下−299 にゃんごすちん
ちゅんちゅんちゅん・・・・
う・ううーーん、おもい・・・ けどふぁふわぁあああああ♪!♪
そのままでいたいが、目を開けてみる、と、天使様がっつ!!!
ではなく、ペルシャ系?ねこ人がかけぶとんになっていた。
おもいわけだなー。
ねこ人はひとと同じ大きさである。
毛がふわふわだからわかりにくいけど、多分このねこ人はデブってるな?すごい重いものっ!!
で、
その重量物の下敷き状態からそっと抜け出して、ごろんと中身トドを放置した美雄。
見回すと店に居たほぼ全員だろう、ここに雑魚寝?になってる。雑魚寝というかマット敷きつめて転がっているだけだけど。災害現場みたいにも見える。皆胸あたりを見るとわずかに上下しているので、あ、生きているんだ?ってわかる。
安心した美雄はマグロやトドに化した連中をまたいで部屋を出る。二階だった。
狭い階段を降りると店の奥のトイレの横に出た。昨晩は暗かったから階段は見えなかった。というか酔ってたから見てなかった?
お、いい匂い。同時に、包丁とまな板が当たる音、鍋の蓋がことこと言っている音、なども聞こえる。
誰かが朝飯を作っているのか。
うまそうな匂いである!。まぁ夜のお店だからほぼ全員女性なので、まぁ下手くそはあまりいないだろう。
これが軍とかだったら3発詰めたロシアンルーレット並に外れになる。
女性の職場は質が高い(と思う。まだ食っていないのでわからん)。
「おはよーございます。」
と、厨房を覗く。
ママである。鬼人の。
ママと呼ぶだけ在るんだなぁ、と、へんなふうに感心する美雄。
と、厨房の奥の方にA治がなんかやってる。魚焼いてる?
「おう!おはよう!」A治
「おはよう、早いのね?」ママ
「なんか、重くて目が覚めて・・・」
あっはっはっは!!と、ママ。
「ペル子でしょ。あの子寂しがりやだから誰かに接触して寝るのが好きなのよね。」
接触?あの、猫がぺとって足とかにひっついて寝るやつ?いやいや、そんな甘っちょろくないし?のしかかられていました。
「もうすぐできるから座ってなさい。あ、そんじゃ悪いけど、あの棚からボールと皿を全部出して、このカウンターのそっち側に積んどいてくれる?
「ういっす!」
はしにそれぞれ30程数列にして積み上げる。
「ママ、スプーンとフォークでいいの?」
「スプーンだけでいいわ、あとは手づかみだから。」
さすが獣人、ワイルドである!
ご飯は炊いていないようだ。
おかずだけ?冒険者みたいだな。(偏見です。)
食事が出来上がると、それを待っていたようにぞろぞろ降りてきた。
飯だ飯!はらへった!今朝はママか、良かった。
色々言いながら降りてくる。なんか不穏な事も聞こえたが・・・地雷はだれだ?
聞いてると、なんか起きてきた者から飯を作るらしい。
パー子というのが地雷らしい。パー子が先に起きたらどーすんだよ?とか会話の中に聞こえた。
これだけ名前からどの子か推測できない名前も珍しい・・・。
などと美雄はおねーさん達を眺めながら思った。
夜とはなんか全然違うね?
とも思った。
メイク落としたからね!
A治達も一緒に朝食を食べた。店のオネーサンたちは何も言わないので、A治たちは(いつものことなのだろうな)と思った。
たまにならいいけど、俺らにはこの生活毎日はきっついよなー。と思う者も多かった。
まぁ、老けるのは早くなるわな。
「あ!学校に!」美雄
「おう、休むって念話いれとくわ」A治
・・・・・・・・
念話を送ってるらしい。
「タカシセンセー、知ってた。昨晩は勝手に念が流れ込んできててうるさかった、だって。」A治
「?なんで合流しなかったんだろう?」
「うん、俺もそう思って聞いたんだ。したら、獣人じゃー靴履かないだろう?だって。」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
「あら?靴がどーしたの?」
「いえ、ウチのセンセーの趣味が靴の匂いなんで・・・」
「あっはっは!犬みたい!」ペル子。
猫だからね、ライバルの特性よく知ってるよねw
食事しながらの雑談で、いつも今日みたいに昼近くに起きて、夕方まで洗濯など用事あったらして、店を掃除したり必要な用意をしたりして開店まで待つってことを聞いた。
「全員でやればすぐ終わっちゃうでしょ?」
フェリパの質問で、
あっはっは!私はしないというかやったらだめだし!
