《 stoic love ② 》
なぜ俺は
こんなに 浮わついた気分でいるのか?
そんな事は解っている。
昨日 愛から
今日バイトに来ると 連絡があったからだ。
いつも週1日しか出勤しない愛が
1週間経たずに今日 来る事になり
朝から落ち着かない気分だった。
愛が事務所に入って来ると
俺は挨拶もせずに
「今日は 普段の仕事
お休みなんですか?」
と 尋ねてしまい
愛はいつものように 少し視線を逸らし
「はい 3連休で…」
微笑みながら答えた。
今日は サトウもタナカも
愛を予約する曜日ではない。
でも丁度 新規の客から電話が入った。
コース時間と メニューと
料金を説明していると
電話の向こうの『ハセガワ』という客が
「キスがNGじゃない女の子がいいんだけど」
と言う。
「時々 キスはダメって女の子いるからさ」
この客は よっぽどキス好きなのだろう。
愛がコースメニューで
何かNGにしてると聞いた事は無い。
が… また苛々してくる自分が居る。
この客は 愛にキスばかり要求するのか?
だが愛に稼がせてやりたい。
苛立ちが 声に出ないよう気をつけて
「大丈夫です」
と 返事をすると
「じゃあ… 180分コースで 宜しく」
ハセガワは電話を切った。
事務所の直ぐ近くのホテルではなく
免許センターの近くの
ホテルを指定されたので
愛を俺が車で送迎する事になった。
俺の車に 愛を乗せて2人きり…
愛はいつも通り言葉少なく
何となく考え事をしてるような感じだった。
俺は なるべく愛を見ないようにして
どうでもいい事を話し続けて
そうしているうちに ホテルに着いた。
ハセガワが待つ部屋に行き
挨拶をして 料金を受け取る。
身長は俺より少し高い。
年齢は同じくらいか 2~3歳上に見える。
整った顔立ちの男だった。
愛が 部屋に入るのを見たくなくて
逃げるような気持ちで駐車場に向かった。
車に乗り込み
両手で握ったハンドルに凭れ
朝からの 浮わついた気分はすっかり消えて
怒りとも言える感情が膨らみ 不愉快だった。
今 愛はハセガワとキスしてるのだろうか…
不愉快な気持ちなのに
ジーンズが窮屈で 脱ぎたくなるほど
ペニスは勃起していて
だけど なぜか急に
愛が猫を可愛がってるという話を思い出した。
普段 愛の声は少し鼻にかかった
ハスキーっぽい声だか
体に触れたら 猫のような
高い啼き声をあげるのかもしれない……
白い肌を晒して 裸の愛がベッドの上で
猫のように寝そべっている
俺が 愛の傍の ベッドの端に腰かけると
愛は目を潤ませて
物欲しげな眼差しで 俺を見上げる
首筋から 腰に向かって
真っ直ぐな背骨のラインを指でなぞると
愛はピクンと体を震わせる
更に潤みが増した眼差しで
俺の目を見て 唇を見る
愛の唇に 自分の唇を合わせると
待ち焦がれていたかのように
両腕を伸ばし しっとりした掌で
俺の頬を挟み 下唇を舐め 上唇を舐めて
舌を差し入れてくる
俺の舌を吸いながら 猫のように喉を鳴らす
唾液を交換し合うように 舌を絡ませて
互いに交ざり合った唾液を飲み合い
飲みきれず 溢れた唾液が
唇の端から顎を伝う
そんなキスをしながら
腰までなぞっていた指を
愛の 臀裂に這わせ
アナルの窪みを緩やかに撫でてから
更に その前に指を潜らせる
愛は腰を浮かせ 顔を上に反らせて
「ぁあ… あン…」
猫のような声で 快楽に啼く
性器のひだを割りながら
小さな突起を探り当て
指先で柔らかく捏ねるように弄ると
それは 膨らみ 硬く尖る
「そこ… 好き…」
喘ぎながら 愛はそう言って
膣からたっぷり液を垂らし 俺の手を濡らす
俺のペニスも
はち切れそうなほど勃起して
汁を溢れさせ 亀頭がヌラヌラ濡れている
愛を仰向けにさせ 組み敷いて
両手で 愛の両手首を掴み
口を犯すように 舌を深く入れてキスをする
舌で愛の口の中を掻き回し
強く舌を吸うと 愛は眉を寄せて
息苦しそうな浅く早い呼吸をしながら
焦れたように 下腹部を
俺の屹立したペニスに押し付けてくる
掴んでいた手首を放し
乳房を両手で揉みしだくと
乳首を硬く尖らせながら
愛は 猫ではなく 女の声で悶えながら啼く
右の乳首を 指先で転がし
左の乳首を 吸うと
「…ぁあン…あぁ ねぇ… もう欲しい…」
と ねだってくる
指でクリトリスと膣に触れると
愛は 腰を震わせ続けて
シーツがぐっしょり濡れるほど
愛液を垂らし続けるから
俺はガチガチに硬くなったペニスの先端を
膣のひだの間に当て 一気に腰を押し込む
愛は悲鳴のような高い声をあげ
両脚を俺の腰に絡ませてくる
そっと愛の脚をほどき 大きく広げさせ
両手で愛の腰を支えながら
腰を突き出すと 膣のひだが内側にめくれ込み
腰を引くと ひだが外側にめくれ出て
クチュクチュと水音が響く
愛の中は熱く 粘りのある潤みで
俺のペニスに絡みついてくる
激しい快感に低く声が漏れ
そんな俺の声を聞き
愛は悶えながら
淫靡な目で俺の顔を見つめる
その目を見て
俺は 発情期の動物のように腰を振り
愛の膣の奥を突きまくる
俺の腰の動きに合わせて
小ぶりな乳房が上下に揺れて
高い啼き声をあげ続け
俺は突いて
愛の中が絡みつき
突いて
絡みついて
突いて
愛が絡みついきて
突いて
突いて
突き上げると
「…あン …あン あぁぁ… もうダメ!
イっちゃう!イく!…イくぅー!」
愛は 絶頂に達し
背中を仰け反らせ
膣が収縮して
ペニスを締めつけてくる
同時に俺も 愛の奥深くへ射精した……
車のハンドルを 握り締めていた手を緩め
ふと時間を確認すると
15分ほど経っていた。
痛いくらいに勃起したペニスを
ジーンズが締めつけて苦しい。
射精したい欲求に必死に耐えながら
車を発進させる。
事務所に着くと Aさんが
「お疲れ~ あれ?
Yくん 何でそんな怖い顔してんの?」
と 俺の顔を見てからかうように笑う。
「え? そんな顔してます?」
無理矢理 笑顔を作り
「何でもないですよ」
と Aさんに言う。
そうだ
何でもない。
本当に何でもないのか?
こんなにも
愛を 抱きしめて
キスして
犯しまくって
自分だけの女にしたいという願望で
押し潰されそうになっているのに?
普段は煙草を吸わないが
Aさんから煙草を1本貰って吸う。
苦味が口の中に広がり
まるで 今の俺の欲求の味だと
ふと そんな風に思った。