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衝動

 放課後 


 もやもやした気持ちの中、香菜の家に向かっている。


 小学校からの友達で、家も比較的に近い。あたりは激しい雪が降っている。輝夜のおかげで傘を持ってきたり、ブーツをはいてきてるからまだよかったけど。


 正直いって今は勉強どころじゃない!本当にあそこで無視されるとは思わなかった。なんか私悪いことでもしたのかな?悪いことしたならごめんだけど。入学初日から無視ってこれからどうしていけばいいのだろう。まず、仲良くなれなかったら、当たり前に明星君を救うなんて無理だよね。まぁ、でも合えただけでいっか。


 そう思うことが私自身の精いっぱいだった。


 「もうすぐつくから降りる準備しておいてね。そんなに落ち込むことないよ~」


 さすがに私の顔色が悪かったのか励ましてくれる。ただの転校生ならここまで落ち込まないのにね。


 「香菜は、話せたからいいでしょ?」

 冷静さを保ったつもりだったけど、少し起こってると感じたみたい。


 「そんなに怒らなくても~」

 少し感情的になりすぎたのかもしれない。私は、何事でもそう。



   中学受験時


 

 私たちの地域には、選抜で受験をしなくても暁高校に受かれる中学がある。その中学の名前は


    「四つ葉中学校」


 この中学の名前が選抜のことを意味していて、


『High Middle Low Lowest』のクラスが最終的に決まり、暁高校では、Highが特別学級、Middle が理数科、Lowが普通科と決まっている。


 私と香菜はこの中学を受けることに決めた。倍率は男子が20倍、女子が24倍らしい。


 それから私と香菜は一緒に猛勉強した。


 そして受験当日。私は致命傷のミスをした。問題は社会がマーク式だったんだけど、いっこずらして書いちゃったんだ。そのせいで結果は落ちた。そして香菜は受かっていた。香菜の合計得点は412点。私は社会0点でトータル321点で落ちた。


 その中学は転勤などの急な理由でしか辞退できない。だから、もし香菜がわたしとおなじ中学がいいと望んでも、同じ中学になることは絶対にできない。


 「私たちの本当の目的は暁高校に、、、、」


 香菜言いかけていたところで私が言葉を放つ。


 「ふざけないでよ!香菜は受かったからそんな楽観的なことが言えるのかもしれないけど、私はもうあとが一回しかないんだよ。もしその受験で落ちたら、私と香菜は同じ高校にはなれないんだよ。もう中学でさえ無理なのに。なんで」


 泣きながら膝から崩れ落ちる私と、嗚咽する香菜。それは、まさに地獄光景でしかなかったはず。初めて死ぬ気で努力して、初めてその努力を裏切られた。


 この世界は二つで成り立っている。勝者と敗者。後者を経て勝者になるとかいうけど、敗者になったら取り返しのつかないこともある。


 「でも、、、、、」


 香菜は泣き過ぎて言葉が発せていない。ここのことは、意志ではなくもう衝動だった。衝動とゆう名の感情任せ。私の初めての衝動。


 香菜が何かを言いたげにする。でもうまく言葉にできていない。


 「まだ、予備合格者欄があるから」


 耳をすますと、そう聞こえる。そして、私は這いつくばりながら、予備合格者欄を見る。


 そこにはA203とゆう番号が書いてあった。しかも一番上に。「ほら、希望は捨てちゃダメなんだよ」泣きながら笑ってこっちを振り向く。


 「香菜~」


 気づくと私たちは泣きながら抱き合っていた。これも衝動である。毎年2人は必ず辞退するから必然的に受かったも同然だったからだ。


 「ありがとう、香菜」


 泣きながら放った言葉を最後に、そこからのことは何も覚えていない。これが私の初めての衝動。

 

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