と、洗濯禁止や料理禁止、掃除禁止を言い渡された者も少なくない様子。
どうやってもまずい結果に成っていたそうな。本人も周囲も”しない方向で”と納得したらしい。
そういうのが集まってくるのか?
それはそうと、
「んじゃ、余計だな?」椎輔
「そうね、勿体無い人手ね」フェリパ
「昼から夕方までちょっとできるようななんかやったら?」デジレ
「お店ならしやすいし。」イニャス
「そんな短い時間?あまり意味ないんじゃないの?」犬娘
「そうだなー、例えば按摩屋?」美雄
(ふるくせー)
(江戸のお方ですか?)
(マッサージって言うよな?ふつー)
(なんかアンマー!とか特殊な力使うんじゃね?)
(((それだっつ!!)))
「ねーよ、例えばだよ。ジジババとか開いてる時間に来てくれるだろ?他無いんだから」
あー、まーそーかー
と一同納得。
「んじゃ、小物屋とか?」フェリパ
「他に在るしなー、そこしかないモノを売るなら別だけど」
「難しいわね」
「あれじゃね?古道具屋は?」美雄
(やっぱ江戸の人だぜ!)
(違うって、老人なんだよ!)
((((それだっつ!!!))))
「ちげーよ若者だよ。古道具なら買い取りもするし、他にないし、開いてるときに店の前を通る人は急いでいなきゃ見ていくんじゃね?」
「良さげね。最初はうちの古道具とかを置いて、様子見ることできるし、あまり手間かからないし、値札付けておけば誰でも店番できるし。買い取りだけ最初はあたしがやればいいかな。」
とママが乗り気になった。
他の店の子達も面白そうだと思ってるようだ。暇つぶしに。
善は急げで、食事後に通りに良さげな空き家か空き地を探した。
古屋がすぐに見つかる。木造平屋なので傾いていて住むのが危険なくらい。
貸すのもいいし売ってもいい、と持ち主である隣の店の主人に言われたママ。値段を聞いて即買った。
この王都は、というか、この世界大体かな?土地の値段などほぼ無い。建物の価値がその不動産に価値になっている。なので使い物にならないボロボロの家なので安かった。
イニャスとデジレがやってみたい、ってんで、ママがお願いした。
回復だ。
結局2人だけでは魔力が足りなかったので、英治、美雄、椎輔、フェリパが加わり、そこにいた軍団全員で魔法をかけた。
結果、ほぼ新品同様にまで回復した。
言葉も出ないママと付いてきた店の各種獣人娘達。
獣人は魔力がひとよりも多い。でもここまでの回復など出来る者はめったにいない。(イサムが来る前基準)
「・・・売り物が古物だけど、店は古物から新品になっちゃったわね」ママ
「あ!、そうにゃ!古物仕入れて新品にしてもらって売るニャ!」
「あー俺ら帰るよ?魔国に」A治
ええーーー、という声が獣人娘達がら上がる。
「あんたら、せこい考えしないのっ!!」ママ
そっからA治達は夕方までつきあい、店から古物を持ってきてきれいにしたり、棚を造ったり、縁台を造ったりを手伝った。
店を開ける前の準備に皆が戻るので、A治たちは帰る。
「じゃね!また来るね!」
シュン!
転移していった。
で、店のメンツはみな店に戻った。
店では、
「みんなどこいっちゃったのー・・」と、途方に暮れたギルダーが残されていた。
が、
もうすぐ開店の時間なので、
「んじゃ、今日もそのまま遊んでいく!」ギルダー
数日後、気に成ってA治が古道具屋を見に来た。通りからそっと見ると、客がいる。売り物も明らかに増えていた。
客は何かを買っていたようだ。
買い取り失敗や、売値付け失敗を心配していたが、大丈夫な様子である。
店の上に看板が上がっていた。
ニャンゴスチン
ずっとあとにまた夜の店のほうに遊びに言った時にきいたら、ママの名前だそうな。鬼人で?名付けた者に理由を聞いてみたいものだ、と、皆思った。
ーーー次回 きらめく世界 ーーー(BGM、SAOのなんか)




