暁高校その①
「ふぅー、間に合った~。」
私はいっつもバスで通学している。今日は予想しない大雪だってことで、バスも10分くらい遅れたのが幸いだった。家から学校までは大体30分くらいで割と近い。
私は友達であった香菜の隣に座るのであった。「おっはよう、香菜。」久しぶりの友人との再会に大きな声が出そうになるが、ここはバス内なのでその気持ちを抑えて小声で言う。「久しぶり、輝月。もう私たちも2年生か~」
過去に戻ってきたから実感がわかないけど、時の流れって早いんだね~。気づいたら大人になってたし。「そうだね~」
何年振りかに乗るバスはとても楽しかった。バスの揺れる感じや人が降りていく感じ、バスの降車ボタンが一斉に光ることなど、あたりまえだったことは決して当り前ではなかったんだな、と思う。雪だからいつも以上に乗ってる人がとても多かった。
長く揺られること30分弱。
「ふぅ~、やっと着いた」久しぶりのバス通学は長かった。「いつものことじゃん?」いつものことといっても7年ぶりだったってことは内緒の話。「まぁ、そうだけどね~」
改めてみてもやっぱりでかい。暁高校は全体的にレベルが高く、倍率は30倍は優位に超えている。だから、私たちの高校にいる人達はみんな頭がいい。それ以外にも何かしらの特色を持っている。私で言ったら、しょうもないけどなくした物などをどこにあるかがわかること。案外役に立つんだよね。香菜で言ったら圧倒的集中力。
ここは本当に印象的だったから覚えてるんだよね。逆に、印象的なこと以外はあまり覚えていない。
「じゃあ行こっか」香菜が後ろを振り向き微笑みながら手招きしてくる。「うん!」私と香菜は校門から入る。
今日から新しい1年生も入ってくるはず。あの子やあの子も頑張って受験して入ったんだろうな~。そんな悠長なことを考えていると見覚えのある人を見つける。完璧に理解した。私の目的である、明星君。話しかけようとしたけれどやめた。ここで話しても彼の性格上、変な人だと思われそうだし、どうせ席も隣になるし。自分に納得できる理由を付けて、問題から逃げるのであった。
「春休みの宿題終わった?」香菜が聞いてくる。「終わったけどなんで?」実は春休みの宿題が終わってるかどうかは自分でもわからない。やってきてなかったらやばいけど、それは16歳の自分に任せるしかない。「そうゆう香菜こそどうなの?」「私?私は5日くらいで終わらせたと思うけど。さすがに夏休みレベルの問題量の多さにはビビったけどね」圧倒的集中力を持っている香菜でさえ、5日なんだから、このレベルの宿題をやってきた私ってすごい‼
そんなことを話している間に校舎についた。「えーっと、確か2-3組は~、、、」香菜が周りをきょろきょろとしながら下駄箱を見渡す。「あった!」あったのはいいんだけど、、、「ねぇ香菜。私って何組だっけ?」昔の記憶がないんですけどぉ。「えー、忘れたの?同じクラスだったじゃん」「あー、そんな気がしてきたわ」「もうちゃんとしてよね」そんな気がしてきたと言ったものの全く覚えていないから、そんな気も何もないんだけど、、、私はなんとか靴を下駄箱に入れて教室に上がるのであった。
「2階~2っかい~」鼻歌交じりに2階を上っていく。「あそこじゃない?」2-4のプレートがかけてある。 「だね」階段から一番近いところに2-4そこから順番に2-3、2-2、2-1とある。香菜が教室に入る。「おはよ~~!」香菜が大声で言う。それに続けて私も入り、「おはよう」と一応行っておく。覚えている顔の人は、、、いまのところ誰もいない。私は26番らしいから。私は前から26番目の席を数える。「あった」一番前の窓側の席にある。香菜は前から7番目の席にある。そして、本命である明星君の席は、私の隣。だと思うだけだけど。このクラスは30人くらいが定員なのかな?
私は鞄の中を見る。って、宿題終わってないじゃん。何やってんのかこの私。顔が物を言っていたのか、香菜が近づいてくる。「すごい剣幕してどうしたの?」素直に言っていいのだろうか?いや言うしかない。「いゃ~、宿題やるの忘れていてさ~、、、」この学校って宿題忘れていたらやばいことが起きていた気がする。「やばいよ~。取り敢えずやってないところまだ朝礼まで30分あるから映しちゃって。」「助かったよ。ありがとう。」私は香菜に宿題を見せてもらいながら、必死に答えを映す。




