第6話~初めてのお泊まり~
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翔吾の家で休んでいた僕は、遅くならないうちに家に帰ろうとしたが、外はどしゃ降りで一向に止む気配がない。走って行けばなんとかなるかな?
『今日は、泊まった方がいいぞ』
『えっ、いいの?』困惑する僕
『お前、走って帰ろうと思っただろ』
『うん、そうだけど?』
どうやら、翔吾は僕が走って帰ろうとしたことを見抜いていた、少し考えてから僕は、泊まることにした。 (これって、お泊まりデートじゃ?)|
『ねぇ、翔吾電話を借りたいんだけど』
『いいぞ、今日泊まるって言うんだろ?』
『そうだけど、何て言えばいいかな?』
『雨で帰れないって、言えばいいと思うぞ?』
僕は電話を借りて家に電話をかけた。
『もしもし、母さん僕だけど?』
『あら、奏どうしたの?』
『今日、翔吾の家に泊まっていいかな?』
『いいわよ、楽しんでらっしゃい♪』
なんかすごい母さんがノリノリなんだけど……
『奏、家に電話したのか?』
『うん、母さんからOKしてもらったよ』
『そうか、よかったな』
翔吾の部屋へと向かった。
『ねぇ、翔吾?』
『何だ?奏』
『僕、ホントに泊まっていいのかな?』
『お前をずぶ濡れで帰す訳にいかないだろ?』
翔吾は僕の目線に合わせて、優しく頭を撫でた。
昼間の三人組に触れられた時とは、違い嫌な感じはしなかった。(すごい、ドキドキする)
『翔吾、マッサージしてあげる』
『どうした、急にそんな事言い出して?』
『今日のお礼だよ』
『そうか、よろしく頼む』
僕は翔吾のマッサージを始めた、最初は肩を揉む
次は背中と腰のマッサージをするが、どうにも力が弱くうまくできない。
『ねぇ、翔吾気持ちいい?』
『あぁ、少し力が弱いけどな』
『なぁ、奏俺を踏んでくれないか?』
『な、何言ってるの翔吾?』ドン引きする僕
『何も言わずにやってくれないか?』
取り敢えず、言われた通りにやって見る。確かに僕の力では弱いみたいだ、友人が変態なんじゃないかと疑った自分が恥ずかしい。
翔吾のマッサージをしばらく続けていると、部屋の扉を誰かが開けた、誰か来たのかな?
『翔吾くぅ~ん、何してるかなぁ?』
『げっ、姉貴』慌てる翔吾
部屋の扉を開けたのは、高瀬明日香つまりー
翔吾のお姉さんだった。かなりマズイタイミングで遭遇しちゃったな……
『翔吾、この状況は何?』キレ気味の明日香さん
『あ、姉貴マッサージをしてもらってただけだ』
『小さい子に踏まれるのがねぇ』
『信じてくれ、姉貴本当だ』
『黙れ、変態』
さらに最悪のタイミングで、翔吾の父親もやって来た。どうするんだこの状況
『おい、馬鹿息子何をしているんだ?』呆れてる翔吾の父親
『お、親父説明させてくれ』
『そんな事より、この子どこから連れて来た?』
『親父、そいつは奏なんだ』
『嘘を吐くな、馬鹿息子』翔吾の胸ぐらをつかみ、物凄い剣幕で怒鳴るおじさん、さらに、おじさんの右ストレートが翔吾の顔面を捉える。 (僕のせいで親子喧嘩になっちゃったどうしよう)
『おじさん、翔吾が言ったこと本当です』僕は翔吾が嘘を吐いてないことをおじさんに言った。(どこから説明すればいいかな?)
明日香さんとおじさんに僕の身に起きた出来事を包み隠さず、話した。明日香さんとおじさんは僕の真剣な表情をみて、嘘ではないことを理解してくれた。(これで、一件落着かな?)
『これからも、馬鹿息子と仲良くしてやってくれ』
おじさんは僕に優しい口調で言ってくる。
そう言って、おじさんは翔吾の部屋を後にした。
『奏ちゃん?』明日香さんが僕に声をかけてきた
『どうかしたんですか?』
『後で一緒にお風呂に入らない?』
『良いですよ』
部屋での騒動が鎮まった後、晩御飯をご馳走になった、僕は食器の片付けを手伝う。
そして、明日香さんと一緒にお風呂に入る。
『奏ちゃん、すごく可愛いね』
『えっ、そうですか?』
『そうだよ、後私に敬語つかわなくていいんだよ』
『はい、明日香さん♪』
明日香さんと裸の付き合いが終わった。
『奏ちゃん、パジャマ持ってきてないでしょ?』
『うん、』
『じゃあ、私が昔着てたやつあげる』
『ありがとう、明日香さん』
その後、翔吾とホラー映画を一緒に見た。この後ホラー映画のせいで大変なことになるとは思わなかった。
僕は翔吾の部屋で寝ることにしたが……
『ねぇ、翔吾起きて』
『んあ、どうした奏?』
『恐いから、一緒来て?』
『どこに?』
『トイレ、一人じゃ怖くてくむり』
僕は翔吾を起こして一緒にトイレについてきてもらう。
(ホラー映画見るんじゃなかった)
僕は再び眠ろうとする、しかし今度は雷鳴が怖くて眠れなかった
『ねぇ、翔吾』
『今度は何だ?』
『一緒に寝よ?』
『は?』
『布団に入るから』
こうして僕の一日が終わった。翌朝翔吾が寝不足だったのはまた別の話しだ
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