カン
このエピソードは、既に他のサイトで公開した作品ですが、よろしければ、お読み下さい。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。
中津(西園寺)公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。
高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。
泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
根津あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。
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午後4時半。やすらぎほのかホテル東京の近く。
中津健二は、大文字伝子に、警備の報告をしていた。敵の使者が、辰巳夫妻の結婚式場の近くで見張っているかも知れなかったからだ。
「中津さん、おね・・・。」「お願いって?」「先に言わないでよ。実は・・・。」
伝子の、新たな依頼は、先頃捕まった、ピースクラッカーの『枝』の『家捜し』だった。
何か、怪しい点があるのか?先日行った時は、生活確認だけだったが、とにかく、中津は、兄の中津警部に連絡を取った。
「分かった。タレコミがあったことにして、ヤサを調べよう。どっちの家だ?」「どっちも。」「ふうん。何も出てこないといいが、こういう時に限って出てくるもんなんだ。」「ジンクスか?兄貴。」「なあに、カン、さ。」
午後6時。
中津警部の『カン』は当たっていた。
『枝』蔵前の、現住所である実家からも、前住所からも死体が出てきた。
翌日。午前10時。
エマージェンシーガールズが埼玉県の工場に行っていた頃。
前住所の白骨死体の歯の治療痕から、蔵前自身のものと判断された。
では、『詐欺師』蔵前と、EITOの闘いの現場にいた蔵前は別人か?
午後3時。
大文字伝子がヒロインズを訪れていた頃。
現住所の白骨死体は、蔵前の叔母と判断された。
中津は、その2件の報告をEITO東京本部にしたが、伝子ほかエマージェンシーガールズは帰宅した後だったから、報告は河野事務官が報告を受け取った。
午後5時。
テレビのニュースで、拘置所の蔵前が、何者かの手引きによって、脱走したことが報道された。
ニュースを中津達が見た後、マルチディスプレイのPCが起動し、中津警部が現れた。
「健二。皆と、秘密基地の方に来てくれ。」
公子とあきは、表を締め、中津はEITO秘密基地の扉を開き、所員達と入って行った。
そこは、正しく、別世界だった。
―完―