下−100 ミツル、召喚される! M1
天界
「萬田満、まんだみつるー、、お呼びがかかったどー」
「お、ミツルか、、頑張れよ!」
「おう、、もうなんかめんどーくせー、しか感じないけどなw」
「ここに居る者の大半が、もうそうだよ、、」
「中身、老人っぽくなってるよなー」
「あっはっは!茶すすって、TV見っぱなしだもんな!」
笑い声と、違いねぇ、という声がそこここからする。
今回下から召喚が掛かったのに「当たった」のが、彼、萬田満だった。
どっかから勇者召喚がかかると、くじが引かれ、当たりが決まる。
一回目二回目程度のビギナーは、優先的に次の召喚に載るので、天界には基本来ない。
大体3回目以降になると、天界の待機所で待機になる。
ただ、翔太やゴッツなんぞは最初から待機所で待ちにいれられるだろう。
多分、タカシは「おもしろそう」なので、次から次へ飛ばされるだろう。天界の基準なんてそんなものなのである。
ーー
ぱふん!
・・・・・・
どこ?これ?牢獄?じゃねーし、、あれ?おれのへ、、じゃねーよ、こんなキレイじゃなかったし、、
(満の自室は汚部屋だったようだ)
「あ!・・・・・、、、あんた、だれ?」
メガネ、、おなご?
ぼっさぼっさの長髪、いつ洗ったのかな?みたいなジャージ上下、、
でも、部屋は臭くないし汚くない?
でも、俺の居た時代と同じくらいか?机の上にはノートPCだぞ?
あ、
今、こいつ
あんた誰?
とか言わなかったか?
「おめーが俺を召喚したんだろーが!いらないんだったら返せよ、じゃねー、帰せよ戻せよ向こうに?」
「疑問形?」
「いや、向こうっても、天界だからなー、、」
「あんた、阿呆?なんか薬物とか、合成またたびとかやってんの?」
・・・・・
「・・・ごうせい、、またたび?、、またたび、、なの?」
「・・・・?そうだけど、、、」(ぷ!嘘だけどね!)
「嘘は良くないデース。」満
「勝手に心読むのも良くないデイース!」メガネ
くっそーーーーー!!!
イサムさんの手法が全く役に立たねぇ!!!なんだよこの状況!!!
ちなみに満は3回目の、まだ初心者であった!
足元がゴワゴワカサカサ、、見ると、
模造紙に書いた陣?
「おめー、こんなんで俺様を召喚したの?」ミツル
「・・・できちゃった♪」
ある意味怖いセリフだな?旦那だったらおお喜びだろーけど、、
ベッドの上にその模造紙召喚陣を置いて、何やら呪文らしくものをなんかの音声っぽく口にしたらしい。
たまたまだろう、、、(いや、真実は、神がおもしろがって受けただけだけどね?)
「何か?おれは、たまったま、おまえの召喚に応じられちゃった?ってことか?」
「そうじゃないですかね?ござる」
・・・・
「おまえ、人見知り設定じゃないの?」ミツル
「・・あんたは人じゃないから没問題!」メガネ
・・・・・
「茶、くらい出してほしーかなー」ミツル
「魔法で出せるんじゃないでござるか?」
・・・
ほい、、
ぽん!
「「でた、、、」」
「ふむ、、まじで出たでござるまするですな!へぇ、、ほんとにぃ?。ござる」
・・・
「おう、、オレも、こんな世界で魔法使えるとか、おもわんかった、、よかった、、」
ホッとするミツル。
そりゃ、自分の居た世界では魔法なんか使えなかったミツル。なので全く同じく見えるここで使えないと無意識に思っていた。
「・・・よっしゃぃああああ!!!食料ゲットォおおお!!!! ござる」
ドン!!!
壁ドン、、
(アパートかよ、、お前しずか、、いや、、遮音バリア!)
「よし、遮音バリア掛けたから、音だしてももう隣から壁ドン来ないぞ!」
「おお!それは大田スカリでござる!」
「誰?」
「そのむかし、一回も表にでないで消えてったアイドルでござる、大田スカリ」
「・・・すげーな、その、アドリブで速攻で、でっちあげられるっての、、、チートだな?」
「勇者様からチート認定!!来たーーー!!でござる」
「で、何?おまえ、ナニやって暮らしてんの?いやまて、、その風体、、絵師だろう?」
「ぴんぽーん!ぴんぽんぽんぽんぴんぽーーーん!!」「でござる!!」
もう語尾やめたら?
