ごっくんの卵闘
楽しんで頂ければ幸いです!
バッコーン!!
ここは町の何処にでもありそうな神社の中の厨房。まるで料亭のような広々とした場所に響く爆発音。
「すっ、すみませんっ…」
悪魔のような顔で泣きながら頭を下げるのは、ピンクのハートのエプロンを身につけた極悪ヤンキーだ。
「おーけー、おーけー!こんな失敗は誰にでもあるよ!」
親指をグッと前に突きだし励ますのは、巫女姿の上に赤色に白い水玉のエプロンを着けた"突っ走りさま"こと…かよだ。
そんなかよの言葉に、「いや、そんな失敗しないでしょ」としっかり者のあなたなら突っ込むだろう。
「僕、このままじゃ家庭科のテストに合格出来ない…」
この世の終わりのようなテンションの極悪くんは、頭を抱える。
「ごっくん!諦めたら、のー!のー!」
「へっ?ごっくん…?」
極悪くんの戸惑いを無視し、かよは明るく突っ走る。
「出来るまで、何度も爆発させれば、おーけー!おーけー!」
かよの提案は、「えっ、何度も爆発~?うける~」と物好きのあなたなら喜びそうなシチュエーションだ。
「それに、ごっくんがお賽銭に持ってきてくれた、なつきさん家の卵分、わたしも頑張るよ!」
ニコッとごっくんに笑いかけ
「だから、美味なゆで卵をいざ、だいなまいとクッキングー!」
右の拳を突き上げる。
「おっ、おっー!」
ごっくんもつられて右拳を突き上げた。
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さて数度の爆発を経て、なんとかゆで卵を完成させたのだが、爆発事件を上回る出来事が起こった。それは…
「さて、れっつ!実食……ごっくん!ゆで卵に何のせてるの?」
「…?何って、イチゴジャムですよ?」
「…わぉ…みすてりぃ…」
読んで頂きありがとうございました!