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下−278 導師長


これでアパートに居るのは19名となった。

パートナーがいるので全部集まると38名(含むイサム)となる。


1クラス分だな。

なんかやるには気軽に、って感じではなくなってきていた。


「俺も、なんか店をやってみるかなー。村で」

と、朝食を食べ終えて茶をすすっているイサムが呟く。

もちろん引退者村でのことだろう。


ちょどお茶のおかわりを持ってきたヨーコ。聞き逃すはずはない。

「軽めのBar、お酒も出すカフェ、みたいのはどうですか?ビリヤード台とか置いて。」


「お、いいなそれ。そーだよなーびり・・・・おい、おまえ、転生だったのか?」

「・・・なんというか、最近?すこーしづつ、思い出してきたような?」

ふむ、

「他に、何か思い出したこととか、ある?」

「そうですね、・・・・・・・・・・・」


沈黙が長い。


待つイサム。

待たせるヨーコ。


「ヲイコラ」

「冗談です」

どっかで?


それじゃ、えい!とヨーコ。

ぽん!

と、イサムの頭が重くなった。

遠目で外から自分の頭を見てみると、、、お花畑になっている


・・・・・・どこかで・・・?


そのイサムの様子を見て考えるヨーコ。


「あぶだかぶやこんまはりくまやこんてくまーく・・・立ってください」

?イサム立つ。

「座ってください」

座るイサム、ドッコン!!

天井に首が突き刺さり、首からしたら天井からぶらぶらしているイサム。


ゴガン!!

どっすん!

イスに落ちてきてそのまま座るイサム。


「なるほど、導師長か?」(中ー20話)

「ええ。おひさしぶりね♪!元気そうでなによりよ。安心した。」

「おう、俺も安心した。あのあとどうであれ、また・・・

あれ、声が出ない

めが、目の前がなんかゆがんでる・・


そっと頭を抱かれる。

髪を撫でられる。


ああ、俺、泣いてるんだ。

だよなぁ、、9回の、失った仲間に、一人でも会えたんだもん、泣くよな。

多分、あれから死んだんだろう。でも、ここにいるんだ。それでいい。

他の皆も・・きっと・・・いつか・・


小一時間そうしていただろうか。

イサムは寝てしまっていた。



イサムが起きた時は自分の部屋のベッドに寝ていた。

・・・・・・・・

ああ、あのまんま寝てしまったんだなぁ、、

懐かしいなぁ、一番最初の世界の一番最初に接触し、そして一番最初の信頼できる者。あいつとバカやってると楽しかった。



なんか、食堂に行ったら「そんひと居ませんよ?」とか言われそうな気がして、なかなかベッドを降りられないイサム。やっと会ったと思ったら夢だった、とか耐えられそうもない。


バタン!!

「何やってんの?起きたんでしょ?」

ずかずか入ってくる、あのときと同じようなガサツさが服を来たような・・


「あ?なんですって?」

「おまえ、変わった?」

「いーえ?これも、私よ?両方共わ・た・し!いい?」

うす、承知。


「よろしい。じゃ朝ゴハン食べなさい。懐かしいわよ」


で、いつもの隅の席に行くと、

黒魚と納豆と浅漬と味噌汁とご飯の用意がしてあった。

「・・・懐かしいな、黒魚定食」

ばこん!

お盆で打たれるイサム。


「少しこげただけでしょ!!」

周囲の冒険者ドン引き!!


あれ?ヨーコさん、あんなだったっけ?

いや、なんか乗り移ってるんじゃね?

(半分当たりだ!)イサム

ざわつく冒険者達を全く気にせず、

「ほら、食べて感想いいなさい!」


うまい以外言わせないくせに。

アノ時は、たまにこういうの作ると、美味いと言うまで何度も言わせたのだ。


厨房内ではメフィが腹を抱えて笑い転げているのがわかる。


黒い魚は中を開くと焦げていない部分もあるので食べられる。そこは美味い。サンマみたいな魚。

納豆は、納豆菌をどこから持ってきたのかはわからんが、糸引いて、匂いもそれ。それなりに納豆になっているのがびっくりだ。

(メフィが昔から作ってるけど、あまり人気ないのでここんとこずっと出していなかったから、イサムは忘れたんだろう、?)

醤油を少しだけ掛けて食べる。うん、納豆!!


浅漬けは、塩もみ。僅かに糠の香り。多分漬ける時間がそれほそなかったのだろう。ここは米があるので糠はでるのだ。それを見つけ、ぬか床にしたのだろう。ぬか床にするにも時間は掛かると思う。(同上)

??ということは、数日前から思い出してきていた?



そう言えば、ここんとこ、ヨーコは毎日居たわけではなかったな、と思い出すイサム。

その頃から思い出すことは始まっていたのだろうか。


最初はびっくりするよなー。自分の中にもう一人自分が居る様に思えて。両方共自分なんだけどね。


そんなことを考えながら食事を進める。

最後に味噌汁を全て飲みきって、おこげと頭と骨以外はほぼ食べきった。

「ごっそさん、美味かったよ。あいかわらず。」

「お粗末さま!♪!」


ヨーコが片付けをしてる。

器を載せたお盆を持って厨房に戻ろうとするヨーコの裾をつかむ。

「え?」

「俺の世界、見るか?」

「・・ええ!これ洗ったらすぐ来るから!」


ーー


ほどなくヨーコは戻ってきた。

厨房の中で「そんなのいいから!私がやっておきますからすぐ行きなさい!」とメフィの声。

エプロンをはずしてすぐに戻ってきたのだ。


外に出て、手を繋いで空に高く高く昇る。

周囲にバリアを張って寒くないように。


「中央王国」

「うん、今の私の故郷」


南東に向かう。音速ほどは出さない。

ほどなく草履の上空。


「桜の国だ。アラタが桜の旦那になっている。」

「うん。まだ会ったこと無いけど、聞いたことある」


ずっと東に飛ぶ。大中小を飛び越し向こうに。

ずっと北に青い炎が広がる広い大地。

その南側には一部を除いて赤い炎が広がる。


その一部の上空。


「ここがヘンヅーラ王国」

「ああ、なんか聞いたことあるわ。北桜で名を挙げたとか?」

「ああ、王が頑張った」


そのまま西北西にマッハ3くらいで飛ぶ。バリアはその程度ではびくともしない。


魔国上空。緑豊かで山岳地帯の多い国。マソが多い。


「魔国ね」

「ああ、わかるか」

「ええ、マソがすごいわ」

「導師のちからも蘇ってきてるのか・・」

「みたいね」


転移してみる。

シュン!!


西の国王都上空。


「西の国」

「聡明で、良い王様と聞くわ」

「ああそうだ、典型的な賢王。賢いから悪いことはしないし、人情もある。できるなら彼にこの世界を収めてもらいたいほどだ」

「そうしたら次が大変よ」

「だよなー」


シュン!!


月の上

パウダー状の埃が立つのを魔法で押さえ、バリアのまま地上に降りる。


「この世界の地球だ」

「まだ他に大陸ってあるの?ここから見えないけど」

「さあ?」

「・・まぁいいわ」


「でもね、」

「うん、わかっている。お前が来た以上、俺はこの星全てを今のようにする。」

「期待しているわ。」

「まかせろ。」


地球を見ていると、なんかずっと見続けてしまう。

何も考えずに。


くいくいっ!

てを引っ張られた。

「ほら、そろそろ」

「おう、戻るか」

シュン!!


食堂の隅。


「ねぇ、Bar,やりなよ。」

「ああ、いいかもな。今から、行くか?」

「ええ、そうしましょ」


シュン!!


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