装置は搭載された。

『女子』は、任務を忘れ、ミニ旅行を楽しんでいた。

 午前10時になると混み合うという情報があり、早朝に出発したキャンピングカーは、開園の午前8時に到着した。

 中津健二も中津敬一兄弟は、『ラベンダーなんて芳香剤の材料じゃないか。ロマンなんか有りはしない。』と思っていたが、後が恐いから黙っていた。

 ドライバーは、否応なく、独身で中型免許保持者の高崎が担当した。

「警部。所長。高速からずっと『護衛』してくれてた後続車のキャンピングカーもここが終着みたいですね。」と、車内用マイクで高崎は言った。

 後続車のキャンピングカーは、【バスコン】と呼ばれるタイプなので、最高10人は乗っていることになる。

 女子達が、ラベンダー畑に入り、はしゃいでいると、黒いサングラスに黒いスーツの男達がやって来て、女子達に出るように促した。

 キャンピングカーに戻ると、男子4人は、背中を向けて、両手を挙げて立っていた。

「ふうん。」と言う本庄弁護士の声を合図に、女性3人は、拳銃を持った男達の手を捻り上げ、『得意技』をかけて、地面に倒した。

 あっと、言う間の出来事だった。黒ずくめ集団は、情弱が災いして、簡単に逮捕された。

 長野県警のパトカーが到着した。

「タイミングいいなあ。」と、中津警部が言うと、「県警の秋山です。強盗って、こいつらですか、警部。」と秋山は言った。

「みたいよ。こいつら取り調べる時に言ってやって。『おんなは怒らせたら恐いんだ』って。」

「了解しました。」秋山は、中津興信所女子3人をチラ見、苦笑して部下と共に去って行った。

「ラベンダーのソフトって、美味しいらしいわよ。」と言う本庄に、中津兄弟は「そうだと思ってたよ。」と声を揃えて言った。

 女子達は、意気揚々と、『しもべ』達を連れて、カフェに向かった。

 ―完―


※このエピソードは、既に他のサイトで公開した作品ですが、よろしければ、お読み下さい。


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