みせろや、、と勝手にPCのファイルあけたら、、
画伯だった!!!
しかも、
恐怖系、、、、
・
・
・
いや、、よく見ると、絵師本人はなんか、ほのぼの系、として書いている気配がある、、
「ほのぼのホラー、、、か、、、」思わずつぶやくミツル
「ぬっ!見破られては仕方がない、ここで死んでもらおうか、、ござる、、」
すらりん!、、魔剣ダイヤグラムを引き抜くミツル
「ほっほっひ、冗談でござるよ、今なんか食べ物でも用意するでござるんで、待つでござる」
ほどなく、やまもりのカップ麺、下に具とか入ってるのかな?
久々だなー!と喜んでかっこむミツル
ぶふぉ!!!げほっげほっつ!!!
ぶわんだごれっつ!!(なんだこれ!)
むう、しななかったか、、流石勇者だ、、
「暗殺ごっこは、食料勿体無いんでやめれ、、まじ、勿体無い、、せっかくのカップ麺様、、、」ミツル
「おう!!同士であったかっつ!!!カップ麺様を敬愛しておるのだなっつ!!!」メガネ
・・・・
こわい、かな、、
・・
すんげーババひいてないか?俺、、、
ちなみに、天界の勇者番組でいきなりトップ3に躍り出ている。よほどの例外的状況なのだろう。大人気だ!!
担当神はゴミ仕事と思っていたのがイキナリコレなので、焦ってナニしていいのかもわからず、、
「こういうときは、まずは放置だ!」と最善を尽くした!
「ほれ、見てみろ!」
と、メガネ改画伯が見せたサイト、、SNSだけどな、、
その「カップ麺板」で、神スレが上位を〆ている。
そのトップが「カップ麺に貴賤なし!!全てのカップ麺を崇めよ!!」
「・・・・・・まぁ、、ひと、、それぞれだよな?」ミツル
「だろう?だから我らも崇めるのだよ!!」画伯
・・・・・
まー、それで落ち着くなら、まーいっかー、、と諦めるミツル
それからミツルは食料(主に素材)を用意し、目標は画伯は自炊ができるよーになること。
俺は今のままじゃあんたを助ける力が不足だから、鍛えに行ってくるから、、2−3日自分でくっとけよ?
と、異界もどきに行って訓練を始めた。もどき程度なら天界から歩いて行けたのだ。派遣先から転移でも行けるようになってるとのことだった。
翌日訓練を追えて帰ってきたミツル。
通常、出たその日その時間付近に帰ってくのだが、翌日って、、何万年異界で訓練してたんだ?ふた桁万年くらい?
「よし、じす、、、」・・・・・
ミツルはまず台所の後片付けから始めた。
全てキレイにし終わってから、魔法でやりゃよかったんじゃねーの?と気づく。
その間、画伯はPCに向かってタブをいじくっていた。
まじめにやることはやってるんだなー、と、、
見てみると、、
台所を掃除する勇者!
というタイトルで、画伯絵が、、
まぁ、、いっかー、、、
こーゆーのを「面白い」と認識すれば、ここも面白くなるってもんだ、、
イサムの番組を見てて、唯一ここでも役に立ったのが、それだろう。よかったな。
亜空間ドアを付けて、中に風呂を作った。
ドアを入ると入り口2つ。のれんが男女に分かれて掛かっている。
中は普通の銭湯みたいになっているけど、浴槽はいくつもある。薬湯、普通の湯、熱い湯、露天、硫黄泉の湯、泡風呂。
で、脱衣所には牛乳ストッカーがあり、普通のとフルーツとコーヒーの牛乳が入っている。
栓抜きは勿論あのマル輪っかの中にピンが出ているやつだ。
魔法で呼び出した魔人?かなんか、を番台に乗せている。代金は取らない。
画伯は喜んでいた。番台が「ひとではない」のと、「他の客が居ない」のがいいらしい、、
そこかー、、、
まぁ、飼い犬や飼い猫に尽くす飼い主になった気分のミツル。
「これで筆も捗るってもんさっ!!!ござるっつ!」画伯
・・・・
どうにかしないと、あれではよほど物好きでないとウケないままだ、、
どうにか一般の奴らを騙せるようなものにしなければならない、、
というか、
画伯自体をも騙して、そういう系に持っていくのがいいのか、、、
さて、
どーしたもんだろう?
ミツルは、このイサムの今までの全ての問題をひっくるめたよりも強大な問題に立ち向かおうと、無意識に決意していた。